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部分集合

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部分集合

集合\(A\)のすべての要素が集合\(B\)の要素でもある場合には、すなわち、\begin{equation}
\forall x\in A:x\in B \quad \cdots (1)
\end{equation}という全称命題が真である場合には、\(A\)は\(B \)の部分集合(subset)であるといい、このことを\(A\subset B\)で表記します。

集合\(A\)が集合\(B\)の部分集合でないことは\(\left( 1\right) \)が成り立たないこと、すなわち、\(\left( 1\right) \)の否定である、\begin{equation*}
\exists x\in A:x\not\in B
\end{equation*}が真であることを意味します。つまり、\(A\)の要素だが\(B\)の要素ではないものが存在するということです。このことを\(A\not\subset B\)で表します。

例(部分集合)
集合\(A=\{1,3,5\}\)と\(B=\{1,2,3,4,5\}\)について考えます。\(A\)の任意の要素は\(B\)の要素でもあるため\(A\subset B\)が成り立ちます。一方、\(2\in B\)かつ\(2\not\in A\)であるため\(B\not\subset A\)が成り立ちます。
例(部分集合)
集合\(A=\left\{ 1,3,5\right\} \)と\(B=\left\{ 1,3,5\right\} \)について考えます。つまり、\(A\)と\(B\)は同じ要素を持つ等しい集合です。\(A\)の任意の要素は\(B\)の要素でもあるため\(A\subset B\)が成り立ちます。同時に、\(B\)の任意の要素は\(A\)の要素でもあるため\(B\subset A\)も成り立ちます。
例(部分集合)
すべての自然数からなる集合\(\mathbb{N}\)とすべての整数からなる集合\(\mathbb{Z}\)について考えます。任意の自然数は整数でもあるため\(\mathbb{N}\subset \mathbb{Z}\)が成り立ちます。一方、負の整数は\(\mathbb{Z}\)の要素である一方で\(\mathbb{N}\)の要素ではないため\(\mathbb{Z}\not\subset \mathbb{N}\)が成り立ちます。

 

部分集合の内包的表現

集合\(A,B\)がそれぞれ、\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ x\in X\ |\ P\left( x\right) \right\} \\
B &=&\left\{ x\in X\ |\ Q\left( x\right) \right\}
\end{eqnarray*}という形で内包的に定義されているものとします。\(A\subset B\)が成り立つものとします。つまり、以下の全称命題\begin{equation}
\forall x\in A:x\in B \quad \cdots (1)
\end{equation}が真であるということです。\(x\in A\)を満たす\(x\in X\)を任意に選んだとき、\(\left( 1\right) \)より\(x\in B\)が成り立ちます。つまり、\(\left( 1\right) \)が真であるとき、以下の全称命題\begin{equation}
\forall x\in X:\left( x\in A\Rightarrow x\in B\right) \quad \cdots (2)
\end{equation}が真です。逆に、\(\left( 2\right) \)が真である場合には\(\left( 1\right) \)も明らかに真です。したがって、\(\left( 2\right) \)と\(\left( 1\right) \)は必要十分であるため、\(A\subset B\)の定義として\(\left( 2\right) \)を採用することもできます。

任意の\(x\in X\)について、\(A\)の定義より\(P\left( x\right) \Leftrightarrow x\in A\)が成り立ち、\(B\)の定義より\(Q\left( x\right) \Leftrightarrow x\in B\)が成り立つため、これらを用いて命題\(\left( 2\right) \)を同値変形すると、\begin{equation}
\forall x\in X:\left[ P\left( x\right) \Rightarrow Q\left( x\right) \right] \quad \cdots (3)
\end{equation}を得ます。したがって、\(A\subset B\)の定義として\(\left( 3\right) \)を採用することもできます。つまり、\(A\)が\(B\)の部分集合であることは、変数の定義域\(X\)に属する任意の要素\(x\)について、命題\(P\left( x\right) \)が真である場合には命題\(Q\left( x\right) \)もまた真であることを意味します。逆に、集合\(A\)が集合\(B\)の部分集合でないことは、\(\left( 3\right) \)が成り立たないこと、すなわち、\(\left( 3\right) \)の否定である以下の存在命題\begin{equation*}
\exists x\in X:\left[ P\left( x\right) \wedge \lnot Q\left( x\right) \right] \end{equation*}が真であることを意味します。つまり、命題\(P\left( x\right) \)は真だが命題\(Q\left( x\right) \)は偽になるような要素\(x\)が定義域\(X\)の中に存在するということです。

