微分可能な関数を合成して得られる関数もまた微分可能です。合成関数の微分公式と、合成関数を微分する際に役立つ連鎖公式について解説します。
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合成関数の微分

2 つの関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ,\ g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R}\)から合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)が定義可能であるものとします。つまり、\begin{equation*}
\forall x\in X:f\left( x\right) \in Y
\end{equation*}が成り立つということです。

合成関数について復習する

関数\(f\)は定義域の内点\(a\in X^{i}\)において微分可能であり、\(f\)が\(a\)に対して定める値\(f\left( a\right) \)は関数\(g\)の定義域\(Y\)の内点であるとともに、\(g\)はその内点\(f\left( a\right) \in Y^{i}\)において微分可能であるものとします。以上の条件が満たされる場合には、合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において微分可能であり、微分係数に関して以下が成り立ちます。

命題(合成関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ,\ g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R}\)から合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)が定義可能であるものとする。\(a\in X^{i}\)かつ\(f\left( a\right) \in Y^{i}\)を満たす点\(a\in \mathbb{R}\)を任意に選んだとき、\(f\)は\(a\)において微分可能であり、なおかつ\(g\)は\(f\left( a\right) \)において微分可能である場合には、\(g\circ f\)もまた\(a\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{equation*}
\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( a\right) =g^{\prime }\left( f\left( a\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( a\right)
\end{equation*}を満たす。
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つまり、合成関数の微分係数\(\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( a\right) \)を求めるためには、\(\left( 1\right) \) 合成関数\(g\circ f\)の「外側」の関数\(g\)の点\(f\left( a\right) \)における微分係数\(g^{\prime }\left( f\left( a\right) \right) \)を求め、 \(\left( 2\right) \ \)合成関数\(g\circ f\)の「内側」の関数\(f\)の点\(a\)における微分係数\(f^{\prime }\left( a\right) \)を求め、\(\left( 3\right) \ \)両者の積をとればよいということです。

例(合成関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)が\(f\left( x\right) =2x-1\)で、関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)が\(g\left( x\right) =x^{3}\)でそれぞれ与えられているとき、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの要素\(x\in \mathbb{R}\)に対して定める値は、\begin{equation*}
\left( g\circ f\right) (x)=g\left( f\left( x\right) \right) =\left( 2x-1\right) ^{3}
\end{equation*}です。関数\(f\)は内点\(1\in \mathbb{R}\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{eqnarray*}
f^{\prime }\left( 1\right) &=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f\left( 1+h\right) -f\left( 1\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\left[ 2\left( 1+h\right) -1\right] -\left( 2\cdot 1-1\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}2 \\
&=&2
\end{eqnarray*}です。また、関数\(g\)は内点\(f\left( 1\right) =1\in \mathbb{R}\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{eqnarray*}
g^{\prime }\left( f\left( 1\right) \right) &=&g^{\prime }\left( 1\right) \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{g\left( 1+h\right) -g\left( 1\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\left( 1+h\right) ^{3}-1^{3}}{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\left( 3+3h+h^{2}\right) \\
&=&3
\end{eqnarray*}です。 したがって、上の命題より、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)もまた点\(1\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{eqnarray*}
\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( 1\right) &=&g^{\prime }\left( f\left( 1\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( 1\right) \\
&=&3\cdot 2 \\
&=&6
\end{eqnarray*}となります。

先の命題では、合成関数\(g\circ f\)が微分可能な点の候補として、\(a\in X^{i}\)かつ\(f\left( a\right) \in Y^{i}\)を満たす点\(a\)に話を限定しています。つまり、点\(a\)は関数\(f\)の定義域\(X\)の内点であるとともに、点\(f\left( a\right) \)は関数\(g\)の定義域\(Y\)の内点です。このとき、\(f\)の\(a\)における通常の意味での微分可能性や、\(g\)の\(f\left( a\right)\)における通常の意味での微分可能性を検討できます。その上で、\(f\)が\(a\)において微分可能であるとともに\(g\)が\(f\left( a\right) \)において微分可能である場合には、合成関数\(g\circ f\)もまた微分可能であることを先の命題は主張しています。

では、\(a\in X^{i}\)と\(f\left( a\right) \in Y^{i}\)の少なくとも一方が成り立たないような点\(a\)における\(g\circ f\)の微分可能性ついてはどのようなことが言えるでしょうか。例えば、点\(a\)が関数\(f\)の定義域\(X\)の境界点である場合や、点\(f\left( a\right) \)が関数\(g\)の定義域\(Y\)の境界点である場合などです。この場合、\(f\)が\(a\)において片側微分可能であったり、\(g\)が\(f\left( a\right) \)において片側微分可能であるならば、上の命題において微分可能性を片側微分可能性に置き換えた主張がそのまま成り立ちます。証明は演習問題とします。

