1変数の凸関数族の最大値・凹関数族の最小値
区間上に定義された2つの1変数関数\(f,g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、それぞれの\(x\in I\)に対して、\begin{equation*}h\left( x\right) =\max \left\{ f\left( x\right) ,g\left( x\right) \right\}
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。\(\left\{ f\left(x\right) ,g\left( x\right) \right\} \)は有限な\(\mathbb{R} \)の部分集合であるため、その最大値\(\max \left\{f\left( x\right) ,g\left( x\right) \right\} \)が1つの有限な実数として定まることが保証されます。したがって上のような関数\(h\)は定義可能です。\(f,g\)がともに凸関数である場合には\(h\)もまた凸関数になります。また、\(f,g\)がともに狭義凸関数である場合には\(h\)もまた狭義凸関数になります。
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f,g\)がともに凸関数であるならば、\(h\)もまた凸関数である。
- \(f,g\)がともに狭義凸関数であるならば、\(h\)もまた狭義凸関数である。
上の命題は\(2\)個の関数に関するものですが、\(3\)個以上の関数に関しても同様の主張が成り立ちます。つまり、\(m\)個の関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凸関数であるならば関数\(\max \left\{f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた凸関数であり、関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも狭義凸関数であるならば関数\(\max\left\{ f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた狭義凸関数になります(演習問題)。
凹関数に関しても同様の主張が成り立ちます。ただし、凹関数の場合には関数\(h\)として最小値関数を採用します。
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f,g\)がともに凹関数であるならば、\(h\)もまた凹関数である。
- \(f,g\)がともに狭義凹関数であるならば、\(h\)もまた狭義凹関数である。
上の命題は\(2\)個の関数に関するものですが、\(3\)個以上の関数に関しても同様の主張が成り立ちます。つまり、\(m\)個の関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凹関数であるならば関数\(\min \left\{f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた凹関数であり、関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも狭義凹関数であるならば関数\(\min\left\{ f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた狭義凹関数になります(演習問題)。
多変数の凸関数族の最大値・凹関数族の最小値
多変数関数に関しても同様の主張が成り立ちます。具体的には以下の通りです。
凸集合上に定義された2つの多変数関数\(f,g:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}h\left( x\right) =\max \left\{ f\left( x\right) ,g\left( x\right) \right\}
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(f,g\)がともに凸関数である場合には\(h\)もまた凸関数になります。また、\(f,g\)がともに狭義凸関数である場合には\(h\)もまた狭義凸関数になります。
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f,g\)がともに凸関数であるならば、\(h\)もまた凸関数である。
- \(f,g\)がともに狭義凸関数であるならば、\(h\)もまた狭義凸関数である。
上の命題は\(2\)個の関数に関するものですが、\(3\)個以上の関数に関しても同様の主張が成り立ちます。つまり、\(m\)個の関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凸関数であるならば関数\(\max \left\{f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた凸関数であり、関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも狭義凸関数であるならば関数\(\max\left\{ f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた狭義凸関数になります(演習問題)。
凹関数に関しても同様の主張が成り立ちます。ただし、凹関数の場合には関数\(h\)として最小値関数を採用します。
\end{equation*}を定める関数\(h:\mathbb{R} ^{n}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f,g\)がともに凹関数であるならば、\(h\)もまた凹関数である。
- \(f,g\)がともに狭義凹関数であるならば、\(h\)もまた狭義凹関数である。
上の命題は\(2\)個の関数に関するものですが、\(3\)個以上の関数に関しても同様の主張が成り立ちます。つまり、\(m\)個の関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凹関数であるならば関数\(\min \left\{f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた凹関数であり、関数\(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも狭義凹関数であるならば関数\(\min\left\{ f_{1},\cdots ,f_{m}\right\} \)もまた狭義凹関数になります(演習問題)。
演習問題
x\right) \right\}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。ただし、\(m\geq 2\)です。このとき以下が成り立つことを示してください。
- \(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凸関数であるならば、\(f\)もまた凸関数である。
- \(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がともに狭義凸関数であるならば、\(f\)もまた狭義凸関数である。
x\right) \right\}
\end{equation*}を定める関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義します。ただし、\(m\geq 2\)です。このとき以下が成り立つことを示してください。
- \(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がいずれも凹関数であるならば、\(f\)もまた凹関数である。
- \(f_{1},\cdots ,f_{m}\)がともに狭義凹関数であるならば、\(f\)もまた狭義凹関数である。
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