例(部分集合)
集合\(A,B\)がそれぞれ、\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ x>0\right\} \\
B &=&\left\{ x\in \mathbb{R}\ |\ x\geq 0\right\}
\end{eqnarray*}と定義されています。実数\(x\in \mathbb{R}\)を任意に選んだとき、それは、\begin{equation*}
x>0\Rightarrow x\geq 0
\end{equation*}を満たすため\(A\subset B\)が成り立ちます。逆に、実数\(0\in \mathbb{R}\)は、\begin{equation*}
0\geq 0\wedge \lnot \left( 0>0\right)
\end{equation*}を満たすため\(B\not\subset A\)が成り立ちます。

 

演習問題

問題(部分集合)
集合\(A,B,C,D\)をそれぞれ、\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ 3,5,7,9,11\right\} \\
B &=&\left\{ 9,11,13\right\} \\
C &=&\left\{ 3,5,9\right\} \\
D &=&\left\{ 11,13\right\}
\end{eqnarray*}とします。このとき、以下の主張はそれぞれ真偽のどちらであるか、理由とともに答えてください。

  1. \(C\subset A\)
  2. \(B\subset A\)
  3. \(A\not\subset B\)
  4. \(D\not\subset B\)
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問題(部分集合)
集合\(A=\{1,2,\{3\},4,5\}\)について、以下の主張はそれぞれ真偽のどちらであるか、理由とともに答えてください。

  1. \(\{3\}\subset A\)
  2. \(\{1,2\}\subset A\)
  3. \(\{1\}\in A\)
  4. \(\{3\}\in A\)
  5. \(\{1,2,3\}\subset A\)
  6. \(\{1\}\subset A\)
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問題(部分集合)
集合\(A,B\)をそれぞれ、\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ x\in
\mathbb{Z}\ |\ x\text{は}18\text{で割り切れる}\right\} \\
B &=&\left\{ x\in
\mathbb{Z}\ |\ x\text{は}6\text{で割り切れる}\right\}
\end{eqnarray*}と定義するとき、\(A\subset B\)が成り立つことを証明してください。ただし、\(\mathbb{Z}\)はすべての整数からなる集合です。
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問題(部分集合)
集合\(A,B\)をそれぞれ、\begin{eqnarray*}
A &=&\left\{ 2,3,4,5\right\} \\
B &=&\left\{ x\in
\mathbb{Z}\ |\ x\text{は偶数}\right\}
\end{eqnarray*}と定義するとき、\(A\)は\(B \)の部分集合ではないことを示してください。ただし、\(\mathbb{Z}\)はすべての整数からなる集合です。
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問題(部分集合)
集合\(A\)が有限\(n\)個の要素を持つとき、\(A\)の部分集合としては\(2^{n}\)通りが、\(A\)の真部分集合としては\(2^{n}-1\)通りが存在することをそれぞれ証明してください。
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次回は集合が等しいことの意味を定義します。

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部分事象
部分事象

ある事象 A が別の事象 B の部分集合であるとき、A は B の部分事象であるといいます。A が B の部分事象であることは、試行のもとで A が起こる場合には B も必ず起こることを意味します。

有限集合
有限集合の部分集合の濃度

有限集合Aの部分集合Bもまた有限集合であるとともに、Bの濃度はAの濃度以下です。また、有限集合Aの真部分集合Bもまた有限集合であるとともに、Bの濃度はAの濃度よりも小さいです。

等しい事象
集合の相等

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可算集合
可算集合の部分集合の濃度

有限集合とその真部分集合の濃度は一致しない一方で、可算集合とその無限真部分集合の濃度は一致することが保証されます。

集合の相等
集合の変形

集合どうしが等しいことを示す = を二項関係とみなしたとき、これは同値関係です。つまり、集合の相等関係は反射律、対称律、推移律を満たします。