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ベクトル空間

スカラー乗法の性質

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ゼロベクトルのスカラー倍

公理によってベクトル空間という概念を定義した以上、ベクトル空間に関する主張はすべてベクトル空間の公理系から導く必要があります。ここではスカラー乗法に関する基本的な性質をベクトル空間の公理系から導きます。

スカラー\(a\in K\)を任意に選んだとき、これとゼロベクトル\(0\in V\)の間には、\begin{equation*}a0=0
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、ゼロベクトルのスカラー倍はゼロベクトルになります。

命題(ゼロベクトルのスカラー倍)
体\(K\)上のベクトル空間\(V\)において、スカラー\(a\in K\)が任意に与えられたとき、これとゼロベクトル\(0\in V\)の間には、\begin{equation*}a0=0
\end{equation*}という関係が成り立つ。

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ベクトルのスカラーゼロ倍

ベクトル\(x\in V\)を任意に選んだとき、これと加法単位元\(0\in K\)の間には、\begin{equation*}0x=0
\end{equation*}という関係が成り立ちます。ただし、左辺の\(0\)は体\(K\)における加法単位元であり、右辺の\(0\)はゼロベクトルです。つまり、任意のベクトルのスカラー\(0\)倍はゼロベクトルになります。

命題(ベクトルのスカラーゼロ倍)
体\(K\)上のベクトル空間\(V\)において、ベクトル\(x\in V\)が任意に与えられたとき、これと加法単位元\(0\in K\)の間には、\begin{equation*}0x=0
\end{equation*}という関係が成り立つ。

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スカラー倍がゼロベクトルになるための必要条件

スカラー\(a\in K\)とベクトル\(x\in V\)をそれぞれ任意に選んだとき、\begin{equation*}ax=0\Rightarrow \left( a=0\vee x=0\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、ベクトルのスカラー倍がゼロベクトルと一致する場合、スカラーがゼロであるか、ベクトルがゼロベクトルであるか、その少なくとも一方が成り立ちます。対偶より、\begin{equation*}
\left( a\not=0\wedge x\not=0\right) \Rightarrow ax\not=0
\end{equation*}を得ます。つまり、非ゼロであるようなスカラーと非ゼロベクトルであるようなベクトルのスカラー倍は非ゼロベクトルになります。

命題(スカラー倍がゼロベクトルになるための必要条件)
体\(K\)上のベクトル空間\(V\)において、スカラー\(a\in K\)とベクトル\(x\in V\)をそれぞれ任意に選んだとき、\begin{equation*}ax=0\Rightarrow \left( a=0\vee x=0\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。

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逆ベクトルの生成

スカラー\(a\in K\)とベクトル\(x\in V\)をそれぞれ任意に選んだとき、\begin{equation*}\left( -a\right) x=a\left( -x\right) =-\left( ax\right)
\end{equation*}という関係が成り立ちます。つまり、ベクトルの負のスカラー倍、逆ベクトルのスカラー倍、スカラー倍の逆ベクトルはいずれも一致するということです。特に、\(a=1\)の場合には、\begin{equation*}\left( -1\right) x=1\left( -x\right) =-\left( 1x\right)
\end{equation*}となります。

命題(逆ベクトルの生成)
体\(K\)上のベクトル空間\(V\)において、スカラー\(a\in K\)とベクトル\(x\in V\)をそれぞれ任意に選んだとき、\begin{equation*}\left( -a\right) x=a\left( -x\right) =-\left( ax\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。

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