教材一覧
教材一覧
教材検索
DIFFERENTIATION OF FUNCTIONS

自然指数関数の微分

目次

< 前のページ
次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有

自然指数関数の微分

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が自然指数関数であるものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めるということです。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において微分可能であるか検討できますが、\(f\)は点\(a\)において微分可能であり、微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =e^{a}
\end{equation*}となります。

命題(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)および周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =e^{a}
\end{equation*}となる。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(自然指数関数の微分)
自然指数関数は全区間上に定義可能であるため、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(\mathbb{R} \)は開集合であるため、定義域上の点を任意に選んだとき、\(f\)はその点を含め周辺の任意の点において定義されています。すると先の命題より\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めます。つまり、自然指数関数\(e^{x}\)の導関数はもとの関数\(e^{x}\)と一致します。
例(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}e^{x}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}\)と自然指数関数\(e^{x}\)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( x^{2}e^{x}\right) ^{\prime }\quad
\because f\text{の定義} \\
&=&\left( x^{2}\right) ^{\prime }e^{x}+x^{2}\left( e^{x}\right) ^{\prime
}\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&2xe^{x}+x^{2}e^{x}\quad \because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&xe^{x}\left( x+2\right)
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{e^{x}}{x^{2}+1}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}+1\)と自然指数関数\(e^{x}\)の商として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( \frac{e^{x}}{x^{2}+1}\right) ^{\prime
}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\frac{\left( e^{x}\right) ^{\prime }\left( x^{2}+1\right) -e^{x}\left(
x^{2}+1\right) ^{\prime }}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{微分可能な関数の商} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x^{2}+1\right) -e^{x}\left( 2x\right) }{\left(
x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x^{2}-2x+1\right) }{\left( x^{2}+1\right) ^{2}} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x-1\right) ^{2}}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x^{3}-3}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{3}-3\)と自然指数関数\(e^{x}\)の合成関数として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( e^{x^{3}-3}\right) ^{\prime }\quad
\because f\text{の定義} \\
&=&\left. \left( e^{y}\right) ^{\prime }\right\vert _{y=x^{3}-3}\cdot \left(
x^{3}-3\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. e^{y}\right\vert _{y=x^{3}-3}\cdot \left( 3x^{2}\right) \quad
\because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&e^{x^{3}-3}\cdot \left( 3x^{2}\right) \\
&=&3x^{2}e^{x^{3}-3}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{\frac{1}{x^{2}+1}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数\(\frac{1}{x^{2}+1}\)と自然指数関数\(e^{x}\)の合成関数として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( e^{\frac{1}{x^{2}+1}}\right) ^{\prime
}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left. \left( e^{y}\right) ^{\prime }\right\vert _{y=\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left( \frac{1}{x^{2}+1}\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. e^{y}\right\vert _{y=\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left[ \frac{\left(
1\right) ^{\prime }\left( x^{2}+1\right) -1\left( x^{2}+1\right) ^{\prime }}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\right] \quad \because \text{有理関数および自然指数関数の微分} \\
&=&e^{\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left[ \frac{-2x}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\right] \\
&=&-2x\frac{e^{\frac{1}{x^{2}+1}}}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。

例(自然指数関数の微分)
平面上に自然指数関数\(e^{x}\)のグラフをプロットします。このグラフの接線の傾きの大きさが\(20\)と一致するような接点の座標を求めます。接線の傾きの大きさは微分係数と一致するため、\begin{equation}f\left( x\right) =e^{x} \quad \cdots (1)
\end{equation}とおいたとき、問題としている接点の\(x\)座標は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =20
\end{equation*}を満たす\(x\)です。\(\left( 1\right) \)および自然指数関数の微分より、この条件は、\begin{equation}e^{x}=20 \quad \cdots (2)
\end{equation}と言い換え可能です。これを解くと、\begin{equation*}
x=\ln 20=2.995
\end{equation*}を得ます。問題としている接点の\(y\)座標は、上の\(x\)座標を踏まえると、\begin{eqnarray*}f\left( x\right) &=&e^{x}\quad \because \left( 1\right) \\
&=&20\quad \because \left( 2\right)
\end{eqnarray*}となります。以上より、問題としている接点の座標は、\begin{equation*}
\left( 2.995,20\right)
\end{equation*}であることが明らかになりました。

