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正接関数(tan関数)の微分

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正接関数の微分

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が正接関数であるものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( x\right)
\end{equation*}を定めるということです。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されている場合、点\(a\)において微分可能です。微分係数は以下の通りです。

命題(正接関数の微分)

関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)の周辺の任意の点において定義されているならば点\(a\)において微分可能であるとともに、そこでの微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a\right) =\frac{1}{\cos ^{2}\left( a\right) }
\end{equation*}となる。

証明

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例(正接関数の微分)
正接関数\(\tan \left( x\right) \)の定義域となり得る最大の集合は、\begin{eqnarray*}X &=&\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ \cos \left( x\right) \not=0\right\} \\
&=&\mathbb{R} \backslash \left\{ \frac{\left( \pm 1\right) \pi }{2},\frac{\left( \pm
3\right) \pi }{2},\frac{\left( \pm 5\right) \pi }{2},\cdots \right\}
\end{eqnarray*}であることから、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( x\right)
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(X\)は開集合であるため、\(X\)の点を任意に選んだとき、\(f\)はその点の周辺の任意の点において定義されています。すると先の命題より\(f\)は\(X\)上で微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =\frac{1}{\cos ^{2}\left( x\right) }
\end{equation*}を定めます。

例(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{3}\tan \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\begin{equation*}
X=\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ \cos \left( x\right) \not=0\right\}
\end{equation*}です。\(X\)は開集合であるため、\(X\)の点を任意に選んだとき、\(f\)はその点の周辺の任意の点において定義されています。\(f\)は自然数ベキ関数\(x^{3}\)と正接関数\(\tan \left( x\right) \)の積として定義されているため微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( x\right) &=&\left[ x^{3}\tan \left( x\right) \right] ^{\prime }\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left( x^{3}\right) ^{\prime }\tan \left( x\right) +x^{3}\left[ \tan
\left( x\right) \right] ^{\prime }\quad \because \text{微分可能な関数の積} \\
&=&3x^{2}\tan \left( x\right) +x^{3}\frac{1}{\cos ^{2}\left( x\right) }\quad
\because \text{自然数ベキ関数および正接関数の微分} \\
&=&x^{2}\left[ 3\tan \left( x\right) +\frac{x}{\cos ^{2}\left( x\right) }\right] \end{eqnarray*}を定めます。

例(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( 3x^{2}+2x+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\(X\)は\(f\)の定義域です。\(f\)は点\(0\)において微分可能であることを示します。\(f\)は多項式関数\(3x^{2}+2x+1\)と正接関数\(\tan \left( x\right) \)の合成関数であることに注意してください。\(3x^{2}+2x+1\)は点\(0\)の周辺の任意の点において定義されているため点\(0\)において微分可能です。\(3\cdot 0^{2}+2\cdot 0+1=1\)ですが、正接関数は点\(1\)の周辺の任意の点において定義されているため点\(1\)において微分可能です。したがって、合成関数の微分より\(f\)は点\(0\)において微分可能であり、微分係数は、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0\right) &=&\left. \frac{d}{dx}\tan \left(
3x^{2}+2x+1\right) \right\vert _{x=0}\quad \because f\text{の定義} \\
&=&\left. \left[ \left. \frac{d}{dy}\tan \left( y\right) \right\vert
_{y=3x^{2}+2x+1}\cdot \frac{d}{dx}\left( 3x^{2}+2x+1\right) \right] \right\vert _{x=0}\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. \left[ \left. \frac{1}{\cos ^{2}\left( y\right) }\right\vert
_{y=3x^{2}+2x+1}\cdot \left( 6x+2\right) \right] \right\vert _{x=0}\quad
\because \text{正接関数および多項式関数の微分} \\
&=&\left. \frac{6x+2}{\cos ^{2}\left( 3x^{2}+2x+1\right) }\right\vert _{x=0}
\\
&=&\frac{2}{\cos ^{2}\left( 1\right) }
\end{eqnarray*}となります。

