教材一覧
教材一覧
教材検索
SET

補集合法則

目次

Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有

補集合との共通部分や和集合

集合\(A\)を任意に選んだとき、全体集合の要素\(x\in U\)を任意に選ぶと、\begin{eqnarray*}x\in A\cap A^{c} &\Leftrightarrow &x\in A\wedge x\in A^{c}\quad \because
\text{共通部分の定義} \\
&\Leftrightarrow &x\in A\wedge \lnot \left( x\in A\right) \quad \because
\text{補集合の定義} \\
&\Leftrightarrow &\bot \quad \because \text{矛盾律(}\bot \text{は恒偽式)} \\
&\Leftrightarrow &x\in \phi \quad \because \text{空集合の定義}
\end{eqnarray*}となるため、\begin{equation*}
\left( a\right) \ A\cap A^{c}=\phi
\end{equation*}という関係が成り立ちます。集合とその補集合の共通部分は空集合と一致するということです。上の命題において\(\cap \)と\(\cup \)を入れ替え、\(\phi \)を\(U\)に入れ替えると、\begin{equation*}\left( b\right) \ A\cup A^{c}=U
\end{equation*}を得ますが、これもまた成り立ちます。集合とその補集合の和集合は全体集合と一致するということです。以上を補集合法則(complement law)と呼びます。

命題(補集合法則)
空集合\(\phi \)と全体集合\(U\)および任意の集合\(A\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( a\right) \ A\cap A^{c} &=&\phi \\
\left( b\right) \ A\cup A^{c} &=&U
\end{eqnarray*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(補集合法則)
任意の集合\(A,B\)について、\begin{eqnarray*}\left( A\cap B\right) \cap \left( A^{c}\cup B^{c}\right) &=&\left( A\cap
B\right) \cap \left( A\cap B\right) ^{c}\quad \because \text{ド・モルガンの法則} \\
&=&\phi \quad \because \text{補集合法則}
\end{eqnarray*}となるため、\begin{equation*}
\left( A\cap B\right) \cap \left( A^{c}\cup B^{c}\right) =\phi
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

例(補集合法則)
任意の集合\(A,B\)について、\begin{eqnarray*}\left( A\cup B\right) \cup \left( A^{c}\cap B^{c}\right) &=&\left( A\cup
B\right) \cup \left( A\cup B\right) ^{c}\quad \because \text{ド・モルガンの法則} \\
&=&U\quad \because \text{補集合法則}
\end{eqnarray*}となるため、\begin{equation*}
\left( A\cup B\right) \cup \left( A^{c}\cap B^{c}\right) =U
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

 

空集合と全体集合の関係

全体集合の任意の要素\(x\in U\)について、\begin{eqnarray*}x\in \phi ^{c} &\Leftrightarrow &\lnot \left( x\in \phi \right) \quad
\because \text{補集合の定義} \\
&\Leftrightarrow &\lnot \bot \quad \because \text{空集合の定義(}\bot \text{は恒偽式)} \\
&\Leftrightarrow &\top \quad \because \top \text{は恒真式} \\
&\Leftrightarrow &x\in U\quad \because \text{全体集合の定義}
\end{eqnarray*}となるため、\begin{equation*}
\left( a\right) \ \phi ^{c}=U
\end{equation*}という関係が成り立ちます。空集合の補集合は全体集合と一致するということです。上の命題において\(\phi \)と\(U\)を入れ替えると、\begin{equation*}\left( b\right) \ U^{c}=\phi
\end{equation*}を得ますが、これもまた成り立ちます全体集合の補集合は空集合と一致するということです。以上も補集合法則と呼びます。

命題(補集合法則)
空集合\(\phi \)と全体集合\(U\)に対して、\begin{eqnarray*}\left( a\right) \ \phi ^{c} &=&U \\
\left( b\right) \ U^{c} &=&\phi
\end{eqnarray*}が成り立つ。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

例(補集合法則)
任意の集合\(A\)について、\begin{equation*}\left( A\cap A^{c}\right) ^{c}=U
\end{equation*}が成り立つことを示します。1つ目の証明方法は、\begin{eqnarray*}
\left( A\cap A^{c}\right) ^{c} &=&\phi ^{c}\quad \because \text{補集合法則} \\
&=&U\quad \because \text{補集合法則}
\end{eqnarray*}というものです。もう1つの証明方法は、\begin{eqnarray*}
\left( A\cap A^{c}\right) ^{c} &=&A^{c}\cup \left( A^{c}\right) ^{c}\quad
\because \text{ド・モルガンの法則} \\
&=&A^{c}\cup A\quad \because \text{反射律} \\
&=&A\cup A^{c}\quad \because \text{交換律} \\
&=&U\quad \because \text{補集合法則}
\end{eqnarray*}というものです。

次回は恒等法則と呼ばれる集合演算の性質について学びます。

Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有
DISCUSSION

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

余事象
余事象

事象 A の補集合として定義される事象を A の余事象と呼びます。これは「事象 A が起こらない」という現象に相当する事象です。

否定
述語論理における否定

論理式 A に論理演算子 ¬ を作用させることで得られる ¬A もまた論理式です。¬は否定と呼ばれる論理演算子であり、論理式 ¬A を A の否定と呼びます。

差集合
補集合

集合 A に属さない要素からなる集合を A の補集合と呼びます。集合 A が命題関数 P(x) から内包的に定義されるとき、A の補集合とは、命題 P(x) が偽になるような要素 x からなる集合です。

二重否定
二重補集合の法則

集合の補集合は集合であるため、さらにその補集合をとることができます。そして、この集合はもとの集合と等しいことが保証されます。補集合が満たすこのような性質を二重補集合の法則と呼びます。