凸関数の逆関数
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が狭義単調関数であるものとします。その終集合を値域に制限した関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow f\left( I\right) \)は全単射になるため、その逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \supset f\left( I\right) \rightarrow \mathbb{R} \)が存在します。加えて、\(f\)が定義域\(I\)上で連続である場合には値域\(f\left( I\right) \)もまた区間になるとともに、逆関数\(f^{-1}\)もまた定義域\(f\left( I\right) \)上で連続になります。特に、\(f\)が狭義単調増加である場合には\(f^{-1}\)もまた狭義単調増加であり、\(f\)が狭義単調減少である場合には\(f^{-1}\)もまた狭義単調減少になります。
加えて、この関数\(f\)が凸関数であるものとします。この場合、\(f\)が狭義単調増加であるならば逆関数\(f^{-1}\)は凹関数になり、\(f\)が狭義単調減少であるならば逆関数\(f^{-1}\)は凸関数になります。
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が連続な狭義単調関数であるものとする。このとき、逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \supset f\left( I\right) \rightarrow \mathbb{R} \)が存在し、これもまた区間上に定義された連続な狭義単調関数となる。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が狭義単調増加な凸関数ならば、\(f^{-1}\)は凹関数である。
- \(f\)が狭義単調増加な狭義凸関数ならば、\(f^{-1}\)は狭義凹関数である。
- \(f\)が狭義単調減少な凸関数ならば、\(f^{-1}\)は凸関数である。
- \(f\)が狭義単調減少な狭義凸関数ならば、\(f^{-1}\)は狭義凸関数である。
つまり、\(f\)が狭義単調増加である場合、\(f\)と\(f^{-1}\)の凹凸は逆転する一方、\(f\)が狭義単調減少である場合、\(f\)と\(f^{-1}\)の凹凸は一致するということです。
\end{equation*}を定めるものとします。1次関数\(2x+1\)は連続かつ狭義単調増加な凸関数であるため、先の命題より、その逆関数は凹関数です。実際、逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( x\right) =\frac{1}{2}x-\frac{1}{2}
\end{equation*}を定めますが、これは1次関数であるため凹関数です。
\end{equation*}を定めるものとします。自然指数関数\(e^{x}\)は連続かつ狭義単調減少な狭義凸関数であるため、先の命題より、その逆関数は狭義凹関数です。実際、逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} _{++}\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( x\right) =\ln \left( x\right)
\end{equation*}を定めますが、これは自然対数関数であるため狭義凹関数です。
凹関数の逆関数
凹関数に関しても同様の主張が成り立ちます。
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が連続な狭義単調関数であるものとする。このとき、逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \supset f\left( I\right) \rightarrow \mathbb{R} \)が存在し、これもまた区間上に定義された連続な狭義単調関数となる。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が狭義単調増加な凹関数ならば、\(f^{-1}\)は凸関数である。
- \(f\)が狭義単調増加な狭義凹関数ならば、\(f^{-1}\)は狭義凸関数である。
- \(f\)が狭義単調減少な凹関数ならば、\(f^{-1}\)は凹関数である。
- \(f\)が狭義単調減少な狭義凹関数ならば、\(f^{-1}\)は狭義凹関数である。
つまり、\(f\)が狭義単調増加である場合、\(f\)と\(f^{-1}\)の凹凸は逆転する一方、\(f\)が狭義単調減少である場合、\(f\)と\(f^{-1}\)の凹凸は一致するということです。
\end{equation*}を定めるものとします。1次関数\(2x+1\)は連続かつ狭義単調増加な凹関数であるため、先の命題より、その逆関数は凸関数です。実際、逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( x\right) =\frac{1}{2}x-\frac{1}{2}
\end{equation*}を定めますが、これは1次関数であるため凸関数です。
\end{equation*}を定めるものとします。自然対数関数\(\ln \left(x\right) \)は連続かつ狭義単調増加な狭義凹関数であるため、先の命題より、その逆関数は狭義凸関数です。実際、\(f\)の値域を\(\mathbb{R} _{++}\)に制限すれば全単射になるため逆関数\(f^{-1}:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が存在し、これはそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}f^{-1}\left( x\right) =e^{x}
\end{equation*}を定めます。これは自然指数関数であるため狭義凸関数です。
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