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凸集合

平面としての超平面

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ユークリッド空間における平面

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)において平面を表現するためには、3つの異なる点を指定すれば十分です。なぜなら、3つの異なる点が与えられれば、それらを通る平面は1つに定まるからです。ただし、3つの点が同一直線上に並んでいる場合、それらを通る平面は無数に存在するため、平面を一意的に定めるためには、同一直線上には並んでいない3つの異なる点を指定する必要があります。そこで、問題としている平面上にある3つの異なる点\(P,Q,R\)をとります。ただし、これらの点は同一直線上には並んでいないものとします。つまり、2つのベクトル\(\overrightarrow{PQ}\)と\(\overrightarrow{PR}\)が平行ではないということです。空間\(\mathbb{R} ^{n}\)の原点を\(O\)とします。この平面上にある点\(X\)を任意に選んだとき、何らかのスカラー\(s,t\in \mathbb{R} \)のもとで、\begin{equation}\overrightarrow{OX}=\overrightarrow{OP}+s\overrightarrow{PQ}+t\overrightarrow{PR} \quad \cdots (1)
\end{equation}という関係が成立することに注意してください(下図)。

図:平面
図:平面

平面上の点\(P,Q,R\)を任意に選んだ上で固定します。これらの位置ベクトルを\(p,q,r\in \mathbb{R} ^{n}\)とします。つまり、ベクトル\(\overrightarrow{OP}\)の終点座標が\(p\)であり、ベクトル\(\overrightarrow{OQ}\)の終点座標が\(q\)であり、ベクトル\(\overrightarrow{OR}\)の終点座標が\(r\)であるということです。言い換えると、\begin{eqnarray}\overrightarrow{OP} &=&p \quad \cdots (2) \\
\overrightarrow{OQ} &=&q \quad \cdots (3) \\
\overrightarrow{OR} &=&r \quad \cdots (4)
\end{eqnarray}が成り立つということです。さらに、平面上にある点\(X\)を任意に選びます。点\(X\)の位置ベクトルを\(x\in \mathbb{R} ^{n}\)とします。つまり、ベクトル\(\overrightarrow{OX}\)の終点座標が\(x\)であり、\begin{equation}\overrightarrow{OX}=x \quad \cdots (5)
\end{equation}が成り立つということです。このとき、\begin{eqnarray*}
\overrightarrow{PQ} &=&\overrightarrow{OQ}-\overrightarrow{OP}=q-p\quad
\because \left( 2\right) ,\left( 3\right) \\
\overrightarrow{PR} &=&\overrightarrow{OR}-\overrightarrow{OP}=r-p\quad
\because \left( 2\right) ,\left( 4\right)
\end{eqnarray*}を得るため、これらと\(\left( 5\right) \)および\(\left( 1\right) \)を踏まえると、平面上の点\(P,Q,R\)の座標\(p,q,r\in \mathbb{R} ^{n}\)が与えられており、なおかつこれらの点が同一直線上に並んでいないとき、平面上にあるそれぞれの点\(X\)の座標\(x\in \mathbb{R} ^{n}\)は、何らかのスカラー\(s,t\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x=p+s\left( r-p\right) +t\left( q-p\right)
\end{equation*}と表すことができます。これを平面のベクトル方程式(vector equation of a plane)と呼びます。

例(平面のベクトル方程式)
3次元空間\(\mathbb{R} ^{3}\)においてある平面上にある点\(P,Q,R\)の位置ベクトルが、\begin{eqnarray*}p &=&\left( 1,-2,0\right) \\
q &=&\left( 3,1,4\right) \\
r &=&\left( 0,-1,2\right)
\end{eqnarray*}であるとき、この平面のベクトル方程式は、スカラー\(s,t\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x=p+s\left( r-p\right) +t\left( q-p\right)
\end{equation*}すなわち、\begin{eqnarray*}
\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) &=&\left( 1,-2,0\right) +s\left[ \left(
0,-1,2\right) -\left( 1,-2,0\right) \right] +t\left[ \left( 3,1,4\right)
-\left( 1,-2,0\right) \right] \\
&=&\left( 1,-2,0\right) +s\left( -1,1,2\right) +t\left( 2,3,4\right)
\end{eqnarray*}と表すことができます。

