囚人のジレンマの例:タバコ広告規制の経済合理性
タバコメーカーによる広告競争は囚人のジレンマとして側面を持っていることを解説した上で、タバコ広告規制はメーカーにとっても望ましい政策であることを解説します。
タバコメーカーによる広告競争は囚人のジレンマとして側面を持っていることを解説した上で、タバコ広告規制はメーカーにとっても望ましい政策であることを解説します。
自身がわずかなコストを負担して全員に利益をもたらすか、もしくは他の人が行動するのかを待つか、以上の選択肢に直面したプレイヤーたちの間に成立する戦略的状況を描写するゲームをボランティアのジレンマと呼びます。
競り上げ式公開オークションにはいくつかのバリエーションが存在します。ここでは日本式オークションとイギリス式オークションについて解説します。
対戦型のオンラインゲームにおいてチート行為が蔓延する理由は、その背景に囚人のジレンマであるような構造が存在するからです。
オンラインで行われる試験は不正の監視が困難であることから、学生の間に囚人のジレンマに相当する戦略的相互依存関係が成立します。
競り下げ式公開オークション(オランダ式オークション)と第一価格封印オークション(ファーストプライス・オークション)は戦略的同等であるため、本来、得られる結果も同じはずですが、実際には様々な反例が観察されています。
単一オークションのSIPVモデルにおいて異なるメカニズムを採用した場合においても、メカニズムの均衡において入札者が直面する期待利得が等しくなるための条件を明らかにします。
展開型ゲームにおけるプレイヤーの純粋戦略とは、自身のそれぞれの情報集合に対してそこで自分が選ぶであろう行動を1つずつ定める行動計画として定義されます。
完備情報の動学ゲームを記述するためにはプレイヤー、順番、行動、情報、結果、利得などをそれぞれ具体的に特定する必要があります。それらの要素は展開型ゲームと呼ばれるモデルを用いて表現されます。
プレイヤーたちが事前交渉を行い何らかの合意に至った場合、それを強制する仕組みが存在しないにも関わらず合意が守られるのであれば、そのような合意は自己拘束的であると言われます。自己拘束的な合意は必ずナッシュ均衡である一方、その逆は成立するとは限りません。
合理性の仮定や期待効用仮説を採用する限りにおいて、完備情報の静学ゲームにおける均衡概念はナッシュ均衡しか存在しません。しかし、これはあくまでもゲームの分析者の立場から見たときの考え方であり、プレイヤーの視点から考えてみると話が少し複雑になります。
戦略型ゲームに支配戦略均衡が存在する場合、それはナッシュ均衡であることが保証されます。逆は成立するとは限りません。つまり、ナッシュ均衡は支配戦略均衡であるとは限りません。
戦略型ゲームにナッシュ均衡が存在する場合、そのゲームに支配される戦略の逐次消去を適用すると、そのナッシュ均衡は最後まで残ります。特に、ゲームが逐次消去によって解ける場合、その解はゲームの一意的なナッシュ均衡であることが保証されます。
オークションの主催者が最低値から価格を段階的に上げていき、最後の1人を除いたすべての入札者が脱落した時点で売買が成立し、落札者は最後の脱落者が脱落した価格に相当する金額を支払うオークションを競り上げ式公開オークションと呼びます。一定の条件のもと、これは第二価格封印オークションと戦略的に同等です。
オークションの主催者が最高値から価格を段階的に下げていき、最初に買い手がついた価格で売買が成立し、落札者はその価格に相当する金額を支払うオークションを競り下げ式公開オークションと呼びます。これは第一価格封印オークションと戦略的に同等です。
最高額を入札した入札者を勝者とし、勝者に対して自身の入札額に等しい金額を支払わせるオークションを第一価格封印オークション(ファーストプライス・オークション)と呼びます。第一価格封印オークションは誘因両立的ではありませんが、一定の条件のもとで均衡を持ちます。
最高額を入札した入札者を勝者とし、勝者に対して二番目に高い入札額に等しい金額を支払わせるオークションを第二価格封印オークション(セカンドプライス・オークション)と呼びます。第二価格封印オークションはVCGオークションと一致します。
単一オークションのIPVモデルにおけるメカニズムの配分ルールが上位落札性を満たすとともに、そのメカニズムが遂行する純粋戦略が対称的かつ単調増加である場合、そのメカニズムは事後効率的であることが保証されます。
