1変数の凸関数・凹関数の定数倍
区間上に定義された1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と実数\(c\in \mathbb{R} \)が与えられたとき、それぞれの\(x\in I\)に対して、\begin{equation*}\left( c\cdot f\right) \left( x\right) =c\cdot f\left( x\right)
\end{equation*}を定める新たな1変数関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(f\)が凸関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば\(c\cdot f\)もまた凸関数です。また、\(f\)が狭義凸関数であるとともに\(c>0\)であるならば\(c\cdot f\)もまた狭義凸関数です。
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と実数\(c\in \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が凸関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた凸関数である。
- \(f\)が狭義凸関数であるとともに\(c>0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた狭義凸関数である。
狭義凸関数に関する主張は\(c=0\)の場合に成立しません。なぜなら、\(c=0\)の場合に\(c\cdot f\)は定数関数となり、定数関数は狭義凸関数ではないからです。ちなみに、\(c<0\)の場合には\(f\)と\(c\cdot f\)の凹凸が逆になります(演習問題)。
凹関数と狭義凹関数に関しても同様の主張が成り立ちます。
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と実数\(c\in \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が凹関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた凹関数である。
- \(f\)が狭義凹関数であるとともに\(c>0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた狭義凹関数である。
狭義凹関数に関する主張は\(c=0\)の場合に成立しません。なぜなら、\(c=0\)の場合に\(c\cdot f\)は定数関数となり、定数関数は狭義凹関数ではないからです。ちなみに、\(c<0\)の場合には\(f\)と\(c\cdot f\)の凹凸が逆になります。
\end{equation*}を定めるものとします。\(x+1\)は凸関数かつ凹関数であるため、その正の実数倍である\(f\)もまた凸関数かつ凹関数です。
\end{equation*}を定めるものとします。\(x^{2}\)は狭義凸関数であるため、その正の実数倍である\(f\)もまた狭義凸関数です。
多変数の凸関数・凹関数のスカラー倍
多変数の凸関数と凹関数についても同様の主張が成り立ちます。具体的には以下の通りです。
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)とスカラー\(c\in \mathbb{R} \)が与えられたとき、それぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}\left( c\cdot f\right) \left( x\right) =c\cdot f\left( x\right)
\end{equation*}を定める新たな多変数関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能です。\(f\)が凸関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば\(c\cdot f\)もまた凸関数です。また、\(f\)が狭義凸関数であるとともに\(c>0\)であるならば\(c\cdot f\)もまた狭義凸関数です。
凸集合上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)とスカラー\(c\in \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が凸関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた凸関数である。
- \(f\)が狭義凸関数であるとともに\(c>0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた狭義凸関数である。
狭義凸関数に関する主張は\(c=0\)の場合に成立しません。なぜなら、\(c=0\)の場合に\(c\cdot f\)は定数関数となり、定数関数は狭義凸関数ではないからです。ちなみに、\(c<0\)の場合には\(f\)と\(c\cdot f\)の凹凸が逆になります。
凹関数と狭義凹関数に関しても同様の主張が成り立ちます。
凸集合上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)とスカラー\(c\in \mathbb{R} \)がそれぞれ任意に与えられたとき、そこから関数\(c\cdot f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。このとき以下が成り立つ。
- \(f\)が凹関数であるとともに\(c\geq 0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた凹関数である。
- \(f\)が狭義凹関数であるとともに\(c>0\)であるならば、\(c\cdot f\)もまた狭義凹関数である。
狭義凹関数に関する主張は\(c=0\)の場合に成立しません。なぜなら、\(c=0\)の場合に\(c\cdot f\)は定数関数となり、定数関数は狭義凹関数ではないからです。ちなみに、\(c<0\)の場合には\(f\)と\(c\cdot f\)の凹凸が逆になります。
\end{equation*}を定めるものとします。\(x+y+1\)は凸関数かつ凹関数であるため、その正の実数倍である\(f\)もまた凸関数かつ凹関数です。
\end{equation*}を定めるものとします。\(x^{2}+y^{2}\)は狭義凸関数であるため、その正の実数倍である\(f\)もまた狭義凸関数です。
演習問題
- \(f\)が凸関数であるとともに\(c\leq 0\)であるならば、\(c\cdot f\)は凹関数である。
- \(f\)が狭義凸関数であるとともに\(c<0\)であるならば、\(c\cdot f\)は狭義凹関数である。
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