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DIFFERENTIATION OF FUNCTIONS

一般の指数関数の微分

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一般の指数関数の微分

自然指数関数に限定されない一般の指数関数もまた微分可能なのでしょうか。関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が一般の指数関数であるものとします。つまり、\(f\)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、\(a>0\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるということです。\(a=1\)の場合には、\begin{equation*}f\left( x\right) =1^{x}=1
\end{equation*}となり、この場合の\(f\)は定数関数であるため明らかに微分可能です。そこで、以降では\(a\not=1\)の場合について考えます。\(f\)が定義域上の点\(b\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(b\)において微分可能であるか検討できますが、\(f\)は点\(b\)において微分可能であり、微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( b\right) =a^{b}\cdot \ln \left( b\right)
\end{equation*}となります。

命題(指数関数の微分)

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、\(a>0\)かつ\(a\not=0\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)が定義域上の点\(b\in X\)および周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(b\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( b\right) =a^{b}\cdot \ln \left( a\right)
\end{equation*}となる。

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例(指数関数の微分)
指数関数は全区間上に定義可能であるため、\(a>0\)かつ\(a\not=1\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} \)は開集合であるため、定義域上の点を任意に選んだとき、\(f\)はその点を含め周辺の任意の点において定義されています。すると先の命題より\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =a^{x}\cdot \ln \left( a\right)
\end{equation*}を定めます。つまり、指数関数\(a^{x}\)の導関数はもとの関数\(a^{x}\)の定数倍(\(\ln \left( a\right) \)倍)と一致します。
例(指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}\)と指数関数\(\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left[ x^{2}\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\right] ^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( x^{2}\right) ^{\prime }\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}+x^{2}\left[
\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\right] ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&2x\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}+x^{2}\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\ln
\left( \frac{1}{2}\right) \quad \because \text{多項式関数および指数関数の微分} \\
&=&2x\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}-x^{2}\left( \frac{1}{2}\right) ^{x}\ln
\left( 2\right) \\
&=&\frac{2x-x^{2}\ln \left( 2\right) }{2^{x}} \\
&=&\frac{x\left( 2-x\ln \left( 2\right) \right) }{2^{x}}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x^{5}-1\right) \cdot 10^{x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{5}-1\)と指数関数\(10^{x}\)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left[ \left( x^{5}-1\right) \cdot 10^{x}\right] ^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( x^{5}-1\right) ^{\prime }\cdot 10^{x}+\left( x^{5}-1\right) \left(
10^{x}\right) ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&5x^{4}\cdot 10^{x}+\left( x^{5}-1\right) \left( 10^{x}\cdot \ln \left(
10\right) \right) \quad \because \text{多項式関数および指数関数の微分} \\
&=&10^{x}\left[ \ln \left( 10\right) \cdot x^{5}+5x^{4}-\ln \left( 10\right) \right] \end{eqnarray*}を定めます。

例(指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{2^{x}}{x^{2}+1}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}+1\)と指数関数\(2^{x}\)の商として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( \frac{2^{x}}{x^{2}+1}\right) ^{\prime
}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\frac{\left( 2^{x}\right) ^{\prime }\left( x^{2}+1\right) -2^{x}\left(
x^{2}+1\right) ^{\prime }}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{微分可能な関数の商} \\
&=&\frac{2^{x}\ln \left( 2\right) \left( x^{2}+1\right) -2^{x}\left(
2x\right) }{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{多項式関数および指数関数の微分} \\
&=&\frac{2^{x}\left( \ln \left( 2\right) x^{2}-2x+\ln \left( 2\right)
\right) }{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(指数関数の微分)
「単利・年利\(5\)\% 」という条件の定期金利に\(100\)万円を預けると、\(x\)年後の元利合計(万円)は、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) &=&100\cdot \left( 1+0.05\right) ^{x} \\
&=&100\cdot 1.05^{x}
\end{eqnarray*}となります。この関数のグラフは以下の通りです。

