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関数の上半連続性・下半連続性

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関数の上半連続性

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、有限な実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(f\)が定める値が\(c\)以上になるような定義域\(X\)上の点からなる集合を、\begin{equation*}
U\left( c\right) =\left\{ x\in X\ |\ f\left( x\right) \geq c\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)の\(c\)に関する上方位集合(upper contour set)と呼びます。その上で、任意の実数\(c\in \mathbb{R} \)に対する上方位集合\(U\left( c\right) \)が\(X\)上の閉集合であるとき、\(f\)は上半連続である(upper semi-continuous)であると言います。

例(上半連続な関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(c\leq 0\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
U\left( c\right) = \mathbb{R}
\end{equation*}となりますが、全区間\(\mathbb{R} \)は閉集合です。また、\(0<c\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
U\left( c\right) =(-\infty ,-\sqrt{c}]\cup \lbrack \sqrt{c},+\infty )
\end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の無限半閉区間は閉集合であり、なおかつ有限個の閉集合の和集合もまた閉集合であるため、上の\(U\left( c\right) \)は閉集合です。以上で任意の\(c\in \mathbb{R} \)に関する上方位集合\(U\left( c\right) \)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合であることが明らかになったため、\(f\)は上半連続です。

例(上半連続な関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
x^{2} & if\ x\not=0 \\
1 & if\ x=0\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(c\leq 0\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
U\left( c\right) = \mathbb{R}
\end{equation*}となりますが、全区間\(\mathbb{R} \)は閉集合です。また、\(0<c\leq 1\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
U\left( c\right) =(-\infty ,-\sqrt{c}]\cup \left\{ 0\right\} \cup \lbrack
\sqrt{c},+\infty )
\end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の1点集合と無限半閉区間は閉集合であり、なおかつ有限個の閉集合の和集合もまた閉集合であるため、上の\(U\left( c\right) \)は閉集合です。最後に、\(1<c\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
U\left( c\right) =(-\infty ,-\sqrt{c}]\cup \lbrack \sqrt{c},+\infty )
\end{equation*}となりますが、先ほどと同様の理由によりこれもまた閉集合です。以上で任意の\(c\in \mathbb{R} \)に関する上方位集合\(U\left( c\right) \)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合であることが明らかになったため、\(f\)は上半連続です。

例(上半連続ではない関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
x^{2} & if\ x\not=0 \\
-1 & if\ x=0\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(-1<c\leq 0\)を満たす\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
U\left( c\right) =\left( -\infty ,0\right) \cup \left( 0,+\infty \right)
\end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の無限半開区間は開集合であり、なおかつ開集合の和集合もまた開集合であるため、上の\(U\left( c\right) \)は開集合であり閉集合ではありません。したがって、\(f\)は上半連続ではないことが明らかになりました。

上の3つの例が示唆するように、関数\(f\)が上半連続であることとは\(f\)のグラフが途切れずにつながっている(最初の例)か、途切れている場合においても上方にジャンプしている(2番目の例)ことを意味します。グラフが途切れており、なおかつそこで下方へジャンプしている場合(3番目の例)、その関数\(f\)は上半連続ではありません。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、有限な実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(f\)が定める値が\(c\)よりも小さくなるような定義域\(X\)上の点からなる集合を、\begin{equation*}
L_{s}\left( c\right) =\left\{ x\in A\ |\ f\left( x\right) <c\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)の\(c\)に関する狭義下方位集合(strict lower contour set)と呼びます。それぞれの実数\(c\)について、狭義下方位集合\(L_{s}\left( c\right) \)は上方位集合\(U\left( c\right) \)の補集合であるため、すなわち、\begin{equation*}
X\backslash U\left( c\right) =L_{s}\left( c\right)
\end{equation*}という関係が成り立つため、開集合および閉集合の定義を踏まえると、\(f\)が上半連続であることを以下のように表現することもできます(証明は演習問題にします)。

命題(関数の上半連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、任意の実数\(c\in \mathbb{R} \)に関する狭義下方位集合\(L_{s}\left( c\right) \)が\(X\)上の開集合であることは、\(f\)が上半連続であるための必要十分条件である。
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関数の下半連続性

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、有限な実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(f\)が定める値が\(c\)以下になるような定義域\(X\)上の点からなる集合を、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\left\{ x\in X\ |\ f\left( x\right) \leq c\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)の\(c\)に関する下方位集合(lower contour set)と呼びます。その上で、任意の実数\(c\in \mathbb{R} \)に対する下方位集合\(L\left( c\right) \)が\(X\)上の閉集合であるとき、\(f\)は下半連続である(lower semi-continuous)であると言います。

例(下半連続な関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(c<0\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\phi
\end{equation*}となりますが、空集合\(\phi \)は閉集合です。また、\(0\leq c\)を満たす任意の\(c\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\left[ -\sqrt{c},\sqrt{c}\right] \end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の有界閉区間は閉集合です。以上で任意の\(c\in \mathbb{R} \)に関する下方位集合\(L\left( c\right) \)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合であることが明らかになったため、\(f\)は下半連続です。

例(下半連続な関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
x^{2} & if\ x\not=0 \\
-1 & if\ x=0\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(c<-1\)を満たす\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\phi
\end{equation*}となりますが、空集合\(\phi \)は閉集合です。また、\(-1\leq c\leq 0\)を満たす\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\left\{ 0\right\}
\end{equation*}となりますが、1点集合は閉集合です。また、\(0<c\)を満たす\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
L\left( c\right) =\left[ -\sqrt{c},\sqrt{c}\right] \end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の有界閉区間は閉集合です。以上で任意の\(c\in \mathbb{R} \)に関する下方位集合\(L\left( c\right) \)が\(\mathbb{R} \)上の閉集合であることが明らかになったため、\(f\)は下半連続です。