平面のベクトル方程式を別の形で表現することもできます。ベクトル\(\overrightarrow{PQ}\)は平面上にある2つの異なる点を結ぶベクトルであるため、2点\(P,Q\)を通る直線と平行な非ゼロベクトル\(v\in \mathbb{R} ^{n}\backslash \left\{ 0\right\} \)を任意に選んで固定したとき、何らかのスカラー\(s\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation}\overrightarrow{PQ}=sv \quad \cdots (6)
\end{equation}と表すことができます。同様に、ベクトル\(\overrightarrow{PR}\)は平面上にある2つの異なる点を結ぶベクトルであるため、2点\(P,R\)を通る直線と平行な非ゼロベクトル\(w\in \mathbb{R} ^{n}\backslash \left\{ 0\right\} \)を任意に選んで固定したとき、何らかのスカラー\(t\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation}\overrightarrow{PR}=tw \quad \cdots (7)
\end{equation}と表すことができます。3点\(P,Q,R\)は同一直線上に並んでいないため、2つのベクトル\(v,w\)の一方を他方のスカラー倍として表すことはできないこと、すなわち、\begin{equation*}v=aw
\end{equation*}を満たすスカラー\(a\in \mathbb{R} \)が存在しないことに注意してください。このような条件が満たされる場合、2つのベクトル\(v,w\)は線型独立(linearly independent)であると言います。\(\left( 1\right) \)および\(\left( 5\right) ,\left( 6\right) ,\left( 7\right) \)を踏まえると、平面上にある点\(P\)の座標\(p\in \mathbb{R} ^{n}\)と、平面上にある2つの線型独立な非ゼロベクトル\(v,w\in \mathbb{R} ^{n}\backslash \left\{ 0\right\} \)が与えられたとき、平面上にあるそれぞれの点\(X\)の座標\(x\in \mathbb{R} ^{n}\)は、何らかのスカラー\(s,t\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x=p+sv+tw
\end{equation*}という形で表すことができます。これもまた平面のベクトル方程式(vector equation of a plane)です。\(v,w\)を平面の方向ベクトル(direction vectors of a plane)と呼び、\(s,t\)を媒介変数(parameter)やパラメータ(parameter)などと呼びます。

以上を踏まえると、平面上にある点の座標\(p\in \mathbb{R} ^{n}\)と線型独立な方向ベクトル\(v,w\in \mathbb{R} ^{n}\backslash \left\{ 0\right\} \)が与えられたとき、平面上のすべての点の座標からなる集合は、\begin{equation*}P\left( p,v,w\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ \exists s\in \mathbb{R} ,\ \exists t\in \mathbb{R} :x=p+sv+tw\right\}
\end{equation*}と定まるため、これを平面(plane)と呼びます。

例(2次元空間における平面)
2次元空間\(\mathbb{R} ^{2}\)における平面は、平面上の点\begin{equation*}p=\left( p_{1},p_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}
\end{equation*}および線型独立な方向ベクトル\begin{eqnarray*}
v &=&\left( v_{1},v_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\backslash \left\{ \left( 0,0\right) \right\} \\
w &=&\left( w_{1},w_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\backslash \left\{ \left( 0,0\right) \right\}
\end{eqnarray*}を用いて、\begin{eqnarray*}
P\left( p,v,w\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} ^{2}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :x=p+sv+tw\right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2}\right) =\left( p_{1},p_{2}\right) +s\left(
v_{1},v_{2}\right) +t\left( w_{1},w_{2}\right) \right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2}\right) =\left(
p_{1}+sv_{1}+tw_{1},p_{2}+sv_{2}+tw_{2}\right) \right\}
\end{eqnarray*}と表されます。ただ、点\(p\)と方向ベクトル\(v,w\)に関わらず、\begin{equation*}P\left( p,v,w\right) =\mathbb{R} ^{2}
\end{equation*}となるため、\(\mathbb{R} ^{2}\)における任意の平面は\(\mathbb{R} ^{2}\)です(演習問題)。
例(3次元空間における平面)
3次元空間における平面は、平面上の点\begin{equation*}
p=\left( p_{1},p_{2},p_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}
\end{equation*}および線型独立な方向ベクトル\begin{eqnarray*}
v &=&\left( v_{1},v_{2},v_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\backslash \left\{ \left( 0,0,0\right) \right\} \\
w &=&\left( w_{1},w_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\backslash \left\{ \left( 0,0,0\right) \right\}
\end{eqnarray*}を用いて、\begin{eqnarray*}
P\left( p,v,w\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :x=p+sv+tw\right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) =\left( p_{1},p_{2},p_{3}\right) +s\left(
v_{1},v_{2},v_{3}\right) +t\left( w_{1},w_{2},w_{3}\right) \right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) =\left(
p_{1}+sv_{1}+tw_{1},p_{2}+sv_{2}+tw_{2},p_{3}+sv_{3}+tw_{3}\right) \right\}
\end{eqnarray*}と表されます。具体例を挙げると、平面上にある点\(P\)の座標\begin{equation*}p=\left( 1,2,3\right)
\end{equation*}と、線型独立な方向ベクトル\begin{eqnarray*}
v &=&\left( 4,5,6\right) \\
w &=&\left( 7,8,9\right)
\end{eqnarray*}が与えられたとき、この平面は、\begin{eqnarray*}
P\left( p,v,w\right) &=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) =\left( 1,2,3\right) +s\left( 4,5,6\right)
+t\left( 7,8,9\right) \right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) =\left( 1+4s+7t,2+5s+8t,3+6s+9t\right)
\right\}
\end{eqnarray*}となります。

