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EXAMPLES OF GAMES

ゲーム理論におけるゲームの具体例

OVERVIEW

本節で学ぶ内容

ゲーム理論における具体的かつ代表的なゲームについて解説します。
TABLE OF CONTENTS

目次

PRISONER'S DILEMMA

囚人のジレンマ

囚人のジレンマと呼ばれるクラスのゲームおよびその具体例について解説します。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマとして広く知られるゲームの最も基本的なモデルを紹介し、それを戦略型ゲームとして定式化した上で、その均衡を分析します。

n人囚人のジレンマ

囚人のジレンマは2人ゲームですが、これを3人以上に拡張するとどのようなモデルになるでしょうか。n人囚人のジレンマと呼ばれるゲームについて解説します。

非対称的な利得構造を持つ囚人のジレンマ

これまではプレイヤーたちが同一の利得関数を持つ囚人のジレンマについて考えてきましたが、状況を少し一般化して、プレイヤーたちが異なる利得関数を持つ場合の囚人のジレンマについて考えます。

囚人のジレンマの例:軍拡競争

冷戦期に行われた米ソ間の軍拡競争は囚人のジレンマとしての側面を持っていることを解説した上で、そこでのナッシュ均衡を求めます。また、両国の軍事負担が過大である場合、軍拡競争を鹿狩りゲーム(stag hunt)と解釈することもできます。

キューバ危機

1962年に発生したキューバ危機において人類は核戦争の瀬戸際へ追い込まれました。キューバ危機を展開型ゲームとして定式化するとともに、そこでの結果をゲームの部分ゲーム完全均衡として解釈します。

PUBLIC GOODS

公共財の供給

公共財に関するゲームについて解説します。

CHICKEN GAME

チキンゲーム

チキンゲームと呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

チキンゲームとコミットメント

2人のドライバーがお互いに相手の車に向かって一直線に走行し、衝突寸前まで車を走らせる度胸試しをチキンゲームと呼びます。チキンゲームを完備情報の静学ゲームとして定式化した上でナッシュ均衡を求めます。

COORDINATION GAME

調整ゲーム

調整ゲームと呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

男女の争い(調整ゲームの例)

調整ゲームにおいて均衡選択をめぐってプレイヤーの間に利害の対立が存在する場合、そのようなゲームを両性の争いと呼びます。

鹿狩りゲーム(調整ゲームの例)

調整ゲームの1つの典型例である鹿狩りゲーム(stag hunt)を定式化した上で、ナッシュ均衡を求めます。鹿狩りゲームでは複数均衡問題が発生するとともに、利得支配とリスク支配の間にトレードオフが成立します。

MATCHING PENNIES

硬貨合わせゲーム

硬貨合わせゲームと呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

硬貨合わせゲーム

硬貨合わせと呼ばれるゲームを完備情報の静学ゲームとして定式化した上で、そこでのナッシュ均衡を求めます。

ジャンケン

2人がジャンケンを1回だけ行う状況を完備情報の静学ゲームとして定式化した上で、そこでのナッシュ均衡を求めます。

COURNOT COMPETITION

クールノー競争

クールノー競争と呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

クールノー競争(複占市場における数量競争)

同質財が2つの企業によって供給される複占市場において、企業がカルテルを形成せずに供給量を決定する状況をクールノー競争モデルとして定式化するとともに、そこでのナッシュ均衡を特定します。

クールノー均衡の社会的効率性

複占市場においてクールノー競争が行われる場合に実現する社会的余剰は、完全競争が行われる場合の社会的余剰よりも小さく、カルテルが形成される場合の社会的余剰よりも大きくなります。

技術水準が異なる企業間のクールノー競争

クールノー競争が行われる複占市場において企業間の技術水準に差がある場合、すなわち企業間で限界費用に差がある場合にも、両企業の間の技術水準の差が十分小さい場合にはクールノー均衡が存在します

BERTRAND COMPETITION

ベルトラン競争

クールノー競争と呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

ベルトラン競争(複占市場における価格競争)

同質財が2つの企業によって供給される複占市場において、企業がカルテルを形成せずに価格を決定する状況をベルトラン競争モデルとして定式化するとともに、そこでのナッシュ均衡を特定します。

ベルトラン均衡の社会的効率性

通常、独占市場や複占市場、寡占市場などの不完全競争市場において社会的余剰は最大化されません。一方、複占市場においてベルトラン競争が行われる場合には完全競争市場と同様に社会的余剰が最大化されます。こうした現象をベルトランのパラドクスと呼びます。

技術水準が異なる企業間のベルトラン競争

等しい限界費用を持つ2つの企業がベルトラン競争を行う場合、均衡において両企業の利潤はゼロになります。一方、限界費用に差がある2つの企業がベルトラン競争を行う場合には、均衡において、相対的に効率的な企業は正の利潤を得られます。

STACKELBERG COMPETITION

シュタッケルベルグ競争

シュタッケルベルグ競争と呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

シュタッケルベルグ競争(シュタッケルベルグ均衡)

