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FUNCTION

関数の定義

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関数

実数空間\(\mathbb{R} \)もしくはその部分集合\(X\)のそれぞれの要素に対して実数を1つずつ定める写像\begin{equation*}f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を実変数の実数値関数(real-valued function of a real variable)や1変数の実数値関数(real-valued function of single real variable)などと呼びますが、以降ではシンプルに関数(function)と呼ぶこととします。また、\(X\)を\(f\)の始集合(initial set)と呼び、\(\mathbb{R} \)を\(f\)の終集合(final set)と呼びます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、始集合\(X\)の要素\(x\)を任意に選ぶと、\(f\)はそれに対して実数を1つだけ定めます。これを\(f\)による\(x\)の(value)や(image)と呼び、\(f\left( x\right) \)と表記します。

例(関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( 0\right) &=&0^{2}=0 \\
f\left( 1\right) &=&1^{2}=1 \\
f\left( -\frac{1}{2}\right) &=&\left( -\frac{1}{2}\right) ^{2}=\frac{1}{4}
\end{eqnarray*}などとなります。

例(関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x+1}
\end{equation*}を定めるものとします。例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( 0\right) &=&\frac{1}{0+1}=1 \\
f\left( \frac{1}{2}\right) &=&\frac{1}{\frac{1}{2}+1}=\frac{2}{3} \\
f\left( 1\right) &=&\frac{1}{1+1}=\frac{1}{2}
\end{eqnarray*}などとなります。

例(関数)
「半年複利・年利\(2\)% 」という条件の定期預金に\(100\)万円を預けると、\(t\)年後の元利合計(万円)は、\begin{equation*}f\left( t\right) =100\left( 1+\frac{0.02}{2}\right) ^{2t}
\end{equation*}になります。この場合、\(5\)年後の元利合計(万円)は、\begin{equation*}f\left( 5\right) =100\left( 1+\frac{0.02}{2}\right) ^{10}=110.46
\end{equation*}になります。

例(関数)
イブプロフェン(鎮痛薬の成分)を400mg摂取した時点から\(t\in \left[ 0,6\right] \)時間後に血液中に残留しているイブプロフェンの量(mg)の推定量が、\begin{equation*}f\left( t\right) =0.5t^{4}+3.45t^{3}-96.65t^{2}+347.7t
\end{equation*}であることが実験から明らかになっているものとします。この場合、\(2\)時間後の血中残存量(mg)は、\begin{eqnarray*}f\left( 2\right) &=&0.5\cdot 2^{4}+3.45\cdot 2^{3}-96.65\cdot
2^{2}+347.7\cdot 2 \\
&=&344.4
\end{eqnarray*}であることが推定されます。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して実数\(f\left( x\right) \in \mathbb{R} \)を1つずつ定める規則です。したがって、ある\(x\in X\)に対して\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が1つの実数として定まらなかったり、ある\(x\in X\)に対して\(f\)が定める値\(f\left( x\right) \)が存在しない場合、\(f\)は関数ではありません。

例(関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、「\(x\)以下の実数」を値として定める規則\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は関数ではありません。なぜなら、実数\(x\)を任意に選んだとき、\(x\)以下の実数は無数に存在し、1つの実数として定まらないからです。
例(関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x}
\end{equation*}を定める規則\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は関数ではありません。なぜなら、実数をゼロで割ることは許されず、始集合\(\mathbb{R} \)の要素\(0\)に対して、\begin{equation*}f\left( 0\right) =\frac{1}{0}
\end{equation*}は定義不可能だからです。一方、\(f\)の始集合を制限して\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)とすれば、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x}
\end{equation*}が1つの実数として必ず定まるため、この場合\(f\)は関数です。

 

等しい関数

2つの関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ X=Y \\
&&\left( b\right) \ \forall x\in X:f\left( x\right) =g\left( x\right)
\end{eqnarray*}がともに成り立つ場合には、\(f\)と\(g\)は等しい(equal)といい、そのことを、\begin{equation*}f=g
\end{equation*}と表記します。つまり、2つの関数\(f,g\)が等しいとは、それらの始集合どうしが一致するとともに、始集合のそれぞれの要素に対して\(f\)が定める値と\(g\)が定める値が常に一致することを意味します。

例(等しい関数)
関数\(f,g:\mathbb{R} _{+}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{+}\)に対して、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) &=&x \\
g\left( x\right) &=&\left\vert x\right\vert
\end{eqnarray*}を定めるものとします。これらの関数の始集合はすべての実数からなる集合\(\mathbb{R} \)ではなく、すべての非負の実数からなる集合\(\mathbb{R} _{+}\)であることに注意してください。任意の非負の実数\(x\)に対して\(x=\left\vert x\right\vert \)が成り立つことから\(f\left( x\right) =g\left( x\right) \)であるため、\(f\)と\(g\)は等しい関数です。

逆に、2つの関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)に対して先の\(\left( a\right) ,\left(b\right) \)の少なくとも一方の条件が成り立たない場合、\(f\)と\(g\)は異なる(not equal)といい、そのことを、\begin{equation*}f\not=g
\end{equation*}と表記します。

例(異なる関数)
関数\(f,g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) &=&x \\
g\left( x\right) &=&\left\vert x\right\vert
\end{eqnarray*}を定めるものとします。\(f\)と\(g\)は始集合を共有しますが、始集合の要素である\(-1\)に注目すると、\begin{eqnarray*}f\left( -1\right) &=&-1 \\
g\left( -1\right) &=&1
\end{eqnarray*}となり両者は異なるため、\(f\)と\(g\)は異なる関数です。

 

演習問題

問題(関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =4-1.2x-3.4x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします。以下の問いに答えてください。

  1. \(f\left( -5\right) \)を求めてください。
  2. \(f\left( -4.7\right) \)を求めてください。
  3. \(f\left( 11\right) \)を求めてください。
  4. \(f\left( \frac{2}{3}\right) \)を求めてください。
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問題(関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}+3x-4
\end{equation*}を定めるものとします。以下の問いに答えてください。

  1. \(f\left( 2\right) \)を求めてください。
  2. \(f\left( a\right) \)を求めてください。ただし、\(a\)は何らかの実数を表す記号です。
  3. \(f\left( a+h\right) \)を求めてください。ただし、\(a\)何らかの実数を表す記号、\(h\)はゼロではない何らかの実数を表す記号です。
  4. \(\frac{f\left( a+h\right) -f\left( a\right) }{h}\)を求めてください。ただし、\(a\)何らかの実数を表す記号、\(h\)はゼロではない何らかの実数を表す記号です。
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問題(関数)
それぞれの非負の実数に対して、その平方根を定める規則は関数ですか?理由とともに答えてください。

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問題(関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{x-1}
\end{equation*}を定める規則\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は関数ですか?理由とともに答えてください。
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問題(関数)
それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}x^{2}+y^{2}=36
\end{equation*}を満たす\(y\in \mathbb{R} \)を定める\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)は関数ですか?理由とともに答えてください。
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次回は関数のグラフについて解説します。

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