例(3点を通過する平面の方程式)
先に解説したように、平面上にある異なる3つの座標\(p,q,r\in \mathbb{R} ^{n}\)が与えられており、なおかつこれらの点が同一直線上に並んでいない場合には、平面上にあるそれぞれの点\(X\)の座標\(x\in \mathbb{R} ^{n}\)は、何らかのスカラー\(s,t\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}x=p+s\left( r-p\right) +t\left( q-p\right)
\end{equation*}と表されます。これは点\(p\)を通過し、\(r-p\)と\(q-p\)が方向ベクトルであるような平面のベクトル方程式に他なりません。

 

3次元ユークリッド空間における平面と超平面の関係

繰り返しになりますが、3次元ユークリッド空間における平面は、点\(p=\left( p_{1},p_{2},p_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)と互いに平行ではないベクトル\(v=\left( v_{1},v_{2},v_{3}\right)\in \mathbb{R} ^{3}\backslash \left\{ \left( 0,0,0\right) \right\} \)および\(w=\left( w_{1},w_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\backslash \left\{ \left( 0,0,0\right) \right\} \)を用いて、\begin{eqnarray*}P\left( p,v,w\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :x=p+sv+tw\right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},w_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) =\left( p_{1},p_{2},p_{3}\right) +s\left(
v_{1},v_{2},v_{3}\right) +t\left( w_{1},w_{2},w_{3}\right) \right\}
\end{eqnarray*}と定義される\(\mathbb{R} ^{3}\)の部分集合です。一方、\(\mathbb{R} ^{3}\)における超平面は、法線ベクトル\(a=\left(a_{1},a_{2},a_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\backslash \left\{ \left( 0,0,0\right) \right\} \)とスカラー\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{eqnarray*}H\left( a,c\right) &=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ \left( a_{1},a_{2},a_{3}\right) \cdot \left(
x_{1},x_{2},x_{3}\right) =c\right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ a_{1}x_{1}+a_{2}x_{2}+a_{3}x_{3}=c\right\}
\end{eqnarray*}と表現される\(\mathbb{R} ^{3}\)の部分集合です。

\(\mathbb{R} ^{3}\)における平面は\(\mathbb{R} ^{3}\)における超平面でもあります。

命題(3次元ユークリッド空間における平面は超平面)
3次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{3}\)の平面\(P\left( p,v,w\right) \)を任意に選んだとき、これは\(\mathbb{R} ^{3}\)の超平面である。
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実は、上の命題の逆も成立します。つまり、\(\mathbb{R} ^{3}\)における超平面は\(\mathbb{R} ^{3}\)における平面でもあります。

命題(3次元ユークリッド空間における超平面は平面)
3次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{3}\)の超平面\(H\left( a,c\right) \)を任意に選んだとき、これは\(\mathbb{R} ^{3}\)の平面である。
証明

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以上の2つの命題より、3次元ユークリッド空間において超平面と平面は概念として一致することが明らかになりました。

命題(3次元ユークリッド空間における超平面と平面の関係)
3次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{3}\)の部分集合\(X\)が任意に与えられたとき、\(X\)が\(\mathbb{R} ^{3}\)における平面であることと、\(X\)が\(\mathbb{R} ^{3}\)における超平面であることは必要十分である。

一般に、ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上の平面\(P\left( p,v,w\right) \)を特定するためには、その平面上の点\(p\)と互いに平行ではない2つの非ゼロベクトル\(v,w\)を指定する必要があります。上の命題によると、3次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{3}\)を議論の対象とする場合には平面\(P\left( p,v,w\right) \)は超平面\(H\left( a,c\right) \)と一致するため、法線ベクトル\(a\)とスカラー\(c\)を指定することを通じて平面を特定することもできます。

 

演習問題

問題(平面は非空集合)
ユークリッド空間上の点\(p\in \mathbb{R} ^{n}\)と互いに平行ではない2つの非ゼロベクトル\(v,w\in \mathbb{R} ^{n}\backslash \left\{ 0\right\} \)をそれぞれどのように選んだ場合でも、平面\(P\left( p,v,w\right) \)は非空な\(\mathbb{R} ^{n}\)の部分集合であることを示してください。
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問題(2次元空間における平面)
2次元ユークリッド空間における平面は、点\(p=\left( p_{1},p_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)と互いに平行ではないベクトル\(v=\left( v_{1},v_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\backslash \left\{ \left( 0,0\right) \right\} \)および\(w=\left( w_{1},w_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\backslash \left\{ \left( 0,0\right) \right\} \)を用いて、\begin{eqnarray*}P\left( p,v,w\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} ^{2}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :x=p+sv+tw\right\} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ \exists s,t\in \mathbb{R} :\left( x_{1},x_{2}\right) =\left( p_{1},p_{2}\right) +s\left(
v_{1},v_{2}\right) +t\left( w_{1},w_{2}\right) \right\}
\end{eqnarray*}と表されますが、点\(p\)とベクトル\(v,w\)に関わらず、\begin{equation*}P\left( p,v,w\right) =\mathbb{R} ^{2}
\end{equation*}となることを示してください。

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