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関数列

関数列の定義

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各点収束する関数列

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関数列

実数空間\(\mathbb{R} \)もしくはその部分集合\(X\)を定義域とし、値として実数をとる1変数関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}を議論の対象とします。定義域\(X\)を共有する無限個の関数を順番に並べたもの\begin{equation*}f_{1},f_{2},\cdots ,f_{n},\cdots
\end{equation*}を関数列(sequence of functions)と呼びます。

例(関数列)
自然数\(n\in \mathbb{N} \)を任意に選んだ上で、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =nx
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。それぞれの自然数\(n\)には関数\(f_{n}\)が1つずつ対応するため、\begin{equation*}f_{1},f_{2},\cdots ,f_{n},\cdots
\end{equation*}は関数列であり、これらの関数がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値は、\begin{eqnarray*}f_{1}\left( x\right) &=&x \\
f_{2}\left( x\right) &=&2x \\
&&\vdots \\
f_{n}\left( x\right) &=&nx \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}です。

関数列をフォーマルな形で表現します。繰り返しになりますが、関数列とは定義域を共有する無限個の関数を順番に並べたものです。定義域を\(X\subset \mathbb{R} \)とする関数からなる集合を、\begin{equation*}\mathbb{R} ^{X}\end{equation*}で表記します。定義域\(X\)上に定義された関数からなる関数列を総体的に表現するためには関数列を構成する1番目の関数\(f_{1}\)、2番目の関数\(f_{2}\)、3番目の関数\(f_{3}\)、\(\cdots \)などをすべて特定する必要があります。ただ、関数列は無限個の関数の並びであるため、このような作業を実際に無限回行うことは不可能です。とは言え、このような作業を「それぞれの自然数\(n\in \mathbb{N} \)に対して関数\(f_{n}\in \mathbb{R} ^{X}\)を1つずつ定めること」として一般化できるため、関数列を表現することとは、\(\mathbb{N} \)から\(\mathbb{R} ^{X}\)への写像を与えることと実質的に同じです。そのようなこともあり、関数列を写像\begin{equation*}f:\mathbb{N} \rightarrow \mathbb{R} ^{X}
\end{equation*}として定義することもできます。この写像\(f\)がそれぞれの自然数\(n\)に対して定める像\(f\left( n\right) \)は関数列を構成する\(n\)番目の関数です。

通常、写像\(f:A\rightarrow B\)が定義域の値\(a\in A\)に対して定める像を\(f\left( a\right) \in B\)と表記しますが、関数列に相当する写像\(f:\mathbb{N} \rightarrow \mathbb{R} ^{X}\)が自然数\(n\in \mathbb{N} \)に対して定める関数\(f\left( n\right) \in \mathbb{R} ^{X}\)に関しては、これを、\begin{equation*}f_{n}
\end{equation*}と表記し、関数列の(term)と呼びます。関数列そのものを\(\left\{ f_{n}\right\} _{n=1}^{\infty }\)や\(\left\{ f_{n}\right\} _{n\in \mathbb{N} }\)、もしくはよりシンプルに\(\left\{ f_{n}\right\} \)と表現することもできます。

自然数を\(1\)から始まる整数と定義するのであれば、関数列を構成する前から\(n\)番目の項は\(f_{n}\)であり、これを関数列の\(n\)(\(n\)-th term)と呼びます。特に、関数列の最初の項\(f_{1}\)を初項(first term)と呼びます。

関数列の第\(n\)項\(f_{n}\)が具体的な形で与えられているならば、\(f_{n}\)中の\(n\)に具体的な自然数を代入することによりすべての項を具体的な形で特定できます。つまり、\(f_{n}\)は関数列のすべての項を一般的に表現したものであるため、これを関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項(general term)と呼ぶこともあります。関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項\(f_{n}\)の形が分かっている場合には、その関数列を「一般項が\(f_{n}\)の関数列」と呼ぶこともできます。

例(関数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =nx
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の項である関数\(f_{1},f_{2},f_{3},\cdots \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値は、\begin{eqnarray*}f_{1}\left( x\right) &=&x \\
f_{2}\left( x\right) &=&2x \\
f_{3}\left( x\right) &=&3x \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}などとなります。

