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凸関数・凹関数

凸関数・凹関数の合成関数

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凸関数・凹関数の和

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1変数の凸関数・凹関数の合成関数

区間上に定義された1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)の値域と、同じく区間上に定義された1変数関数\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の定義域の間に、\begin{equation*}f\left( I\right) \subset J
\end{equation*}という関係が成り立つ場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in I\)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( f\left( x\right) \right)
\end{equation*}を定めます。\(f\)が凸関数であるとともに\(g\)が単調増加(単調非減少)な凸関数であるならば\(g\circ f\)もまた凸関数になります。また、\(f\)が狭義凸関数であり、\(g\)が狭義単調増加な凸関数でもあるならば\(g\circ f\)もまた狭義凸関数になります。

命題(凸関数どうしの合成関数)
区間上に定義された関数である\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( I\right) \subset J\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凸関数であり\(g\)が単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凸関数である。
  2. \(f\)が狭義凸関数であり\(g\)が狭義単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた狭義凸関数である。
証明

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例(凸関数どうしの合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x^{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)は狭義凸関数\(x^{2}\)と狭義単調増加な凸関数\(e^{x}\)の合成関数であるため、先の命題より\(f\)は狭義凸関数です。

上の命題において、関数\(g\)が単調増加であるという条件は重要です。つまり、凸関数どうしの合成関数は凸関数であるとは限らないということです。以下の例より明らかです。

例(凸関数どうしの合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =x^{2}
\end{equation*}を定め、関数\(g:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}g\left( x\right) =e^{-x}
\end{equation*}を定めるものとします。これらの合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{eqnarray*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) &=&g\left( f\left( x\right) \right)
\\
&=&e^{-x^{2}}
\end{eqnarray*}を定めます。\(f,g\)はともに狭義凸関数である一方で\(g\)は狭義単調減少であるため、先の命題が要求する条件を満たしません。実際、\(g\circ f\)は凸関数ではありません(演習問題)。

凹関数どうしの合成関数に関しても同様の主張が成り立ちます。

命題(凹関数どうし合成関数)
区間上に定義された関数である\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( I\right) \subset J\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凹関数であり\(g\)が単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凹関数である。
  2. \(f\)が狭義凹関数であり\(g\)が狭義単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)もまた狭義凹関数である。
証明

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例(凹関数どうしの合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\ln \left( 2x+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)は凹関数\(2x+1\)と狭義単調増加な凹関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であるため、先の命題より\(f\)は狭義凹関数です。

凸関数と凹関数の合成関数に関しては以下が成り立ちます。

命題(凸関数と凹関数の合成関数)
区間上に定義された関数である\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)と\(g:\mathbb{R} \supset J\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( I\right) \subset J\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凹関数であり\(g\)が単調減少の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凸関数である。
  2. \(f\)が狭義凹関数であり\(g\)が狭義単調減少の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた狭義凸関数である。
  3. \(f\)が凸関数であり\(g\)が単調減少の凹関数であるならば、\(g\circ f\)は凹関数である。
  4. \(f\)が狭義凸関数であり\(g\)が狭義単調減少の凹関数であるならば、\(g\circ f\)は狭義凹関数である。
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例(凸関数と凹関数の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left( 1,+\infty \right) \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left( 1,+\infty\right) \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{1}{\ln \left( x\right) }
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)は\(\ln \left(x\right) \)と\(\frac{1}{x}\)の合成関数です。\(\left( 1,+\infty \right) \)において\(\ln \left( x\right) \)は狭義凹関数であるとともに値域は\(\mathbb{R} _{++}\)です。\(\mathbb{R} _{++}\)において\(\frac{1}{x}\)は狭義単調減少の凸関数であるため、先の命題より\(f\)は狭義凸関数です。

 

多変数の凸関数・凹関数との合成関数

多変数関数と1変数関数の合成関数に関しても同様の議論が成り立ちます。具体的には以下の通りです。

凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)の値域と、区間上に定義された1変数関数\(g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)の定義域の間に、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset I
\end{equation*}という関係が成り立つ場合には多変数の合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( f\left( x\right) \right)
\end{equation*}を定めます。\(f\)が凸関数であるとともに\(g\)が単調増加(単調非減少)な凸関数であるならば\(g\circ f\)もまた凸関数になります。また、\(f\)が狭義凸関数であり、\(g\)が狭義単調増加な凸関数でもあるならば\(g\circ f\)もまた狭義凸関数になります。

命題(凸関数どうしの合成関数)
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と区間上に定義された1変数関数\(g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( X\right) \subset I\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凸関数であり\(g\)が単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凸関数である。
  2. \(f\)が狭義凸関数であり\(g\)が狭義単調増加の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた狭義凸関数である。
証明

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例(凸関数どうしの合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =e^{x^{2}+y^{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)は多変数の狭義凸関数\(x^{2}+y^{2}\)と狭義単調増加な1変数凸関数\(e^{x}\)の合成関数であるため、先の命題より\(f\)は狭義凸関数です。

凹関数どうしの合成関数に関しても同様の主張が成り立ちます。

命題(凹関数どうしの合成関数)
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と区間上に定義された1変数関数\(g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( X\right) \subset I\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凹関数であり\(g\)が単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凹関数である。
  2. \(f\)が狭義凹関数であり\(g\)が狭義単調増加の凹関数であるならば、\(g\circ f\)もまた狭義凹関数である。
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例(凹関数どうしの合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\supset \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \times \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \times \left( -\frac{1}{2},+\infty \right) \)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\ln \left( 2x+2y+1\right)
\end{equation*}を定めるものとします。この関数\(f\)は多変数の凹関数\(2x+2y+1\)と狭義単調増加な1変数の凹関数\(\ln \left( x\right) \)の合成関数であるため、先の命題より\(f\)は狭義凹関数です。

凸関数と凹関数の合成関数に関しても同様の主張が成り立ちます。

命題(凸関数と凹関数の合成関数)
凸集合上に定義された多変数関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)と区間上に定義された1変数関数\(g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)の間には\(f\left( X\right) \subset I\)が成り立つものとする。この場合、合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能である。このとき以下が成り立つ。

  1. \(f\)が凹関数であり\(g\)が単調減少の凸関数であるならば、\(g\circ f\)もまた凸関数である。
  2. \(f\)が狭義凹関数であり\(