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エピグラフやハイポグラフを用いた凸関数・凹関数の判定

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エピグラフを用いた凸関数の判定

スカラー場\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下のような\(\mathbb{R} ^{n+1}\)の部分集合\begin{equation*}G\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y=f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}として定義されるため、空間\(\mathbb{R} ^{n+1}\)は超曲面である\(G\left(f\right) \)を境に、その上部の領域と下部の領域に分割可能です。特に、\(G\left( f\right) \)を含めてそれよりも上部の領域であるような\(\mathbb{R} ^{n+1}\)の部分集合を、\begin{equation*}\mathrm{epi}\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y\geq f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)のエピグラフ(epigraph)と呼びます。定義より、\begin{equation*}G\left( f\right) \subset \mathrm{epi}\left( f\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

例(エピグラフ)
1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフ\(G\left( f\right) \)が下図において曲線として描かれています。\(f\)のエピグラフ\(\mathrm{epi}\left( f\right) \)は\(f\)のグラフである曲線と、それより上方の領域を併せたグレーの領域に相当します。

図:エピグラフ
図:エピグラフ

上の例中の関数\(f\)は下に凸なグラフを持つため、これは凸関数です。さらに、\(f\)が下に凸なグラフを持つことは、グラフの上部の領域に相当する\(f\)のエピグラフが凸集合であることと必要十分であることが図から読み取れます。実際、これは正しい主張です。

命題(エピグラフを用いた凸関数の判定)
スカラー場\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のエピグラフ\(\mathrm{epi}\left(f\right) \)が凸集合であることは、\(f\)が凸関数であるための必要十分である。
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拡大実数値関数が凸関数であることの判定

復習になりますが、正の無限大\(+\infty \)を値としてとる拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ +\infty \right\} \)が凸関数であることは、\begin{equation*}\forall x_{1},x_{2}\in X,\ \forall \lambda \in \left( 0,1\right) :\lambda
f\left( x_{1}\right) +\left( 1-\lambda \right) f\left( x_{2}\right) \geq
f\left( \lambda x_{1}+\left( 1-\lambda \right) x_{2}\right)
\end{equation*}が成り立つことを意味します。さらに、\(f\)の有効領域は、\begin{equation*}\mathrm{dom}\left( f\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ f\left( x\right) <+\infty \right\}
\end{equation*}と定義されます。\(f\)が凸関数である場合には\(\mathrm{dom}\left( f\right) \)は凸集合になります。以上を踏まえたとき、\begin{equation*}\forall x_{1},x_{2}\in \mathrm{dom}\left( f\right) ,\ \forall \lambda \in
\left( 0,1\right) :\lambda f\left( x_{1}\right) +\left( 1-\lambda \right)
f\left( x_{2}\right) \geq f\left( \lambda x_{1}+\left( 1-\lambda \right)
x_{2}\right)
\end{equation*}が成り立つことは\(f\)が凸関数であるための必要十分です。

拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ +\infty \right\} \)のエピグラフを、\begin{equation*}\mathrm{epi}\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y\geq f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}と定義するとき、エピグラフが凸集合であることと\(f\)が凸関数であることは必要十分になります。

命題(拡大実数値関数が凸関数であることの判定)
拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ +\infty \right\} \)のエピグラフ\(\mathrm{epi}\left( f\right) \)が凸集合であることは、\(f\)が凸関数であるための必要十分である。
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ハイポグラフを用いた凹関数の判定

スカラー場\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフは以下のような\(\mathbb{R} ^{n+1}\)の部分集合\begin{equation*}G\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y=f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}として定義されるため、空間\(\mathbb{R} ^{n+1}\)は超曲面である\(G\left(f\right) \)を境に、その上部の領域と下部の領域に分割可能です。特に、\(G\left( f\right) \)を含めてそれよりも下部の領域であるような\(\mathbb{R} ^{n+1}\)の部分集合を、\begin{equation*}\mathrm{hyp}\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y\leq f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(f\)のハイポグラフ(hypograph)と呼びます。定義より、\begin{equation*}G\left( f\right) \subset \mathrm{hyp}\left( f\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。

例(ハイポグラフ)
1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のグラフ\(G\left( f\right) \)が下図において曲線として描かれています。\(f\)のハイポグラフ\(\mathrm{hyp}\left(f\right) \)は\(f\)のグラフである曲線と、それより下方の領域を併せたグレーの領域に相当します。

図:ハイポグラフ
図:ハイポグラフ

上の例中の関数\(f\)は上に凸なグラフを持つため、これは凹関数です。さらに、\(f\)が上に凸なグラフを持つことは、グラフの下部の領域に相当する\(f\)のハイポグラフが凸集合であることと必要十分であることが図から読み取れます。実際、これは正しい主張です。

命題(ハイポグラフを用いた凹関数の判定)
スカラー場\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)のハイポグラフ\(\mathrm{hyp}\left( f\right) \)が凸集合であることは、\(f\)が凹関数であるための必要十分である。
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拡大実数値関数が凹関数であることの判定

復習になりますが、負の無限大\(-\infty \)を値としてとる拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ -\infty \right\} \)が凹関数であることは、\begin{equation*}\forall x_{1},x_{2}\in X,\ \forall \lambda \in \left( 0,1\right) :\lambda
f\left( x_{1}\right) +\left( 1-\lambda \right) f\left( x_{2}\right) \leq
f\left( \lambda x_{1}+\left( 1-\lambda \right) x_{2}\right)
\end{equation*}が成り立つことを意味します。さらに、\(f\)の有効領域は、\begin{equation*}\mathrm{dom}\left( f\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ -\infty <f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}と定義されます。\(f\)が凹関数である場合には\(\mathrm{dom}\left( f\right) \)は凸集合になります。以上を踏まえたとき、\begin{equation*}\forall x_{1},x_{2}\in \mathrm{dom}\left( f\right) ,\ \forall \lambda \in
\left( 0,1\right) :\lambda f\left( x_{1}\right) +\left( 1-\lambda \right)
f\left( x_{2}\right) \leq f\left( \lambda x_{1}+\left( 1-\lambda \right)
x_{2}\right)
\end{equation*}が成り立つことは\(f\)が凹関数であるための必要十分です。

拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ -\infty \right\} \)のハイポグラフを、\begin{equation*}\mathrm{hyp}\left( f\right) =\left\{ \left( x,y\right) \in X\times \mathbb{R} \ |\ y\leq f\left( x\right) \right\}
\end{equation*}と定義するとき、ハイポグラフが凸集合であることと\(f\)が凹関数であることは必要十分になります。

命題(拡大実数値関数が凹関数であることの判定)
拡大実数値関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \cup \left\{ -\infty \right\} \)のハイポグラフ\(\mathrm{hyp}\left( f\right) \)が凸集合であることは、\(f\)が凹関数であるための必要十分である。
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次回は微分を用いて関数が凸関数ないし凹関数であることを判定する方法を解説します。

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