2 つの集合 X,Y の要素からなる順序対をすべて集めてできる集合を X と Y の直積と呼び、これを X×Y で表します。

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順序対

何らかの 2 つの成分が与えられたとき、それらを並べる順序を考慮した上で組にしたものを順序対(ordered pair)と呼びます。具体的には、1 つ目の要素が\(x\)で 2 つ目の要素が\(y\)であるような順序対を、\begin{equation*}
\left( x,y\right)
\end{equation*}で表します。

順序対を特徴づけるのは固有性(characteristic property)と呼ばれる性質であり、これは、任意の順序対\(\left( x,y\right) ,\left( x^{\prime },y^{\prime }\right) \)に対して、\begin{equation*}
(x,y)=(x^{\prime },y^{\prime })\ \Leftrightarrow \ (x=x^{\prime }\ \wedge \ y=y^{\prime })
\end{equation*}が成り立つ、というものです。つまり、2 つの順序対が等しいこととは、それらの第 1 成分どうしと第 2 成分どうしがそれぞれ等しいことを意味します。

順序対の固有性より、順序対\(\left( x,y\right) \)に対して、\begin{equation*}
(x,y)=(y,x)\ \Leftrightarrow \ x=y
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、\(x=y\)の場合に、そしてその場合にのみ、2 つの順序対\(\left( x,y\right) ,\left( y,x\right) \)は等しいものとして認識されます。他方で\(x\not=y\)の場合に、そしてその場合にのみ、2 つの順序対\(\left( x,y\right) ,\left( y,x\right) \)は異なるものとして認識されます。

 

2つの集合の直積

2 つの集合\(X,Y\)が与えられたとき、それらの要素\(x\in X\)と\(y\in Y\)をそれぞれ適当に選んだ上で順序対\(\left( x,y\right) \)を構成します。このようなすべての順序対からなる集合を、\begin{equation*}
X\times Y=\{(x,y)\ |\ x\in X\ \wedge \ y\in Y\}
\end{equation*}で表し、これを\(X\)と\(Y\)の直積集合(direct product)やカルテシアン積(Cartesian product)などと呼びます。つまり、\begin{equation*}
\left( x,y\right) \in X\times Y\ \Leftrightarrow \ x\in X\ \wedge \ y\in Y
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

集合\(X,Y\)からは以下の 2 つの直積集合\begin{eqnarray*}
&&\left( a\right) \ X\times Y=\{(x,y)\ |\ x\in X\ \wedge \ y\in Y\} \\
&&\left( b\right) \ Y\times X=\{(y,x)\ |\ y\in Y\ \wedge \ x\in Y\}
\end{eqnarray*}を構成できます。\(X\not=Y\)の場合には\(\left( a\right) ,\left( b\right) \)のうちの一方だけにしか属さない順序対が存在することが容易に示されるため、直積集合の定義より、\(\left( a\right) \)と\(\left( b\right) \)は異なる集合です。他方で、\(X=Y\)の場合には\(X\times Y=Y\times X=X\times X\)となるため、この集合を\(X^{2}\)で表します。

例(直積集合)
2 つの集合\(X=\{a,b,c\},\ Y=\{1,2\}\)に対して、\begin{eqnarray*}
X\times Y &=&\{\left( a,1\right) ,\left( a,2\right) ,\left( b,1\right) ,\left( b,2\right) ,\left( c,1\right) ,\left( c,2\right) \} \\
Y\times X &=&\{\left( 1,a\right) ,\left( 1,b\right) ,\left( 1,c\right) ,\left( 2,a\right) ,\left( 2,b\right) ,\left( 2,c\right) \}
\end{eqnarray*}となります。
例(直積集合)
集合\(X=\{a,b,c\}\)に対して、\begin{equation*}
X^{2}=\{\left( a,a\right) ,\left( a,b\right) ,\left( a,c\right) ,\left( b,a\right) ,\left( b,b\right) ,\left( b,c\right) ,\left( c,a\right) ,\left( c,b\right) ,\left( c,c\right) \}
\end{equation*}となります。

集合\(X,Y\)の少なくとも一方が空集合\(\phi \)の場合には、任意の順序対\(\left( x,y\right) \)に対して、\(x\in X\)と\(y\in Y\)の少なくとも一方が偽であるため、直積の定義より\(X\times Y=\phi \)が成り立ちます。つまり、任意の集合\(X,Y\)について、\begin{equation*}
X\times \phi =\phi \times Y=\phi \times \phi =\phi
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

次回は有限集合族の直積集合について学びます。
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