教材一覧
教材一覧
教材検索
FUNCTION

対数関数の定義

目次

< 前のページ
次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有

対数関数

指数関数は全区間\(\mathbb{R} \)上に定義可能であるため、正の実数\(a>0\)を任意に選んだとき、それを底とする指数関数\begin{equation*}a^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。特に、\(a\not=1\)である場合の指数関数\(a^{x}\)は狭義の単調関数です。加えて、指数関数の値域は\(\mathbb{R} _{++}\)であるため、終集合を値域に制限して、\begin{equation}a^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++} \quad \cdots (1)
\end{equation}とすれば全単射になります。すると、\(\left(1\right) \)の逆関数が存在することが保証されるとともに、その逆関数もまた狭義の単調関数になります。そこで、\(\left( 1\right) \)の逆関数を、\begin{equation*}\log _{a}\left( y\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}で表記し、これを\(a\)を底とする対数関数(logarithmic function)と呼びます。順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} \times \mathbb{R} _{++}\)を任意に選んだとき、逆関数の定義より、\begin{equation*}y=a^{x}\Leftrightarrow x=\log _{a}\left( y\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

2つの変数\(x,y\)の記号を入れ替えることにより、\(a\)を底とする対数関数を、\begin{equation*}\log _{a}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}と表現することもできます。対数関数\(\log_{a}\left( x\right) \)の逆関数は指数関数\begin{equation*}a^{y}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}
\end{equation*}であるため、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{++}\times \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、逆関数の定義より、\begin{equation*}x=a^{y}\Leftrightarrow y=\log _{a}\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

例(対数関数)
ネイピア数\(e\)は\(1\)とは異なる正の実数であるため、\(e\)を底とする対数関数\begin{equation*}\log _{e}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。これを自然対数関数(natural logarithmic function)と呼び、\begin{equation*}
\ln \left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}で表記します。この関数のグラフは以下の通りです。

図:自然対数関数
図:自然対数関数

対数関数の定義より、自然対数関数\(\ln \left( x\right) \)の逆関数は自然指数関数\begin{equation*}e^{y}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}
\end{equation*}です。したがって、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{++}\times \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}x=e^{y}\Leftrightarrow y=\ln \left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。以上を踏まえると、\begin{eqnarray*}
\ln \left( 1\right) &=&0\quad \because 1=e^{0} \\
\ln \left( e\right) &=&1\quad \because e=e^{1}
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(対数関数)
\(10\)は\(1\)とは異なる正の実数であるため、\(10\)を底とする対数関数\begin{equation*}\log _{10}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。これを常用対数(common logarithm)と呼びます。この関数のグラフは以下の通りです。

図:常用対数
図:常用対数

対数関数の定義より、常用対数\(\log _{10}\left( x\right) \)の逆関数は\(10\)を底とする指数関数\begin{equation*}10^{y}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}
\end{equation*}です。したがって、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{++}\times \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}x=10^{y}\Leftrightarrow y=\log _{10}\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。以上を踏まえると、\begin{eqnarray*}
\log _{10}\left( 10\right) &=&1\quad \because 10=10^{1} \\
\log _{10}\left( 100\right) &=&2\quad \because 100=10^{2} \\
\log _{10}\left( \frac{1}{10}\right) &=&-1\quad \because \frac{1}{10}=10^{-1} \\
\log _{10}\left( \frac{1}{100}\right) &=&-2\quad \therefore \frac{1}{100}=10^{-2}
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(対数関数)
\(2\)は\(1\)とは異なる正の実数であるため、\(2\)を底とする対数関数\begin{equation*}\log _{2}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。これを二進対数(binary logarithm)と呼びます。この関数のグラフは以下の通りです。

図:対数関数
図:対数関数

対数関数の定義より、対数関数\(\log _{2}\left( x\right) \)の逆関数は\(2\)を底とする指数関数\begin{equation*}2^{y}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}
\end{equation*}です。したがって、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{++}\times \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}x=2^{y}\Leftrightarrow y=\log _{2}\left( x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。以上を踏まえると、\begin{eqnarray*}
\log _{2}\left( 2\right) &=&1\quad \because 2=2^{1} \\
\log _{2}\left( 4\right) &=&2\quad \because 4=2^{2} \\
\log _{2}\left( \frac{1}{2}\right) &=&-1\quad \because \frac{1}{2}=2^{-1} \\
\log _{2}\left( \frac{1}{4}\right) &=&-2\quad \therefore \frac{1}{4}=2^{-2}
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(対数関数)
\(\frac{1}{2}\)は\(1\)とは異なる正の実数であるため、\(\frac{1}{2}\)を底とする対数関数\begin{equation*}\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能です。この関数のグラフは以下の通りです。