例(下半連続ではない関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}
f\left( x\right) =\left\{
\begin{array}{cc}
x^{2} & if\ x\not=0 \\
1 & if\ x=0\end{array}\right.
\end{equation*}を定めるものとします(下図)。
図:関数
図:関数

\(0<c<1\)を満たす\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\begin{equation*}
L\left( c\right) =[-\sqrt{c},0)\cup (0,\sqrt{c}] \end{equation*}となりますが、\(\mathbb{R} \)上の有界半閉区間は開集合であり、なおかつ開集合の和集合もまた開集合であるため、上の\(L\left( c\right) \)は開集合であり閉集合ではありません。したがって、\(f\)は下半連続ではないことが明らかになりました。

上の3つの例が示唆するように、関数\(f\)が下半連続であることとは\(f\)のグラフが途切れずにつながっている(最初の例)か、途切れている場合においても下方にジャンプしている(2番目の例)ことを意味します。グラフが途切れており、なおかつそこで上方へジャンプしている場合(3番目の例)、その関数\(f\)は下半連続ではありません。

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、有限な実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で、\(f\)が定める値が\(c\)よりも大きくなるような定義域\(X\)上の点からなる集合を、\begin{equation*}
U_{s}\left( c\right) =\left\{ x\in X\ |\ f\left( x\right) >c\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)の\(c\)に関する狭義上方位集合(strict upper contour set)と呼びます。それぞれの実数\(c\)について、狭義上方位集合\(U_{s}\left( c\right) \)は下方位集合\(L\left( c\right) \)の補集合であるため、すなわち、\begin{equation*}
X\backslash L\left( c\right) =U_{s}\left( c\right)
\end{equation*}という関係が成り立つため、開集合および閉集合の定義を踏まえると、\(f\)が下半連続であることを以下のように表現することもできます(証明は演習問題にします)。

命題(関数の下半連続性)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、任意の実数\(c\in \mathbb{R} \)に関する狭義上方位集合\(U_{s}\left( c\right) \)が\(X\)上の開集合であることは、\(f\)が下半連続であるための必要十分条件である。
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上半連続性および下半連続性と連続性の関係

これまで例を通じて確認したように、関数\(f\)が上半連続であることとは\(f\)のグラフが途切れずにつながっているか、途切れている場合においても上方にジャンプしていることを意味します。一方、関数\(f\)が下半連続であることとは、\(f\)のグラフが途切れずにつながっているか、途切れている場合においても下方にジャンプしていることを意味します。したがって、関数\(f\)が上半連続かつ下半連続であることとは、\(f\)のグラフが途切れずにつながっており、上方や下方にジャンプしていないことを意味しますが、これは関数\(f\)が連続であることの直感的な意味と合致します。つまり、上半連続かつ下半連続であることは連続であることを意味するのではないかという推測が立ちます。実際、これは正しい主張であることを以下で示します。

復習になりますが、開集合上で定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、以下の3つの命題\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ f\text{は連続である}
\\
&&\left( b\right) \ \text{任意の開集合}Y\subset
\mathbb{R} \text{の逆像}f^{-1}\left( Y\right) \text{は}X\text{上の開集合である} \\
&&\left( c\right) \ \text{任意の閉集合}Y\subset
\mathbb{R} \text{の逆像}f^{-1}\left( Y\right) \text{は}X\text{上の閉集合である}
\end{eqnarray*}は互いに必要十分です。以上を踏まえた上で、\(f\)が上半連続かつ下半連続であることは\(f\)が連続であるための必要十分であることを示します。

まずは必要性の証明です。関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は連続であるものとします。このとき、\(f\)が上半連続かつ下半連続であること、すなわち、任意の\(c\in \mathbb{R} \)に関する上方位集合\(U\left( c\right) \)と下方位集合\(L\left( c\right) \)がともに\(X\)上の閉集合であることを示すことが目標です。上方位集合に関しては、\begin{eqnarray*}
U\left( c\right) &=&\left\{ x\in A\ |\ f\left( x\right) \geq c\right\} \\
&=&\left\{ x\in A\ |\ f\left( x\right) \in \lbrack c,+\infty )\right\} \quad
\because f\text{の終集合は}\mathbb{R} \\
&=&f^{-1}\left( [c,+\infty )\right) \quad \because f^{-1}\text{の定義}
\end{eqnarray*}となりますが、半閉区間\([c,+\infty )\)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合であるため、\(f\)の連続性より、その逆像\(f^{-1}\left( [c,+\infty )\right) \)すなわち\(U\left( c\right) \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合です。下方位集合に関しては、\begin{eqnarray*}
L\left( c\right) &=&\left\{ x\in A\ |\ f\left( x\right) \leq c\right\} \\
&=&\left\{ x\in A\ |\ f\left( x\right) \in (-\infty ,c]\right\} \quad
\because f\text{の終集合は}\mathbb{R} \\
&=&f^{-1}\left( (-\infty ,c]\right) \quad \because f^{-1}\text{の定義}
\end{eqnarray*}となりますが、半閉区間\((-\infty ,c]\)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合であるため、\(f\)の連続性より、その逆像\(f^{-1}\left( (-\infty ,c]\right) \)すなわち\(L\left( c\right) \)は\(\mathbb{R} \)上の閉集合です。以上でであることが示されました。以上は目標は達成されました。十分性の証明は演習問題にします

命題(上半連続性および下半連続性と連続性の関係)
開集合上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)に関して、\(f\)が上半連続かつ下半連続であることは、\(f\)が連続であるための必要十分条件である。
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次回は関数の不連続点について解説します。

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