以上の事実を踏まえると、合成関数の導関数に関する以下の命題が得られます。

命題(合成関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R},\ g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R}\)から合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)が定義可能であるものとする。\(f,g\)がそれぞれ定義域上で微分可能であるならば、\(g\circ f\)もまた定義域上で微分可能であり、その導関数\(\left( g\circ f\right) ^{\prime }:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}
\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) =g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( x\right)
\end{equation*}を定める。
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つまり、合成関数の導関数\(\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) \)を求めるためには、\(\left( 1\right) \) 合成関数\(g\circ f\)の「外側」の関数\(g\)を微分した上で、得られた関数の変数に\(f\left( x\right) \)を代入して\(g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \)を求め、 \(\left( 2\right) \ \)合成関数\(g\circ f\)の「内側」の関数\(f\)を微分して\(f^{\prime }\left( x\right) \)を求め、\(\left( 3\right) \ \)両者の積をとればよいということです。

ちなみに、上の命題では\(g\)が定義域上\(Y\)で微分可能であることを条件として要求していますが、より正確には、関数\(f\)がとり得る値の範囲\(f\left( X\right) \subset Y\)において\(g\)が微分可能であれば十分です。

例(合成関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)が\(f\left( x\right) =2x-1\)で、関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)が\(g\left( x\right) =x^{3}\)でそれぞれ与えられているとき、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)がそれぞれの要素\(x\in \mathbb{R}\)に対して定める値は、\begin{equation*}
\left( g\circ f\right) (x)=g\left( f\left( x\right) \right) =\left( 2x-1\right) ^{3}
\end{equation*}です。関数\(f\)は任意の点\(a\in \mathbb{R}\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{eqnarray*}
f^{\prime }\left( a\right) &=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f\left( a+h\right) -f\left( a\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\left[ 2\left( a+h\right) -1\right] -\left( 2a-1\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}2 \\
&=&2
\end{eqnarray*}です。したがって、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R}\)に対して、\begin{equation}
f^{\prime }\left( x\right) =2 \tag{1}
\end{equation}を定めます。関数\(g\)もまた任意の点\(a\in \mathbb{R}\)において微分可能であり、そこでの微分係数は、\begin{eqnarray*}
g^{\prime }\left( a\right) &=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{g\left( a+h\right) -g\left( a\right) }{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\left( a+h\right) ^{3}-a^{3}}{h} \\
&=&\lim_{h\rightarrow 0}\left( 3a^{2}+3ah+h^{2}\right) \\
&=&3a^{2}
\end{eqnarray*}です。したがって、導関数\(g^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R}\)に対して、\begin{equation}
g^{\prime }\left( x\right) =3x^{2} \tag{2}
\end{equation}を定めます。すると、先の命題より、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)もまた任意の点\(a\in \mathbb{R}\)において微分可能であり、導関数\(\left( g\circ f\right) ^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R}\)に対して、\begin{eqnarray*}
\left( g\circ f\right) ^{\prime } &=&g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( x\right) \\
&=&3\left[ f\left( x\right) \right] ^{2}\cdot 2\quad \because \left( 1\right) ,\left( 2\right) \\
&=&3\left( 2x-1\right) ^{2}\cdot 2\quad \because f\left( x\right) =2x-1 \\
&=&6\left( 2x-1\right) ^{2}
\end{eqnarray*}を定めます。

 

連鎖公式

ここまでの議論から明らかになったように、微分可能な 2 つの関数が与えられたときに、それらの合成関数もまた微分可能です。また、合成関数の微分係数や導関数を求める方法も解説しました。以降では、別の視点からこれらの知識を活用する方法を解説します。

ある 1 つの関数が与えられており、それを微分しようとしている状況を想定します。もし、その関数が何らかの 2 つの関数\(f,g\)の合成関数\(g\circ f\)であることに気が付くことができれば、\(f,g\)がともに微分可能であるという条件のもと、合成関数の微分公式\begin{equation}
\left( g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) =g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( x\right) \tag{1}
\end{equation}を利用することで、もとの関数を微分できるはずです。