例(自然指数関数の微分)
蚊の集団の初期時点における個体数が\(1000\)であるものとします。\(x\)日後の個体数が、\begin{equation*}f\left( x\right) =1000\cdot e^{0.3x}
\end{equation*}であるものとします。この関数のグラフは以下の通りです。

図:蚊の個体数の変遷
図:蚊の個体数の変遷

初期時点(\(t=0\))の個体数に関して、\begin{eqnarray*}f\left( 0\right) &=&1000\cdot e^{0} \\
&=&1000\cdot 1 \\
&=&1000
\end{eqnarray*}が確かに成り立っています。\(f\)は微分可能であり、その導関数\(f^{\prime }\)は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =1000\cdot e^{0.3x}\cdot 0.3=300\cdot e^{0.3x}
\end{equation*}であるため、任意の\(x\)について、\begin{equation*}\frac{f^{\prime }\left( x\right) }{f\left( x\right) }=\frac{300\cdot e^{0.3x}}{1000\cdot e^{0.3x}}=0.3
\end{equation*}が成り立ちますが、これは定数です。これは何を意味するのでしょうか。\(f^{\prime }\left( x\right) \)は\(x\)日後の時点における個体数の増加率であり、\(f\left( x\right) \)は\(x\)日後の時点における個体数です。したがって、それらの商\(\frac{f^{\prime }\left(x\right) }{f\left( x\right) }\)は\(x\)日後の時点における個体当たりの増加率です。したがって、以上の事実は、個体数が変化しても個体当たりの増加率は\(0.3\)で一定であることを意味します。逆に言うと、個体当たりの増加率が\(0.3\)で一定の場合でも、個体数は指数関数的に急速に増加するということです。

 

自然指数関数の片側微分

片側微分に関しても同様の命題が成り立ちます。

命題(自然指数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において右側微分可能であるとともに、そこでの右側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =e^{a}
\end{equation*}となる。また、\(f\)が点\(a\in X\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば\(f\)は点\(a\)において左側微分可能であるとともに、そこでの左側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =e^{a}
\end{equation*}となる。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(自然指数関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2e^{x}+1
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(0,1\right) \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)の周辺において定義されているため点\(a\)において微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( a\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right) ^{\prime
}\right\vert _{x=a}+\left( 1\right) ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=a}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数の微分} \\
&=&2e^{a}
\end{eqnarray*}となります。一方、\(f\)は定義域の境界点である\(0\)や\(1\)において通常の意味で微分可能ではありません。\(f\)は点\(0\)以上の周辺の任意の点において定義されているため点\(0\)において右側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0+0\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right)
_{+}^{\prime }\right\vert _{x=0}+\left. \left( 1\right) _{+}^{\prime
}\right\vert \quad \because \text{右側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=0}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数および定数関数の右側微分} \\
&=&2e^{0} \\
&=&2\cdot 1 \\
&=&2
\end{eqnarray*}となります。また、\(f\)は点\(1\)以下の周辺の任意の点において定義されているため点\(1\)において左側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 1-0\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right)
_{-}^{\prime }\right\vert _{x=1}+\left. \left( 1\right) _{-}^{\prime
}\right\vert \quad \because \text{左側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=1}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数の左側微分} \\
&=&2e^{1} \\
&=&2e
\end{eqnarray*}となります。したがって\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =2e^{x}
\end{equation*}を定めることが明らかになりました。

 

演習問題

問題(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{5}e^{2x}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{2e^{3x}}{x}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left( e^{2x}\right) ^{3}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(自然指数関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =3\left( e^{2x^{4}+1}\right) ^{3}
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

次回は自然指数関数に限定されない一般の指数関数の微分について解説します。

< 前のページ
次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有
DISCUSSION

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

ネイピア数
指数関数の定義

正の実数であるような底を所与としたとき、指数を変数とし、累乗を値として定めるような関数を指数関数と呼びます。特に、ネイピア数を底とする指数関数を自然指数関数と呼びます。指数関数は正の実数を値としてとる狭義単調関数です。

指数関数
一般の指数関数の微分

自然指数関数に限定されない一般の指数関数もまた全区間上で微分可能であることを示すとともに、その導関数を求める方法を解説します。

指数関数
指数関数の極限

指数関数や自然指数関数について、その極限、片側極限、および無限大における極限を求める方法を解説します。

関数の微分