自然指数関数の微分
自然指数関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めるということです。
定義域上の点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =e^{a}
\end{equation*}となります。
\end{equation*}を定めるものとする。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において微分可能であるとともに、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =e^{a}
\end{equation*}が成り立つ。
\end{equation*}を定めるものとします。先の命題より、\(f\)は\(\mathbb{R} \)上において微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めます。つまり、自然指数関数\(e^{x}\)の導関数はもとの関数\(e^{x}\)と一致します。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}\)と自然指数関数\(e^{x}\)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( x^{2}e^{x}\right) ^{\prime }\quad
\because f\text{の定義} \\
&=&\left( x^{2}\right) ^{\prime }e^{x}+x^{2}\left( e^{x}\right) ^{\prime
}\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&2xe^{x}+x^{2}e^{x}\quad \because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&xe^{x}\left( x+2\right)
\end{eqnarray*}を定めます。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{2}+1\)と自然指数関数\(e^{x}\)の商として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( \frac{e^{x}}{x^{2}+1}\right) ^{\prime
}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\frac{\left( e^{x}\right) ^{\prime }\left( x^{2}+1\right) -e^{x}\left(
x^{2}+1\right) ^{\prime }}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{微分可能な関数の商} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x^{2}+1\right) -e^{x}\left( 2x\right) }{\left(
x^{2}+1\right) ^{2}}\quad \because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x^{2}-2x+1\right) }{\left( x^{2}+1\right) ^{2}} \\
&=&\frac{e^{x}\left( x-1\right) ^{2}}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は多項式関数\(x^{3}-3\)と自然指数関数\(e^{x}\)の合成関数として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( e^{x^{3}-3}\right) ^{\prime }\quad
\because f\text{の定義} \\
&=&\left. \left( e^{y}\right) ^{\prime }\right\vert _{y=x^{3}-3}\cdot \left(
x^{3}-3\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. e^{y}\right\vert _{y=x^{3}-3}\cdot \left( 3x^{2}\right) \quad
\because \text{多項式関数および自然指数関数の微分} \\
&=&e^{x^{3}-3}\cdot \left( 3x^{2}\right) \\
&=&3x^{2}e^{x^{3}-3}
\end{eqnarray*}を定めます。
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は有理関数\(\frac{1}{x^{2}+1}\)と自然指数関数\(e^{x}\)の合成関数として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left( e^{\frac{1}{x^{2}+1}}\right) ^{\prime
}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left. \left( e^{y}\right) ^{\prime }\right\vert _{y=\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left( \frac{1}{x^{2}+1}\right) ^{\prime }\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. e^{y}\right\vert _{y=\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left[ \frac{\left(
1\right) ^{\prime }\left( x^{2}+1\right) -1\left( x^{2}+1\right) ^{\prime }}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\right] \quad \because \text{有理関数および自然指数関数の微分} \\
&=&e^{\frac{1}{x^{2}+1}}\cdot \left[ \frac{-2x}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}\right] \\
&=&-2x\frac{e^{\frac{1}{x^{2}+1}}}{\left( x^{2}+1\right) ^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。
\end{equation*}であるものとします。この関数のグラフは以下の通りです。
初期時点(\(t=0\))の個体数に関して、\begin{eqnarray*}f\left( 0\right) &=&1000\cdot e^{0} \\
&=&1000\cdot 1 \\
&=&1000
\end{eqnarray*}が確かに成立しています。\(f\)は微分可能であり、その導関数\(f^{\prime }\)は、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&1000\cdot e^{0.3x}\cdot 0.3 \\
&=&300\cdot e^{0.3x}
\end{eqnarray*}であるため、任意の\(x\)について、\begin{eqnarray*}\frac{f^{\prime }\left( x\right) }{f\left( x\right) } &=&\frac{300\cdot
e^{0.3x}}{1000\cdot e^{0.3x}} \\
&=&0.3
\end{eqnarray*}が成り立ちますが、これは定数です。これは何を意味するのでしょうか。\(f^{\prime }\left( x\right) \)は\(x\)日後の時点における個体数の増加率であり、\(f\left( x\right) \)は\(x\)日後の時点における個体数です。したがって、それらの商\(\frac{f^{\prime }\left(x\right) }{f\left( x\right) }\)は\(x\)日後の時点における個体当たりの増加率です。したがって、以上の事実は、個体数が変化しても個体当たりの増加率は\(0.3\)で一定であることを意味します。逆に言うと、個体当たりの増加率が\(0.3\)で一定の場合でも、個体数は指数関数的に急速に増加するということです。
自然指数関数の片側微分
片側微分に関しても同様の命題が成り立ちます。
\end{equation*}を定めるものとする。点\(a\in \mathbb{R} \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)において右側微分可能であるとともに、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =e^{a}
\end{equation*}が成り立つとともに、\(f\)は点\(a\)において左側微分可能であるとともに、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =e^{a}
\end{equation*}が成り立つ。
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(0,1\right) \)を任意に選んだとき、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( a\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right) ^{\prime
}\right\vert _{x=a}+\left( 1\right) ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=a}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数の微分} \\
&=&2e^{a}
\end{eqnarray*}となります。定義域の左側の端点\(0\)においては、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0+0\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right)
_{+}^{\prime }\right\vert _{x=0}+\left. \left( 1\right) _{+}^{\prime
}\right\vert \quad \because \text{右側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=0}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数および定数関数の右側微分} \\
&=&2e^{0} \\
&=&2\cdot 1 \\
&=&2
\end{eqnarray*}となります。定義域の右側の端点\(1\)においては、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 1-0\right) &=&2\cdot \left. \left( e^{x}\right)
_{-}^{\prime }\right\vert _{x=1}+\left. \left( 1\right) _{-}^{\prime
}\right\vert \quad \because \text{左側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \left( \left. e^{x}\right\vert _{x=1}\right) +0\quad \because
\text{自然指数関数の左側微分} \\
&=&2e^{1} \\
&=&2e
\end{eqnarray*}となります。したがって\(f\)は微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =2e^{x}
\end{equation*}を定めることが明らかになりました。
演習問題
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。
\end{equation*}を定めるものとします。導関数を求めてください。
プレミアム会員専用コンテンツです
【ログイン】【会員登録】