図:対数関数
図:対数関数

対数関数の定義より、対数関数\(\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) \)の逆関数は\(\frac{1}{2}\)を底とする指数関数\begin{equation*}\left( \frac{1}{2}\right) ^{y}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}
\end{equation*}です。したがって、順序対\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{++}\times \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}x=\left( \frac{1}{2}\right) ^{y}\Leftrightarrow y=\log _{\frac{1}{2}}\left(
x\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。以上を踏まえると、\begin{eqnarray*}
\log _{\frac{1}{2}}\left( 2\right) &=&-1\quad \because 2=\left( \frac{1}{2}\right) ^{-1} \\
\log _{\frac{1}{2}}\left( 4\right) &=&-2\quad \because 4=\left( \frac{1}{2}\right) ^{-2} \\
\log _{\frac{1}{2}}\left( \frac{1}{2}\right) &=&1\quad \because \frac{1}{2}=\left( \frac{1}{2}\right) ^{1} \\
\log _{\frac{1}{2}}\left( \frac{1}{4}\right) &=&2\quad \therefore \frac{1}{4}=\left( \frac{1}{2}\right) ^{2}
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(対数関数)
ローカル・マグニチュード(local magnitude scale)とは、地震計の針の振れ幅の大きさをもとに地震の規模を表現する指標です。具体的には、震源から100km離れた地点に置かれた標準的な地震計が記録する針の振れ幅(μm)が\(x\)である場合、ローカル・マグニチュードは、\begin{equation*}f\left( x\right) =\log _{10}\left( x\right)
\end{equation*}として定義されます。これは常用対数関数です。例えば、\begin{eqnarray*}
f\left( 10\right) &=&\log _{10}\left( 10\right) =1 \\
f\left( 100\right) &=&\log _{10}\left( 100\right) =2 \\
f\left( 1000\right) &=&\log _{10}\left( 1000\right) =3 \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}などが成り立ちますが、これは針の振れ幅が\(10\)倍になるとローカル・マグニチュードが\(1\)だけ大きくなることを意味します。針の振れ幅は桁数が大きい数字として記録されるため、常用対数をとることにより桁数を減らすことができます。また、人間の感覚量は受ける刺激の強さの対数に比例するという経験則(ヴェーバー-フェヒナーの法則:Weber-Fechner law)が存在するため、針の触れ幅(=揺れという刺激の大きさ)という客観的な指標の対数をとることにより、人間が受ける感覚により近い指標になります。
例(対数関数)
デシベル(decibel)とは、音が伝わるときの大気圧の変化量の大きさ(音圧)をもとに音の大きさを表現する指標です。具体的には、音圧(μPa:マイクロパスカル)が\(x\)である場合、デシベルは、\begin{equation*}f\left( x\right) =20\cdot \log _{10}\left( \frac{x}{20}\right)
\end{equation*}として定義されます。これは常用対数関数の定数倍です。例えば、 人間が聞き取れる最小の音圧である\(20\)μPa(基準音圧)を出発点として、\begin{eqnarray*}f\left( 20\right) &=&20\cdot \log _{10}\left( \frac{20}{20}\right) =0 \\
f\left( 200\right) &=&20\cdot \log _{10}\left( \frac{200}{20}\right) =20 \\
f\left( 2000\right) &=&20\cdot \log _{10}\left( \frac{2000}{20}\right) =40
\\
&&\vdots
\end{eqnarray*}などが成り立ちますが、これは音圧(μPa)が\(10\)倍になるとデシベルが\(20\)だけ大きくなることを意味します。マイクロパスカルは桁数が大きい数字として記録されるため、常用対数をとることにより桁数を減らすことができます。また、人間の感覚量は受ける刺激の強さの対数に比例するという経験則(ヴェーバー-フェヒナーの法則:Weber-Fechner law)が存在するため、音圧(=大気圧の変化という刺激の大きさ)という客観的な指標の対数をとることにより、人間が受ける感覚により近い指標になります。

 

