一般の集合族の直積

集合族を構成するそれぞれの集合の要素からなる添字集合によって添字付けられた成文の族をすべて集めてできる集合を集合族の直積と呼びます。

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要素の族

無限個であると同時に\(1,2,3,\cdots \)と数えることができない成分の集まりをどのように定式化すればよいでしょうか。例えば、実数の区間\([0,1]\)に属するそれぞれの実数\(n\in \left[ 0,1\right] \)に対して成分\(x_{n}\)を 1 つずつ割り当てる状況を想定しましょう。後に、集合の濃度という概念について学ぶ際に詳しく解説しますが、区間\([0,1]\)に属するすべての実数を\(1,2,3,\cdots \)と数え上げることはできないため、問題としているすべての成分に対して\(1,2,3,\cdots \)と番号を振ることもできません。

このような状況において成分の集まりを定めることは、ある集合\(\Lambda \)のそれぞれの要素\(\lambda \in \Lambda \)に対して成分\(x_{\lambda }\)を 1 つずつ割り当てることを意味します。こうして特定された成分の集まりを、\begin{equation*}
(x_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda }
\end{equation*}で表し、これを\(\Lambda \)によって添字付けられた成分の族(family of elements by \(\Lambda \))と呼びます。また、\(\Lambda \)を添字集合(index set)と呼び、\(\Lambda \)のそれぞれの要素\(\lambda \in \Lambda\)を添字(index)と呼びます。さらに、添字\(\lambda \)に対して割り当てられた成分\(x_{\lambda }\)を\(\lambda \)の(image)と呼びます。

成分の族に関する固有性は、任意の成分の族\((x_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda },(x_{\lambda }^{\prime })_{\lambda \in \Lambda }\)に対して、\begin{equation*}
(x_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda }=(x_{\lambda }^{\prime })_{\lambda \in \Lambda }\ \Leftrightarrow \ \forall \lambda \in \Lambda :x_{\lambda }=x_{\lambda }^{\prime }
\end{equation*}が成り立つ、というものです。つまり、2 つの成分の族が等しいこととは、任意の添字\(\lambda \)に対して、それらの像どうしがそれぞれ等しいことを意味します。

 

一般の集合族の直積

添字集合\(\Lambda \)によって添字付けられた集合族\(\{X_{\lambda }\}_{\lambda \in \Lambda }\)が与えられたとき、それぞれの集合\(X_{\lambda }\)から要素\(x_{\lambda }\in X_{\lambda }\)を適当に選んだ上で要素の族\(\left( x_{\lambda }\right) _{\lambda \in \Lambda }\)を構成します。このようなすべての要素の族からなる集合を、\begin{equation*}
\prod_{\lambda \in \Lambda }X_{\lambda }=\{(x_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda }\ |\ \forall \lambda \in \Lambda :x_{\lambda }\in X_{\lambda }\}
\end{equation*}で表し、これを\(\{X_{\lambda }\}_{\lambda \in \Lambda }\)の直積集合(direct product)やカルテシアン積(Cartesian product)などと呼びます。つまり、\begin{equation*}
(x_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda }\in \prod_{\lambda \in \Lambda }X_{\lambda }\ \Leftrightarrow \ \forall \lambda \in \Lambda :x_{\lambda }\in X_{\lambda }
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

集合族\(\{X_{\lambda }\}_{\lambda \in \Lambda }\)に含まれる少なくとも 1 つの集合\(X_{\lambda }\)が空集合\(\phi \)の場合には\(x_{\lambda }\in X_{\lambda }\)が偽であるため、直積の定義より\(\prod_{\lambda \in \Lambda }X_{\lambda }=\phi \)が成り立ちます。

次回は選択公理について学びます。
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