例(関数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =\frac{n}{x}
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の項である関数\(f_{1},f_{2},f_{3},\cdots \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値は、\begin{eqnarray*}f_{1}\left( x\right) &=&\frac{1}{x} \\
f_{2}\left( x\right) &=&\frac{2}{x} \\
f_{3}\left( x\right) &=&\frac{3}{x} \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}などとなります。

 

関数列から定義される数列

関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}f_{n}:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の項であるすべての関数\begin{equation*}f_{1},f_{2},f_{3},\cdots
\end{equation*}は定義域\(X\)を共有するため、定義域上の点\(x\in X\)を選んで固定すると、これらの関数\(f_{1},f_{2},f_{3},\cdots \)が先の点\(x\)に対して定める値を項とする数列\begin{equation*}f_{1}\left( x\right) ,f_{2}\left( x\right) ,f_{3}\left( x\right) ,\cdots
\end{equation*}を得ることができます。つまり、関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)と点\(x\in X\)が与えられれば、\begin{equation*}x_{n}=f_{n}\left( x\right)
\end{equation*}を一般項として持つ数列\begin{equation*}
\left\{ x_{n}\right\} =\left\{ f_{n}\left( x\right) \right\}
\end{equation*}が定義可能です。

例(関数列から定義される数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =nx
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。点\(1\in \mathbb{R} \)に注目すると、これと先の関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)からは、一般項が、\begin{equation*}x_{n}=f_{n}\left( 1\right) =n
\end{equation*}であるような数列\begin{equation*}
\left\{ x_{n}\right\} =\left\{ f_{n}\left( 1\right) \right\} =\left\{
n\right\}
\end{equation*}が得られます。また、点\(-2\in \mathbb{R} \)に注目すると、これと先の関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)からは、一般項が、\begin{equation*}y_{n}=f_{n}\left( -2\right) =-2n
\end{equation*}であるような数列\begin{equation*}
\left\{ y_{n}\right\} =\left\{ f_{n}\left( -2\right) \right\} =\left\{
-2n\right\}
\end{equation*}が得られます。

例(関数列から定義される数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =\frac{n}{x}
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。点\(1\in \mathbb{R} \)に注目すると、これと先の関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)からは、一般項が、\begin{equation*}x_{n}=f_{n}\left( 1\right) =n
\end{equation*}であるような数列\begin{equation*}
\left\{ x_{n}\right\} =\left\{ f_{n}\left( 1\right) \right\} =\left\{
n\right\}
\end{equation*}が得られます。また、点\(-2\in \mathbb{R} \)に注目すると、これと先の関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)からは、一般項が\begin{equation*}y_{n}=f_{n}\left( -2\right) =-\frac{n}{2}
\end{equation*}であるような数列\begin{equation*}
\left\{ y_{n}\right\} =\left\{ f_{n}\left( -2\right) \right\} =\left\{ -\frac{n}{2}\right\}
\end{equation*}が得られます。

 

演習問題

問題(関数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \left(0,1\right) \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =\frac{n}{nx+1}
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \supset \left( 0,1\right) \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の最初の3項\(f_{1},f_{2},f_{3}\)を具体的に特定してください。
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問題(関数列)
関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項は、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f_{n}\left( x\right) =\frac{x\sin \left( n\right) }{n}
\end{equation*}を定める関数\(f_{n}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の最初の3項\(f_{1},f_{2},f_{3}\)を具体的に特定してください。
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問題(関数列)
定義域が\(\left[ 0,1\right] \subset \mathbb{R} \)であるような関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の項\(f_{1},f_{2},f_{3},\cdots \)がそれぞれの\(x\in \left[ 0,1\right] \)に対して定める値が、\begin{eqnarray*}f_{1}\left( x\right) &=&x \\
f_{2}\left( x\right) &=&x^{2} \\
f_{3}\left( x\right) &=&x^{3} \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}であるものとします。この関数列\(\left\{ f_{n}\right\} \)の一般項\(f_{n}\)を特定してください。
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関連知識

各点収束する関数列

関数列が各点収束することの意味を定義するとともに、その場合の関数列の極限、すなわち極限関数を具体的に特定する方法を解説します。