対数関数は狭義の単調関数

対数関数は狭義の単調関数です。

命題(対数関数は狭義単調関数)
\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(a\)を底とする対数関数\(\log _{a}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a>1\)の場合には\(\log _{a}\left( x\right) \)は狭義の単調増加関数であり、\(0<a<1\)の場合には\(\log_{a}\left( x\right) \)は狭義の単調減少関数である。
証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

 

対数関数の値域

\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)と実数\(x\in \mathbb{R} \)をそれぞれ任意に選んだとき、\(a\)を底とする指数関数は\(a^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}\)は、\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ a^{0}=1 \\
&&\left( b\right) \ a^{1}=a
\end{eqnarray*}をともに満たします。対数関数\(\log _{a}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)はその逆関数であるため、逆関数の定義より、\begin{eqnarray*}&&\left( a^{\prime }\right) \ \log _{a}\left( 1\right) =0 \\
&&\left( b^{\prime }\right) \ \log _{a}\left( a\right) =1
\end{eqnarray*}がともに成り立ちます。これは任意の対数関数\(\log _{a}\left( x\right) \)のグラフが点\(\left( 1,0\right) \)と点\(\left(a,1\right) \)を通過することを意味します。

命題(対数関数の値)
\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(a\)を底とする対数関数\(\log _{a}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)は、\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \log _{a}\left( 1\right) =0 \\
&&\left( b\right) \ \log _{a}\left( a\right) =1
\end{eqnarray*}をともに満たす。

対数関数が指数関数の逆関数として定義されることを踏まえると、対数関数は任意の実数を値として取り得ること、すなわち対数関数の値域が\(\mathbb{R} \)であることが導かれます。

命題(対数関数の値域)

\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす実数\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(a\)を底とする対数関数\(\log _{a}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)の値域は\(\mathbb{R} \)となる。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(対数関数のグラフ)
関数\(\ln \left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:自然対数関数
図:自然対数関数

この関数\(\ln \left( x\right) \)は対数関数であるため値域は\(\mathbb{R} \)です。また、底が\(e>1\)を満たすため\(\ln \left( x\right) \)は狭義の単調増加関数です。加えて、そのグラフは点\(\left( 1,0\right) \)と点\(\left( e,1\right) \)を通過します。上のグラフは以上の事実と整合的です。

例(対数関数のグラフ)
関数\(\log _{10}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:常用対数
図:常用対数

この関数\(\log _{10}\left( x\right) \)は対数関数であるため値域は\(\mathbb{R} \)です。また、底が\(10>1\)を満たすため\(\log _{10}\left( x\right) \)は狭義の単調増加関数です。加えて、そのグラフは点\(\left( 1,0\right) \)と点\(\left( 10,1\right) \)を通過します。上のグラフは以上の事実と整合的です。

例(対数関数のグラフ)
関数\(\log _{2}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:対数関数
図:対数関数

この関数\(\log _{2}\left( x\right) \)は対数関数であるため値域は\(\mathbb{R} \)です。また、底が\(2>1\)を満たすため\(\log _{2}\left( x\right) \)は狭義の単調増加関数です。加えて、そのグラフは点\(\left( 1,0\right) \)と点\(\left( 2,1\right) \)を通過します。上のグラフは以上の事実と整合的です。

例(対数関数のグラフ)
関数\(\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) :\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下の通りです。

図:対数関数
図:対数関数

この関数\(\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) \)は対数関数であるため値域は\(\mathbb{R} \)です。また、底が\(0<\frac{1}{2}<1\)を満たすため\(\log _{\frac{1}{2}}\left( x\right) \)は狭義の単調減少関数です。加えて、そのグラフは点\(\left(1,0\right) \)と点\(\left( \frac{1}{2},1\right) \)を通過します。上のグラフは以上の事実と整合的です。

次回からベキ関数について解説します。

< 前のページ
次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有
DISCUSSION

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

ネイピア数
指数関数の定義

正の実数であるような底を所与としたとき、指数を変数とし、累乗を値として定めるような関数を指数関数と呼びます。特に、ネイピア数を底とする指数関数を自然指数関数と呼びます。指数関数は正の実数を値としてとる狭義単調関数です。

対数関数
自然対数関数の微分

自然対数関数は定義域上の任意の点において微分可能であることを示すとともに、その導関数を求める方法を解説します。

対数関数
対数関数の極限

対数関数や自然対数関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

関数