複占市場においてカルテルを形成せずに競争する企業が商品の供給量を同時に決定する状況をクールノー競争と呼ばれるモデルを用いて記述しましたが、同様の市場において2つの企業が商品の供給量を順番に決定する場合には何が起こるでしょうか。

HOTELLING MODEL

ホテリングモデル

ホテリングモデルと呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

ホテリングモデル(最小差別化原理)

2つの企業が商品を同一価格で販売している状況では、消費者は自分の好みに近い特性を持つ商品を購入します。消費者の好みが一様に分布している状況においては、均衡においてそれぞれの企業が供給する製品の特性が完全に一致し、結果として、製品差別化が行われないことになります。

ホテリングの立地モデル(価格が所与の場合の空間競争)

商品の特性に対する消費者による好みの違いが線分上の分布として表現されるという想定のもと、ライバル関係にある2つの企業が商品の水平的差別化を行う状況をホテリングモデルとして定式化しましたが、同様のモデルを用いて企業間の商業立地を通じた競争を分析することができます。

ホテリングの立地モデル(立地が所与の場合の価格競争)

ホテリングの立地モデルにおいて両企業の立地点が所与であるという条件のもと、両企業が価格競争を行う場合に実現するナッシュ均衡を特定するとともに、消費者の移動コストが企業にとっての市場支配力の源泉になり得ることを示します。

ENTRY GAME

参入モデル

市場への新規参入者と既存企業の間に成立する戦略的状況を分析するゲームについて解説します。

同時参入ゲーム(市場参入のパラドクス)

2つの企業が新規市場へ参入するかどうかを決定する戦略的状況を参入ゲームと呼ばれる完備情報の静学ゲームとして記述するとともに、そこでのナッシュ均衡を求めます。加えて、均衡において市場参入のパラドクスと呼ばれる現象が起こること解説します。

BEAUTY CONTEST

美人投票

美人投票と呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

美人投票(平均の2/3の推測)

プレイヤーたちが0から100までの実数を1つずつ投票し、全体の平均の2/3に最も近い数字を投票したプレイヤーが勝者として賞金を得るゲームを美人投票や平均の2/3の推測などと呼びます。美人投票をゲームとして定式化した上で、そのナッシュ均衡を求めます。

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STAG HUNT

鹿狩りゲーム(スタグハント)

鹿狩りゲームと呼ばれる調整ゲームについて解説します。

鹿狩りゲーム(調整ゲームの例)

調整ゲームの1つの典型例である鹿狩りゲーム(stag hunt)を定式化した上で、ナッシュ均衡を求めます。鹿狩りゲームでは複数均衡問題が発生するとともに、利得支配とリスク支配の間にトレードオフが成立します。

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BARGAINING GAME

交渉ゲーム

交渉ゲームと呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

ナッシュの要求ゲーム(1ドルの分配ゲーム)

資源量が所与である状況において2人のプレイヤーが取り分を同時に要求し、2人による要求量の和が資源量以下であれば各々は要求通りの取り分を得られる一方、要求量の和が総資源量を上回る場合には何も得られない、という構造のゲームをナッシュの要求ゲームと呼びます。

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TRAGEDY OF COMMONS

コモンズの悲劇(共有地の悲劇)

コモンズの悲劇と呼ばれるクラスのゲームについて解説します。

コモンズの悲劇(共有地の悲劇)

消費に競合性がある一方で排除不可能な商品やサービスをコモンズ(共有資源)と呼びます。集団がコモンズを共同で利用する場合、全員が過剰に資源を利用することが支配戦略均衡になり、結果として資源が枯渇してしまう問題をコモンズの悲劇と呼びます。

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VOTING MODEL

投票参加モデル

政治経済学におけるゲームの例、とりわけ投票行動に関する例について解説します。

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

REQUIRED KNOWLEDGE

必須知識

本節では様々な種類のゲームについて解説しましたが、その理論的背景については以下から学ぶことができます。

完備情報の静学ゲーム

完備情報の静学ゲームとは非協力かつ静学かつ完備情報であるようなゲームのことです。つまり、そこではプレイヤーたちの間に拘束的な合意は成立せず(非協力)、それぞれのプレイヤーは意思決定を行う際に他のプレイヤーたちが行った意思決定を事前に観察できず(静学)、なおかつゲームのルールはプレイヤーたちにとって共有知識です(完備情報)。完備情報ゲームにおける均衡概念はナッシュ均衡です。

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不完備情報の静学ゲーム

不完備情報の静学ゲームとは非協力かつ静学かつ不完備情報であるようなゲームのことです。つまり、そこではプレイヤーたちの間に拘束的な合意は成立せず(非協力)、それぞれのプレイヤーは意思決定を行う際に他のプレイヤーたちが行った意思決定を事前に観察できず(静学)、なおかつ少なくとも1人のプレイヤーがゲームのルールに関して私的情報を持ちます(不完備情報)。不完備情報ゲームにおける均衡概念はベイジアンナッシュ均衡です。

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ADVANCED KNOWLEDGE

発展知識

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