要素を 1 つも含まない集合を空集合と呼びます。

2019年1月12日:内包的表記に関する記述を追加
2019年1月10日:公開

空集合

要素を 1 つも含まない集合を空集合(empty set)と呼び、これを\(\phi \)で表します。

空集合を外延的表記で表すと\(\{\ \}\)になります。\(\{\phi \}\)ではありません。なぜなら、\(\left\{ \phi \right\} \)は空集合\(\phi \)という集合を要素として持つ集合であり、空集合ではないからです。

空集合\(\phi \)は要素を 1 つも含まない集合ですから、全体集合\(U\)の任意の要素\(x\)について\(x\in \phi \)は偽です。つまり、\begin{equation*}
\forall x\in U:x\not\in \phi
\end{equation*}は真な命題です。

例(空集合)
奇数であると同時に偶数でもあるような整数からなる集合は空集合です。なぜなら、それぞれの整数は奇数か偶数のどちらか一方だからです。
例(空集合)
すべての月は 31 日以下です。したがって、32 日ある月からなる集合は空集合です。
例(空集合)
すべての実数からなる集合\(\mathbb{R}\)が全体集合である場合には、無理数からなる集合\(X\)は\(\sqrt{2},\pi ,e\)などを要素として持ちます。一方、すべての整数からなる集合\(\mathbb{Z}\)が全体集合である場合には、無理数からなる集合\(X\)は空集合です。なぜなら、整数かつ無理数であるような数は存在しないからです。

 

空集合の内包的表記

空集合\(\phi \)は要素を 1 つも含まない集合であることから、空集合を定義する命題関数\(P\left( x\right) \)は任意の要素\(x\in U\)について偽です。つまり、空集合は恒偽式\(\bot \)を用いて、\begin{equation*}
\phi =\{x\in U\ |\ \bot \}
\end{equation*}と外延的に表記できます。

恒偽式について復習する

具体例を挙げると、\(x\not=x\)と定義される命題関数\(P\left( x\right) \)は恒偽式ですので、これを用いて空集合を、\begin{equation*}
\phi =\{x\in U\ |\ x\not=x\}
\end{equation*}と表現できます。

次回は部分集合について学びます。

次へ進む 演習問題(プレミアム会員限定)