図:定期預金の元本
図:定期預金の元本

初期時点(\(t=0\))の元本に関して、\begin{eqnarray*}f\left( 0\right) &=&100\cdot 1.05^{0} \\
&=&100\cdot 1 \\
&=&100
\end{eqnarray*}が確かに成り立っています。\(f\)は微分可能であり、その導関数\(f^{\prime }\)は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =100\cdot 1.05^{x}\cdot \ln \left( 1.05\right)
\end{equation*}であるため、任意の\(x\)について、\begin{equation*}\frac{f^{\prime }\left( x\right) }{f\left( x\right) }=\frac{100\cdot
1.05^{x}\cdot \ln \left( 1.05\right) }{100\cdot 1.05^{x}}=\ln \left(
1.05\right)
\end{equation*}が成り立ちますが、これは定数です。これは何を意味するのでしょうか。\(f^{\prime }\left( x\right) \)は\(x\)年後の時点における元本の増加率であり、\(f\left( x\right) \)は\(x\)年後の時点における元本合計です。したがって、それらの商\(\frac{f^{\prime }\left(x\right) }{f\left( x\right) }\)は\(x\)年後の時点における\(1\)円当たりの増加率です。したがって、以上の事実は、元本合計が変化しても1円当たりの増加率は\(\ln \left( 1.05\right) \)で一定であることを意味します。逆に言うと、\(1\)円当たりの増加率が一定でも、元本合計は指数関数的に急速に増加するということです。

 

指数関数の片側微分

先の命題を踏まえると、片側微分に関する以下の命題を得ます。

命題(指数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in X\)に対して定める値が、\(a>0\)かつ\(a\not=0\)を満たす\(a\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =a^{x}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)が定義域上の点\(b\in X\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(b\)において右側微分可能であるとともに、そこでの右側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( b+0\right) =a^{b}\cdot \ln \left( a\right)
\end{equation*}となる。また、\(f\)が点\(b\in X\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(b\)において左側微分可能であるとともに、そこでの左側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( b-0\right) =a^{b}\cdot \ln \left( a\right)
\end{equation*}となる。

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例(指数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2^{x}+1
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(0,1\right) \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)の周辺において定義されているため点\(a\)において微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( a\right) &=&\left. \left( 2^{x}\right) ^{\prime
}\right\vert _{x=a}+\left( 1\right) ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の和} \\
&=&\left( \left. 2^{x}\ln \left( 2\right) \right\vert _{x=a}\right) +0\quad
\because \text{指数関数の微分} \\
&=&2^{a}\ln \left( 2\right)
\end{eqnarray*}となります。一方、\(f\)は定義域の境界点である\(0\)や\(1\)において通常の意味で微分可能ではありません。\(f\)は点\(0\)以上の周辺の任意の点において定義されているため点\(0\)において右側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0+0\right) &=&\left. \left( 2^{x}\right) _{+}^{\prime
}\right\vert _{x=0}+\left. \left( 1\right) _{+}^{\prime }\right\vert \quad
\because \text{右側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&\left( \left. 2^{x}\ln \left( 2\right) \right\vert _{x=0}\right) +0\quad
\because \text{指数関数および定数関数の右側微分} \\
&=&2^{0}\ln \left( 2\right) \\
&=&\ln \left( 2\right)
\end{eqnarray*}となります。また、\(f\)は点\(1\)以下の周辺の任意の点において定義されているため点\(1\)において左側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 1-0\right) &=&\left. \left( 2^{x}\right) _{-}^{\prime
}\right\vert _{x=1}+\left. \left( 1\right) _{-}^{\prime }\right\vert \quad
\because \text{左側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&\left( \left. 2^{x}\ln \left( 2\right) \right\vert _{x=1}\right) +0\quad
\because \text{指数関数および定数関数の左側微分} \\
&=&2^{1}\ln \left( 2\right) \\
&=&2\ln \left( 2\right)
\end{eqnarray*}となります。したがって\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =2^{x}\ln \left( 2\right)
\end{equation*}を定めることが明らかになりました。

 

演習問題

問題(指数関数の極限)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( x^{5}-1\right) \cdot 10^{x}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

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問題(指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{5}\left( \frac{1}{10}\right) ^{2x}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。
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次回は対数関数の微分可能性について解説します。

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