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凸集合

点としての超平面

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ユークリッド空間における点

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)において(point)を表現するためには、その点の位置を表す\(n\)個の実数を成分とするベクトル\begin{equation*}x=\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \in \mathbb{R} ^{n}
\end{equation*}を指定すれば十分です。

例(1次元の点)
1次元ユークリッド空間における点は、1つの実数\begin{equation*}
x\in \mathbb{R} \end{equation*}として表されます。

例(2次元の点)
2次元ユークリッド空間における点は、2つの実数を成分とするベクトル\begin{equation*}
x=\left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} ^{n}
\end{equation*}として表されます。

例(3次元の点)
3次元ユークリッド空間における点は、3つの実数を成分とするベクトル\begin{equation*}
x=\left( x_{1},x_{2},x_{3}\right) \in \mathbb{R} ^{3}
\end{equation*}として表されます。

 

1次元ユークリッド空間における点と超平面の関係

1次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)における点は、1つの実数\begin{equation*}x\in \mathbb{R} \end{equation*}として表されますが、便宜上、これを\(x\)だけを要素として持つ1点集合\begin{equation*}\left\{ x\right\} \subset \mathbb{R} \end{equation*}と同一視します。一方、\(\mathbb{R} \)における超平面は、ゼロとは異なる点\(a\in \mathbb{R} \backslash \left\{ 0\right\} \)とスカラー\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}H\left( a,c\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} \ |\ a\cdot x=c\right\}
\end{equation*}と表現される\(\mathbb{R} \)の部分集合です。

\(\mathbb{R} \)における点(1点集合)は\(\mathbb{R} \)における超平面でもあります。

命題(1次元ユークリッド空間における点超平面)
\(1\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)の点\(x\)を任意に選んだとき、それのみを要素として持つ集合\(\left\{x\right\} \)は\(\mathbb{R} \)の超平面である。
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実は、上の命題の逆も成立します。つまり、\(\mathbb{R} \)における超平面は\(\mathbb{R} \)の点(1点集合)でもあります。

命題(1次元ユークリッド空間における超平面は点)
\(1\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)の超平面\(H\left( a,c\right) \)を任意に選んだとき、これは\(\mathbb{R} \)の要素からなる1点集合である。
証明

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以上の2つの命題より、1次元ユークリッド空間において超平面と点(1点集合)は概念として一致することが明らかになりました。

命題(1次元ユークリッド空間における超平面と点の関係)
\(1\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)の部分集合\(X\)が任意に与えられたとき、\(X\)が\(\mathbb{R} \)の要素からなる1点集合であることと、\(X\)が\(\mathbb{R} \)における超平面であることは必要十分である。

一般に、ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上の点を特定するためには、その点の座標\(x\)を指定する必要があります。上の命題によると、1次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)を議論の対象とする場合には1点集合\(\left\{ x\right\} \)は超平面\(H\left( a,c\right) \)と一致するため、法線ベクトル\(a\)とスカラー\(c\)を指定することを通じて点を特定することもできます。

 

演習問題

問題(点と超平面の関係)
\(1\)次元ユークリッド空間\(\mathbb{R} \)の部分集合\(X\)が任意に与えられたとき、\(X\)が\(\mathbb{R} \)の要素からなる1点集合であることと、\(X\)が\(\mathbb{R} \)における超平面であることは必要十分であることが明らかになりました。以上の事実を踏まえたとき、超平面の法線ベクトルとしてゼロベクトルを認めるとどのような問題が生じるでしょうか。
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