最大値・最小値の定理

有界な閉区間上に定義された連続関数は定義域上の点において最大値や最小値を取ります。これを最大値・最小値の定理と呼びます。

関数の最大値と最小値

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)がとり得るすべての値からなる集合は、\begin{equation*}
f\left( X\right) =\{f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in X\}
\end{equation*}と定義されますが、これは\(\mathbb{R}\)の部分集合ですので、その最大値\(\max f\left( X\right) \)が存在するか否かを検討できます。\(\max f\left( X\right) \)を関数\(f\)の\(X\)における最大値(maximum value)と呼び、\begin{equation*}
\forall y\in f\left( X\right) :y\leq \max f\left( X\right)
\end{equation*}を満たす実数として定義します。同様に、\(f\left( X\right) \)の最小値\(\min f\left( X\right) \)を関数\(f\)の\(X\)における最小値(minimum value)と呼び、\begin{equation*}
\forall y\in f\left( X\right) :\max f\left( X\right) \leq y
\end{equation*}を満たす実数として定義します。

一般に、\(\mathbb{R}\)の部分集合は最大値や最小値を持つとは限らないため、関数の最大値や最小値もまた存在するとは限りません。

実数の部分集合の最大値や最小値について復習する
例(関数の最大値と最小値)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)を\(f\left( x\right) =-x^{2}+1\)と定めます。\(X=\left[ -1,1\right] \)の場合には、\begin{eqnarray*}
f\left( \left[ -1,1\right] \right) &=&\{f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ -1,1\right] \} \\
&=&\{-x^{2}+1\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ -1,1\right] \} \\
&=&\left[ 0,1\right] \end{eqnarray*}となるため、関数\(f\)の\(\left[ -1,1\right] \)における最大値は\(1\)、最小値は\(0\)です。\(X=\mathbb{R}\)の場合には、\begin{eqnarray*}
f\left( \mathbb{R} \right) &=&\{f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} \} \\
&=&\{-x^{2}+1\in \mathbb{R} \ |\ x\in \mathbb{R} \} \\
&=&(-\infty ,1] \end{eqnarray*}となるため、関数\(f\)の\(\mathbb{R}\)における最大値は\(1\)ですが、最小値は存在しません。

 

最大値・最小値の定理

先に例示したように、一般に、関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)は定義域\(X\)において最大値や最小値をとるとは限りません。しかし、関数\(f\)の定義域\(X\)が有界な閉区間であるとともに、\(f\)が連続関数である場合には話は別です。以前に示したように、これらの条件のもとでは以下の命題が成り立ちます。

命題(有界閉区間の連続像)
有界な閉区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset \lbrack a,b]\rightarrow \mathbb{R}\)が定義域上で連続であるとき、\(f\left( \left[ a,b\right] \right) \)もまた有界な閉区間である。
上の命題について復習する

上の命題が主張するように、\(f\left( \left[ a,b\right] \right) \)が有界な閉区間であるならば端点が存在し、それらは\(f\)の\(\left[ a,b\right] \)における最大値と最小値になるはずです。これを最大値・最小値の定理(extreme value theorem)と呼びます。

命題(最大値・最小値の定理)
有界な閉区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R}\)が定義域\(\left[ a,b\right] \)上で連続ならば、最大値\(\max f\left( \left[ a,b\right] \right) \)と最小値\(\min f\left( \left[ a,b\right] \right) \)がともに存在する。
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例(最大値・最小値の定理)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \lbrack -3,3]\rightarrow \mathbb{R}\)を\(f\left( x\right) =x^{2}\)と定義します。この関数\(f\)は明らかに定義域である有界閉区間\(\left[ -3,3\right] \)上で連続です。このとき、\begin{eqnarray*}
f\left( \left[ -3,3\right] \right) &=&\{f\left( x\right) \in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ -3,3\right] \} \\
&=&\{x^{2}\in \mathbb{R} \ |\ x\in \left[ -3,3\right] \} \\
&=&\left[ 0,9\right] \end{eqnarray*}となるため、\(f\)は\(\left[ -3,3\right] \)において最大値\(9\)と最小値\(0\)を持ちます。この結果は先の命題と整合的です。

次回は合成関数について解説します。
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