合成関数の定義より\(\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( f\left( x\right) \right) \)ですので、合成関数とは、最初に入力した\(x\)に対して合成関数の「内側」の関数\(f\)が値\(y=f\left( x\right) \)を定め、さらにその値\(y\)に対して合成関数の「外側」の関数\(g\)が値\(g\left( y\right) \)を定めるという 2 ステップの構造になっています。言い換えると、合成関数\(\left( g\circ f\right) \left( x\right) \)は、「外側」の関数\(g\left( y\right) \)と「内側」の関数\(y=f\left( x\right) \)とに分離可能であるということです。これらの表記を利用して\(\left( 1\right) \)を言い換えると、\begin{equation}
\frac{d\left( g\circ f\right) \left( x\right) }{dx}=\frac{dg\left( y\right) }{dy}\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx} \tag{2}
\end{equation}となります。つまり、微分しようとしている関数が何らかの 2 つの関数\(f,g\)の合成関数\(g\circ f\)であることに気が付いた場合には、\(f,g\)がともに微分可能であることを確認した上で、\(f,g\)をそれぞれ微分し、得られた結果の積をとれば良いということになります。ただし、\(\left( 2\right) \)の右辺中の\(\frac{dg\left( y\right) }{dy}\)すなわち\(g^{\prime }\left( y\right) \)は変数\(y\)に関する関数ですので、\(\left( 1\right) \)のようにこれを\(g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \)にするためには、\(\frac{dg\left( y\right) }{dy}\)の変数に\(y=f\left( x\right) \)を代入する必要があります。このような代入を明示的に表現するのであれば、\(\left( 2\right) \)は、\begin{equation*}
\frac{d\left( g\circ f\right) \left( x\right) }{dx}=\left. \frac{dg\left( y\right) }{dy}\right\vert _{y=f\left( x\right) }\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx}
\end{equation*}となります。これを連鎖公式(chain rule)と呼びます。連鎖公式の運用例を以下に挙げます。

例(連鎖公式)
変数\(x\in \mathbb{R}\)に関する関数\(\left( 2x-1\right) ^{3}\)を微分します。これは「外側の」関数に相当する\(g\left( y\right) =y^{3}\)と、「内側」の関数に相当する\(y=f\left( x\right) =2x-1\)の合成関数です。\(f,g\)はともに微分可能であるため連鎖公式を利用できます。具体的には、\begin{eqnarray*}
\frac{d\left( g\circ f\right) \left( x\right) }{dx} &=&\left. \frac{dg\left( y\right) }{dy}\right\vert _{y=f\left( x\right) }\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx}\quad \because \text{連鎖公式} \\
&=&\left. \frac{dy^{3}}{dy}\right\vert _{y=2x-1}\cdot \frac{d\left( 2x-1\right) }{dx}\quad \because f,g\text{の定義} \\
&=&\left. 3y^{2}\right\vert _{y=2x-1}\cdot 2 \\
&=&3\left( 2x-1\right) ^{2}\cdot 2 \\
&=&6\left( 2x-1\right) ^{2}
\end{eqnarray*}となります。つまり、関数\(\left( 2x-1\right) ^{3}\)の導関数は\(6\left( 2x-1\right) ^{2}\)です。

 

3つ以上の関数の合成

3つ以上の関数を合成して得られる関数の微分についても同様の結論が得られます。

命題(合成関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ,\ g:\mathbb{R} \supset Y\rightarrow \mathbb{R} ,\)\(h:\mathbb{R} \supset Z\rightarrow \mathbb{R}\)から合成関数\(h\circ g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)が定義可能であるものとする。\(f,g,h\)がそれぞれ定義域上で微分可能であるならば、\(h\circ g\circ f\)もまた定義域上で微分可能であり、その導関数\(\left( h\circ g\circ f\right) ^{\prime }:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R}\)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}
\left( h\circ g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) =h^{\prime }(g\left( f\left( x\right) \right) )\cdot g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( x\right)
\end{equation*}を定める。
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つまり、合成関数の導関数\(\left( h\circ g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) \)を求めるためには、\(\left( 1\right) \) 合成関数\(h\circ g\circ f\)の「外側」の関数\(h\)を微分した上で、得られた関数の変数に\(g\left( f\left( x\right) \right) \)を代入して\(h^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \)を求め、 \(\left( 2\right) \ \)合成関数\(h\circ g\circ f\)の「中央」の関数\(g\)を微分した上で、得られた関数の変数に\(f\left( x\right) \)を代入して\(g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \)を求め、\(\left( 3\right) \ \)合成関数\(h\circ g\circ f\)の「内側」の関数\(f\)を微分して\(f^{\prime }\left( x\right) \)を求めた上で、\(\left( 4\right) \) それらの積をとればよいということです。

