選好関係の完備性
2つの消費ベクトル x,y を任意に選んだとき、消費者は x を y 以上に選好するか、y を x 以上に選好するか、その少なくとも一方が成り立つ場合には、消費者の選好関係は完備性を満たすと言います。
2つの消費ベクトル x,y を任意に選んだとき、消費者は x を y 以上に選好するか、y を x 以上に選好するか、その少なくとも一方が成り立つ場合には、消費者の選好関係は完備性を満たすと言います。
消費者の選好関係が与えられたとき、消費ベクトルを任意に選ぶと、そこから上方位集合、下方位集合、無差別集合などの消費集合の部分集合が定義されます。
消費者による意思決定は、その人が持つ好みの体系によって左右されます。そこで、消費者理論では、消費者が持つ好みの体系を選好関係や狭義選好関係、無差別関係などの二項関係として定式化します。
消費者は予算集合に属する消費ベクトルを選ぶため、仮に予算集合が空集合であるならば、消費者がどのような選択を行うかという問題を検討する余地がなくなってしまいます。そこで多くの場合、予算集合は非空であるものと仮定します。
商品の価格や所得が変化したとき、消費者が直面する予算集合がどのように変化するかを解説します。関連して、税金や補助金が予算集合に与える影響を説明します。
予算集合に属する消費ベクトルの中でも、所得をすべて使い切るようなものからなる集合を予算超平面と呼びます。特に、2財モデルにおける予算超平面を予算線と呼びます。関連して、実質所得と名目所得、相対価格と絶対価格を定義します。
市場経済において消費者が商品を手に入れるためには、商品と引き換えに、商品の価格に相当する対価を支払わなければなりません。消費者の支出額は所得の範囲内に収まっていなければならないという経済的制約を明示的に考慮して得られる消費集合を予算集合と呼びます。
現実の消費者は様々な制約に直面しているため、商品空間に属するすべての商品ベクトルを選択できるわけではありません。そこで、消費者が選択可能な商品ベクトルからなる商品空間の部分集合を消費集合と呼びます。
戦略型ゲームにおいてプレイヤーたちの戦略の組に注目したときに、その組を構成する戦略がお互いに狭義の最適反応になっているならば、その組を狭義のナッシュ均衡と呼びます。
戦略型ゲームにおいてプレイヤーたちの純粋戦略の組に注目したときに、その組を構成する戦略がお互いに最適反応になっているならば、その組を純粋戦略ナッシュ均衡と呼びます。純粋戦略ナッシュ均衡は存在するとは限らず、存在する場合にも一意的であるとは限りません。
プレイヤーがランダムに純粋戦略を選ぶ意思決定を混合戦略と呼びます。その場合、プレイヤーの評価体系は期待利得関数を用いて表現されます。プレイヤーたちが混合戦略を選択する戦略的状況は戦略型ゲームの混合拡張として表現されます。
完備情報の静学ゲームを記述するためにはプレイヤー、行動、結果、利得などをそれぞれ具体的に特定する必要があります。それらの要素を記述する方法はいくつか存在しますが、ここでは戦略型ゲームと呼ばれるモデルについて解説します。
ゲームのルールのすべての要素がすべてのプレイヤーの共有知識であるとき、そのゲームを完備情報ゲームと呼びます。一方、完備情報ゲームではないゲームを不完備情報ゲームと呼びます。
動学ゲームに参加するすべてのプレイヤーが、自身が意思決定をおこなうすべての時点において、それ以前に行われたすべてのプレイヤーによる意志決定の内容を観察できる場合には、そのようなゲームを完全情報ゲームと呼びます。一方、完全情報ゲームではない動学ゲームを不完全情報ゲームと呼びます。
ゲームに参加するすべてのプレイヤーが同時に意思決定を行うとき、そのゲームを静学ゲームや同時手番ゲームなどと呼びます。一方、ゲームに参加するプレイヤーが順番に意思決定を行うとき、そのゲームを動学ゲームや逐次手番ゲームなどと呼びます。
プレイヤーたちの間に拘束的な合意が成立する場合の戦略的状況を協力ゲームと呼びます。逆に、プレイヤーたちの間に拘束的な合意が成立しない場合の戦略的状況を非協力ゲームと呼びます。