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凸集合のスカラー倍

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集合のスカラー倍

ユークリッド空間の部分集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)とスカラー\(\lambda \in \mathbb{R} \)が与えられたとき、\(A\)のそれぞれの点\(x\in A\)をスカラー\(\lambda \)倍して得られる点からなる集合を、\begin{equation*}\lambda A=\left\{ \lambda x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\}
\end{equation*}と表記し、これを\(A\)のスカラー\(\lambda \)倍(scalar multiplication)と呼びます。

例(集合のスカラー倍)
集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)のスカラー\(1\)倍は、\begin{eqnarray*}1A &=&\left\{ 1x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\} \\
&=&\left\{ x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\} \\
&=&A
\end{eqnarray*}であり、スカラー\(0\)倍は、\begin{eqnarray*}0A &=&\left\{ 0x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\} \\
&=&\left\{ 0\right\}
\end{eqnarray*}であり、スカラー\(-1\)倍は、\begin{equation*}-A=\left\{ -x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\}
\end{equation*}となります。

例(集合のスカラー倍)
\(\mathbb{R} ^{2}\)の部分集合\begin{equation*}A=\left\{ \left( 0,0\right) ,\left( 1,1\right) ,\left( -1,-1\right) \right\}
\end{equation*}が与えられたとき、例えば、\begin{eqnarray*}
2A &=&\left\{ \left( 0,0\right) ,\left( 2,2\right) ,\left( -2,-2\right)
\right\} \\
\frac{1}{2}A &=&\left\{ \left( 0,0\right) ,\left( \frac{1}{2},\frac{1}{2}\right) ,\left( -\frac{1}{2},-\frac{1}{2}\right) \right\} \\
-A &=&\left\{ \left( 0,0\right) ,\left( -1,-1\right) ,\left( 1,1\right)
\right\}
\end{eqnarray*}などとなります。

例(集合のスカラー倍)
\(\mathbb{R} \)の部分集合である整数集合\begin{equation*}\mathbb{Z} =\left\{ \cdots ,-2,-1,0,1,2,\cdots \right\} \end{equation*}に対して、そのスカラー\(2\)倍である、\begin{equation*}2\mathbb{Z} =\left\{ \cdots ,-4,-2,0,2,4,\cdots \right\}
\end{equation*}はすべての偶数からなる集合です。

 

凸集合のスカラー倍

集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)が凸集合である場合、その任意のスカラー倍もまた凸集合であることが保証されます。

命題(凸集合のスカラー倍)
ユークリッド空間の部分集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)とスカラー\(\lambda \in \mathbb{R} \)をそれぞれ任意に選んだとき、\(A\)が凸集合ならば\(\lambda A\)もまた凸集合である。
証明

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例(凸集合のスカラー倍)
集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)が凸集合である場合、上の命題より、\begin{equation*}-A=\left\{ -x\in \mathbb{R} ^{n}\ |\ x\in A\right\}
\end{equation*}もまた凸集合です。

 

演習問題

問題(集合のスカラー乗法の互換性)
集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)が与えられたとき、\begin{equation*}\forall \lambda _{1},\lambda _{2}\in \mathbb{R} :\lambda _{1}\left( \lambda _{2}A\right) =\left( \lambda _{1}\lambda
_{2}\right) A
\end{equation*}が成り立つことを証明してください。

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問題(凸集合のスカラー倍)
集合\(A\subset \mathbb{R} ^{n}\)が凸集合であるとともに、\begin{equation*}-A=A
\end{equation*}という関係が成り立つ場合、\(A\)は対称的(symmetric)であると言います。\(A\)が対称的な非空集合である場合には、\begin{equation*}0\in A
\end{equation*}が成り立つことを示してください。ただし、\(0\in \mathbb{R} ^{n}\)です。
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次回は凸集合のミンコワスキー和について学びます。

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