ちなみに、上の命題では関数\(g\)が定義域\(Y\)上で微分可能であることや、関数\(h\)が定義域\(Z\)上で微分可能であることを条件として要求していますが、より正確には、関数\(f\)がとり得る値の範囲\(f\left( X\right) \subset Y\)において\(g\)が微分可能であり、関数\(g\)がとり得る値の範囲\(g\left( f\left( X\right) \right) \subset Z\)において\(h\)が微分可能であれば十分です。

最後に、3 つの関数を合成して得られる合成関数について、その連鎖公式を整理しましょう。ある 1 つの関数を微分しようとしているとき、その関数が何らかの 3 つの関数\(f,g,h\)の合成関数\(h\circ g\circ f\)であることに気づいた場合には、\(f,g,h\)が微分可能であるという条件のもと、合成関数の微分公式\begin{equation}
\left( h\circ g\circ f\right) ^{\prime }\left( x\right) =h^{\prime }(g\left( f\left( x\right) \right) )\cdot g^{\prime }\left( f\left( x\right) \right) \cdot f^{\prime }\left( x\right) \tag{1}
\end{equation}を利用することで、もとの関数を微分できます。

合成関数の定義より\(\left( h\circ g\circ f\right) \left( x\right) =h\left( g\left( f\left( x\right) \right) \right) \)ですので、これは、「外側」の関数\(h\left( z\right) \)、「中央」の関数\(z=g\left( y\right) \)、そして「内側」の関数\(y=f\left( x\right) \)とに分離可能です。これらの表記を利用して\(\left( 1\right) \)を言い換えると、\begin{equation*}
\frac{d\left( h\circ g\circ f\right) \left( x\right) }{dx}=\frac{dh\left( z\right) }{dz}\cdot \frac{dg\left( y\right) }{dy}\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx}
\end{equation*}より正確には、\begin{equation*}
\frac{d\left( h\circ g\circ f\right) \left( x\right) }{dx}=\left. \frac{dh\left( z\right) }{dz}\right\vert _{z=g\left( f\left( x\right) \right)
}\cdot \left. \frac{dg\left( y\right) }{dy}\right\vert _{y=f\left( x\right)
}\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx}
\end{equation*}となります。つまり、微分しようとしている関数が何らかの 3 つの関数\(f,g,h\)の合成関数\(h\circ g\circ f\)であることに気が付いた場合には、\(f,g,h\)がいずれも微分可能であることを確認した上で、\(f,g,h\)をそれぞれ微分し、得られた結果の積をとれば良いということになります。ただし、\(h\)を微分して得られる関数については\(z=g\left( f\left( x\right) \right) \)で、\(g\)を微分して得られる関数については\(y=f\left( x\right) \)でそれぞれ評価する必要があります。

例(連鎖公式)
変数\(x\in \mathbb{R}\)に関する関数\(\left( 2x^{2}-1\right) ^{3}\)を微分します。これは「外側の」関数に相当する\(h\left( z\right) =z^{3}\)と、「中央」の関数に相当する\(z=g\left( y\right) =2y-1\)、そして「内側」の関数に相当する\(y=f\left( x\right) =x^{2}\)の合成関数です。\(f,g,h\)はともに微分可能であるため連鎖公式を利用できます。具体的には、\begin{eqnarray*}
\frac{d\left( h\circ g\circ f\right) \left( x\right) }{dx} &=&\left. \frac{dh\left( z\right) }{dz}\right\vert _{z=g\left( f\left( x\right) \right) }\cdot \left. \frac{dg\left( y\right) }{dy}\right\vert _{y=f\left( x\right) }\cdot \frac{df\left( x\right) }{dx}\quad \because \text{連鎖公式} \\
&=&\left. \frac{dz^{3}}{dz}\right\vert _{z=2x^{2}-1}\cdot \left. \frac{d\left( 2y-1\right) }{dy}\right\vert _{y=x^{2}}\cdot \frac{dx^{2}}{dx}\quad
\because f,g,h\text{の定義} \\
&=&\left. 3z^{2}\right\vert _{z=2x^{2}-1}\cdot \left. 2\right\vert _{y=x^{2}}\cdot 2x \\
&=&3\left( 2x^{2}-1\right) ^{2}\cdot 2\cdot 2x \\
&=&12x\left( 2x^{2}-1\right) ^{2}
\end{eqnarray*}となります。つまり、関数\(\left( 2x^{2}-1\right) ^{3}\)の導関数は\(12x\left( 2x^{2}-1\right) ^{2}\)です。

次回は逆関数の微分について学びます。
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