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指数関数の極限

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指数関数の極限

正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、\(a\)を底とする指数関数\begin{equation*}a^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}について考えます。指数関数\(a^{x}\)のグラフは点\(\left( 0,1\right) \)を通過するため、\(a^{x}\)が点\(0\)の周辺の任意の点において定義されている場合、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0}a^{x}=1
\end{equation*}となることが予想されますが、これは正しい主張です。

命題(指数関数の極限)

正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、指数関数\(a^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a^{x}\)が点\(0\)の周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0}a^{x}=1
\end{equation*}が成り立つ。

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以上の命題を利用することにより、指数関数は点\(0\)に限らず、他の任意の点においても有限な極限を持つことが示されます。

命題(指数関数の極限)

正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、指数関数\(a^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a^{x}\)が点\(b\in \mathbb{R} \)の周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}a^{x}=a^{b}
\end{equation*}が成り立つ。

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例(指数関数の極限)
指数関数は全区間上に定義可能であるため、正の実数\(a>0\)を任意に選んだとき、関数\(a^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} \)は開集合であるため、点\(b\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(a^{x}\)は点\(b\)の周辺の任意の点において定義されているため、上の命題より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}a^{x}=a^{b}
\end{equation*}が成り立ちます。つまり、\(\mathbb{R} \)上に定義された指数関数は定義域上の任意の点において有限な極限を持つということです。
例(自然指数関数の極限)
自然指数関数\(e^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)は特別な指数関数であるため、\(e^{x}\)が点\(a\in \mathbb{R} \)の周辺の任意の点において定義されているならば、上の命題より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow a}e^{x}=e^{a}
\end{equation*}となります。

例(指数関数の極限)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =3^{x+2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x+2\)と指数関数\(3^{x}\)の合成関数であることに注意してください。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、多項式関数\(x+2\)は点\(a\)の周辺の任意の点において定義されているため、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow a}\left( x+2\right) =a+2 \quad \cdots (1)
\end{equation}が成り立ちます。指数関数\(3^{x}\)は点\(a+2\)の周辺の任意の点において定義されているため、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow a+2}3^{x}=3^{a+2} \quad \cdots (2)
\end{equation}が成り立ちます(関数\(3^{x}\)は点\(a+2\)において連続)。したがって、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow a}f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow a}3^{x+2}\quad
\because f\text{の定義} \\
&=&3^{a+2}\quad \because \left( 1\right) ,\left( 2\right) \text{および合成関数の極限}
\end{eqnarray*}となります。

 

指数関数の片側極限

片側極限に関しても同様の命題が成り立ちます。

命題(指数関数の片側極限)
正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、指数関数\(a^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a^{x}\)が点\(b\in \mathbb{R} \)より大きい周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b+}a^{x}=a^{b}
\end{equation*}が成り立つ。また、\(f\)が点\(b\in \mathbb{R} \)より小さい周辺の任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b-}a^{x}=a^{b}
\end{equation*}が成り立つ。

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例(指数関数の片側極限)
正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、有界閉区間上に指数関数\(a^{x}:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。定義域の内点\(b\in \left( 0,1\right) \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(b\)の周辺の任意の点において定義されているため、指数関数の極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow b}a^{x}=a^{b}
\end{equation*}が成り立ちます。定義域の端点\(0\)に注目したとき、\(f\)は点\(0\)より大きい周辺の任意の点において定義されているため、指数関数の右側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 0+}a^{x}=a^{0}=1
\end{equation*}が成り立ちます。定義域のもう一方の端点\(1\)に注目したとき、\(f\)は点\(1\)より小さい周辺の任意の点において定義されているため、指数関数の左側極限より、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow 1-}a^{x}=a^{1}=a
\end{equation*}が成り立ちます。

例(自然指数関数の片側極限)
有界閉区間上に定義された自然指数関数\(e^{x}:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、定義域の内点\(a\in \left( 0,1\right) \)において、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow a}e^{x}=e^{a}
\end{equation*}が成り立ち、定義域の端点において、\begin{eqnarray*}
\lim_{x\rightarrow 0+}e^{x} &=&e^{0}=1 \\
\lim_{x\rightarrow 1-}e^{x} &=&e^{1}=e
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

 

指数関数の無限大における極限

指数関数\(a^{x}\)は正の実数を値としてとるとともに、\(a>1\)の場合には狭義単調増加関数であり、\(1>a>0\)の場合には狭義単調減少関数であり、\(a=1\)の場合には定数関数であることを踏まえると、無限大における極限に関して以下が成り立つことが示されます。

命題(指数関数の無限大における極限)
正の実数\(a>0\)を任意に選んだ上で、指数関数\(a^{x}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(a^{x}\)が限りなく大きい任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow +\infty }a^{x}=\left\{
\begin{array}{cl}
+\infty & \left( if\ a>1\right) \\
1 & \left( if\ a=1\right) \\
0 & \left( if\ 0<a<1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}が成り立つ。また、\(a^{x}\)が限りなく小さい任意の点において定義されているならば、\begin{equation*}\lim_{x\rightarrow -\infty }a^{x}=\left\{
\begin{array}{cl}
0 & \left( if\ a>1\right) \\
1 & \left( if\ a=1\right) \\
+\infty & \left( if\ 0<a<1\right)
\end{array}\right.
\end{equation*}が成り立つ。

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例(自然指数関数の無限大における極限)
全区間上に定義された自然指数関数\(e^{x}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、ネイピア数は\(e>1\)を満たすため、上の命題より、\begin{eqnarray*}\lim_{x\rightarrow +\infty }e^{x} &=&+\infty \\
\lim_{x\rightarrow -\infty }e^{x} &=&0
\end{eqnarray*}などが成り立ちます。

例(指数関数の無限大における極限)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{-8x^{2}-4x+2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(-8x^{2}-4x+2\)と自然指数関数\(e^{x}\)の合成関数であることに注意してください。関数\(-8x^{2}-4x+2\)は限りなく大きい任意の点において定義されているとともに、多項式関数の無限大における極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow +\infty }\left( -8x^{2}-4x+2\right) =+\infty \quad \cdots (1)
\end{equation}が成り立ちます。関数\(e^{x}\)は限りなく大きい任意の点において定義されているとともに、自然指数関数の無限大における極限より、\begin{equation}\lim_{x\rightarrow +\infty }e^{x}=+\infty \quad \cdots (2)
\end{equation}が成り立ちます。したがって、\begin{eqnarray*}
\lim_{x\rightarrow +\infty }f\left( x\right) &=&\lim_{x\rightarrow +\infty
}e^{-8x^{2}-4x+2}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&+\infty \quad \because \left( 1\right) ,\left( 2\right) \text{および合成関数の極限}
\end{eqnarray*}となります。

 

演習問題

問題(指数関数の極限)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 2\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 2\right\} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{\frac{x-3}{x-2}}
\end{equation*}を定めるものとします。このとき、\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ \lim_{x\rightarrow 2+}f\left( x\right) \\
&&\left( b\right) \ \lim_{x\rightarrow 2-}f\left( x\right) \\
&&\left( c\right) \ \lim_{x\rightarrow +\infty }f\left( x\right) \\
&&\left( d\right) \ \lim_{x\rightarrow -\infty }f\left( x\right)
\end{eqnarray*}をそれぞれ求めてください。

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次回は対数関数の極限について解説します。

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