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正弦関数(sin関数)の連続性

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正弦関数の連続性

正弦関数\(\sin \left( x\right) :\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において連続であることが保証されます。

命題(正弦関数の連続性)
正弦関数\(\sin \left( x\right) :\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されているならば、\(\sin \left( x\right) \)は点\(a\)において連続である。
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例(正弦関数の連続性)
正弦関数は全区間上に定義可能であるため、関数\begin{equation*}
\sin \left( x\right) :\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。\(\mathbb{R} \)は開集合であるため、点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(\sin \left( x\right) \)は点\(a\)の周辺の任意の点において定義されているため、上の命題より\(\sin \left(x\right) \)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \)上の任意の点において同様であるため、\(\sin \left( x\right) \)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(正弦関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sin \left( 3x^{2}+2x+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(3x^{2}+2x+1\)と正弦関数\(\sin \left( x\right) \)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、多項式関数の連続性より、\(3x^{2}+2x+1\)は点\(a\)において連続です。正弦関数の連続性より、\(\sin \left( x\right) \)は点\(3a^{2}+2a+1\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より、\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
例(正弦関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sin \left( \frac{x^{2}-1}{x-1}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数\(\frac{x^{2}-1}{x-1}\)と正弦関数\(\sin \left( x\right) \)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)を任意に選んだとき、有理関数の連続性より、\(\frac{x^{2}-1}{x-1}\)は点\(a\)において連続です。正弦関数の連続性より、\(\sin \left( x\right) \)は点\(\frac{a^{2}-1}{a-1}\)において連続です。したがって、合成関数の連続性より、\(f\)は点\(a\)において連続です。\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上の任意の点において同様であるため、\(f\)は\(\mathbb{R} \backslash \left\{ 1\right\} \)上で連続です。

 

正弦関数の片側連続性

片側連続性についても同様の命題が得られます。

命題(正弦関数の片側連続性)
正弦関数\(\sin \left( x\right) :\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義域上の点\(a\in X\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば、\(\sin \left( x\right) \)は点\(a\)において右側連続である。また、\(\sin \left(x\right) \)が点\(a\in X\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば、\(\sin \left( x\right) \)は点\(a\)において左側連続である。
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例(正弦関数の連続性)
有界閉区間上に正弦関数\(\sin \left( x\right) :\mathbb{R} \supset \left[ 0,\pi \right] \rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。定義域の内点\(a\in \left( 0,\pi \right) \)を任意に選んだとき、正弦関数の連続性より、\(\sin \left( x\right) \)は点\(a\)において連続です。定義域の端点\(0\)に注目したとき、正弦関数の右側連続性より、\(\sin \left( x\right) \)は点\(0\)において右側連続です。定義域の端点\(\pi \)に注目したとき、正弦関数の左側連続性より、\(\sin \left( x\right) \)は点\(\pi \)において左側連続です。したがって、\(\sin \left( x\right) \)は\(\left[ 0,\pi \right] \)上で連続です。
例(正弦関数の連続性)
単位円上を回転する点を横から見ると\(y\)軸に沿った上下運動だけが観察されます。点が単位円上を反時計回りに一定の速さで回転している場合、観察される上下運動はペースが一定の往復運動になります。このような運動を単振動(simple harmonic motion)と呼びます。点は単位円上を\(1\)周するのにちょうど\(1\)秒間かかるものとします。

$$\begin{array}{cccccccccc}\hline
時点t & 0 & \cdots & \frac{1}{4} & \cdots & \frac{1}{2} & \cdots & \frac{3}{4} & \cdots & 1 \\ \hline
単位円上の位置\left( x,y\right) & \left( 0,0\right) & \cdots & \left( 0,1\right) & \cdots & \left( -1,0\right) & \cdots & \left( 0,-1\right) & \cdots & \left( 0,0\right) \\ \hline
観察されるy座標 & 0 & \nearrow & 1 & \searrow & 0 & \searrow & -1 & \nearrow & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:周回運動と単振動

点は\(1\)秒間で\(2\pi \)ラジアン移動するため、時点\(t\in \left[ 0,1\right] \)までの移動距離は\(2\pi t\)です。したがって、時点\(t\)において観察される\(y\)座標は、\begin{equation*}f\left( t\right) =\sin \left( 2\pi t\right)
\end{equation*}となります。この\(f\)は正弦関数\(\sin \left( x\right) \)と単項式関数\(2\pi t\)の合成関数であるため、定義域の内部\(\left( 0,1\right) \)において連続であり、端点\(0\)において右側連続であり、端点\(1\)において左側連続です。したがって、\(f\)は\(\left[ 0,1\right] \)上で連続です。これは、時間\(t\)が\(0\)から\(1\)まで変化する中で往復運動の軌道が途切れることなく連続的であることを意味します。

 

演習問題

問題(正弦関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\sin \left( x+\pi \right) +\sin \left( x-\pi \right)
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続であるような点をすべて明らかにしてください。
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問題(正弦関数の連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
\sin \left( x\right) & \left( if\ x<0\right) \\
x+1 & \left( if\ x\geq 0\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)が連続であるような点をすべて明らかにしてください。
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次回は余弦関数が連続であることを示します。

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