例(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( \frac{x^{2}-1}{x-1}\right)
\end{equation*}を定めるものとします。\(X\)は\(f\)の定義域です。\(f\)は点\(0\)において連続であることを示します。\(f\)は有理関数\(\frac{x^{2}-1}{x-1}\)と余弦関数\(\cos \left(x\right) \)の合成関数であることに注意してください。\(\frac{x^{2}-1}{x-1}\)は点\(0\)の周辺の任意の点において定義されているため点\(0\)において微分可能です。\(\frac{0^{2}-1}{0-1}=1\)ですが、正接関数は点\(1\)の周辺の任意の点において定義されているため点\(1\)において微分可能です。したがって、合成関数の微分より\(f\)は点\(0\)において微分可能であり、微分係数は、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0\right) &=&\left. \frac{d}{dx}\tan \left( \frac{x^{2}-1}{x-1}\right) \right\vert _{x=0}\quad \because f\text{の定義}
\\
&=&\left. \left[ \left. \frac{d}{dy}\tan \left( y\right) \right\vert _{y=\frac{x^{2}-1}{x-1}}\cdot \frac{d}{dx}\left( \frac{x^{2}-1}{x-1}\right) \right] \right\vert _{x=0}\quad \because \text{合成関数の微分} \\
&=&\left. \left[ \left. \frac{1}{\cos ^{2}\left( y\right) }\right\vert _{y=\frac{x^{2}-1}{x-1}}\cdot \frac{\left( x^{2}-1\right) ^{\prime }\left(
x-1\right) -\left( x^{2}-1\right) \left( x-1\right) ^{\prime }}{\left(
x-1\right) ^{2}}\right] \right\vert _{x=0}\quad \because \text{正接関数および有理関数の微分} \\
&=&\left. \left[ \frac{1}{\cos ^{2}\left( \frac{x^{2}-1}{x-1}\right) }\cdot
\frac{2x\left( x-1\right) -\left( x^{2}-1\right) }{\left( x-1\right) ^{2}}\right] \right\vert _{x=0} \\
&=&\frac{1}{\cos ^{2}\left( 1\right) }
\end{eqnarray*}となります。

 

正接関数の片側微分

片側微分についても同様の命題が成り立ちます。

命題(正接関数の片側微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)以下の周辺の任意の点において定義されているならば点\(a\)において左側微分可能であるとともに、そこでの左側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a-0\right) =\frac{1}{\cos ^{2}\left( a\right) }
\end{equation*}となる。また、\(f\)が定義域上の点\(a\in X\)以上の周辺の任意の点において定義されているならば点\(a\)において右側微分可能であるとともに、そこでの右側微分係数は、\begin{equation*}f^{\prime }\left( a+0\right) =\frac{1}{\cos ^{2}\left( a\right) }
\end{equation*}となる。

例(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \lbrack 0,\frac{\pi }{2})\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \lbrack 0,\frac{\pi }{2})\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =2\tan \left( x\right) +1
\end{equation*}を定めるものとします。定義域の内点\(a\in \left(0,\frac{\pi }{2}\right) \)を任意に選んだとき、\(f\)は点\(a\)の周辺の任意の点において定義されているため点\(a\)において微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( a\right) &=&2\cdot \left. \left[ \tan \left( x\right) \right] ^{\prime }\right\vert _{x=a}+\left. \left( 1\right) ^{\prime
}\right\vert _{x=1}\quad \because \text{微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\cdot \frac{1}{\cos ^{2}\left( a\right) }+0\quad \because \text{正接関数および定数関数の微分} \\
&=&\frac{2}{\cos ^{2}\left( a\right) }
\end{eqnarray*}となります。一方、\(f\)は定義域の境界点である点\(0\)において通常の意味で微分可能ではありません。\(f\)は点\(0\)以上の周辺の任意の点において定義されているため点\(0\)において右側微分可能であり、\begin{eqnarray*}f^{\prime }\left( 0+0\right) &=&2\cdot \left. \left[ \tan \left( x\right) \right] _{+}^{\prime }\right\vert _{x=0}+\left. \left( 1\right) _{+}^{\prime
}\right\vert _{x=0}\quad \because \text{右側微分可能な関数の定数倍・和} \\
&=&2\frac{1}{\cos ^{2}\left( 0\right) }+0\quad \because \text{正接関数および定数関数の右側微分} \\
&=&\frac{2}{\cos ^{2}\left( 0\right) } \\
&=&2
\end{eqnarray*}となります。したがって\(f\)は\([0,\frac{\pi }{2})\)上で微分可能であり、導関数\(f^{\prime }:\mathbb{R} \supset \lbrack 0,\frac{\pi }{2})\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \lbrack 0,\frac{\pi }{2})\)に対して、\begin{equation*}f^{\prime }\left( x\right) =\frac{2}{\cos ^{2}\left( x\right) }
\end{equation*}を定めることが明らかになりました。

 

演習問題

問題(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan \left( 3x\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\begin{equation*}
X=\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ \cos \left( 3x\right) \not=0\right\}
\end{equation*}です。導関数を求めてください。

証明

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問題(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\tan ^{2}\left( x\right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\begin{equation*}
X=\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ \cos \left( x\right) \not=0\right\}
\end{equation*}です。導関数を求めてください。

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問題(正接関数の微分)
関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\cos ^{3}\left( \tan \left( 3x\right) \right)
\end{equation*}を定めるものとします。ただし、\begin{equation*}
X=\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ \cos \left( 3x\right) \not=0\right\}
\end{equation*}です。導関数を求めてください。

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