オークションを行った結果がパレート効率的であることが保証される場合、そのようなメカニズムは事後効率性を満たすと言います。特に、準線型環境における効率メカニズムは配分ルールの形状として特徴づけられます。
単一財オークション環境がSIPVモデルである場合に、第二価格封印オークションの均衡である正直戦略の組において、入札者が直面する期待支払いや期待利得、オークションの主催者が直面する期待収入などを明らかにします。
与えられたゲームにおいてそれぞれのプレイヤーが何らかの戦略によって広義支配される純粋戦略を持つ場合、それをプレイヤーの純粋戦略集合から消去することを通じてプレイヤーたちが選択し得る戦略の組を絞り込む手法を広義支配される戦略の逐次消去と呼びます。
単一財オークション環境において非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値の仮定が成り立つ場合、耐戦略的かつ配分効率的なメカニズムは必ずグローヴスメカニズムになります。これをグリーン=ラフォン=ホルムストロームの定理と呼びます。
配分ルールを共有する2つの誘因両立メカニズムを任意に選んだとき、一定の条件のもとでは、オークションの主催者が直面する事前期待収入は、どちらのメカニズムを採用する場合でも一致します。これを収入同値定理と呼びます。
配分ルールを共有する2つの誘因両立メカニズムを任意に選んだとき、一定の条件のもとでは、入札者が均衡において直面する中間期待支払いは、入札者のタイプに関わらず、どちらのメカニズムを採用する場合でも一致します。これを支払い同値定理と呼びます。
配分ルールを共有する2つの誘因両立メカニズムを任意に選んだとき、一定の条件のもとでは、入札者が均衡において直面する中間期待利得は、入札者のタイプに関わらず、どちらのメカニズムを採用する場合でも一致します。これを利得同値定理と呼びます。
単一財オークションを行った結果として主催者の収支が常に均衡するようなメカニズムを狭義予算均衡メカニズムと呼び、主催者の収支が赤字にならないことを保証するメカニズムを広義予算均衡メカニズムと呼びます。
単一オークション環境において入札者たちの利得関数に関して非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値を仮定するとともに、入札者たちのタイプに関して共通事前分布と分布独立性を仮定する場合、そのような環境をIPVモデルと呼びます。
クラークのピボットルールによって特徴づけられるグローヴスメカニズムをVCGオークションと呼びます。一定の条件のもと、VCGオークションは耐戦略性、配分効率性、事後個人合理性、弱予算均衡性を満たします。
単一財オークションにおけるメカニズムが与えられたとき、すべての入札者にとって、メカニズムに参加することで損をしないことが保証されている場合、そのメカニズムは個人合理性を満たすと言います。
メカニズムのもとでのベイジアンゲームは不完備情報であり、そこに均衡は存在するとは限りません。一方、共通事前分布を導入してゲームをハサーニ変換すればゲームは完備情報ゲームになるため、均衡の存在を保証できるとともに分析が容易になります。
単一財オークションにおけるメカニズムのもとで、すべての入札者が正直戦略にしたがって入札することがベイジアンナッシュ均衡になる場合、そのようなメカニズムは誘因両立性を満たすと言います。
準線型環境において、グローヴスメカニズムと呼ばれるオークションルールを紹介した上で、それが耐戦略性と配分効率性を満たすことを証明します。
単一オークション環境において入札者たちの利得関数に関して非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値を仮定するとともに、入札者たちのタイプに関して共通事前分布、分布独立性、分布対称性を仮定する場合、そのような環境をSIPVモデルと呼びます。
単一財オークション市場においてメカニズムを提示された入札者たちが直面する戦略的状況はベイジアンゲームとして定式化されます。そのようなゲームにおいて、それぞれの入札者は自身のタイプと信念にもとづいて他の入札者たちのタイプを予想し、その予想から算出される中間期待利得を最大化するような純粋戦略を採用するものとします。
単一財オークションを記述する環境において、任意の入札者の利得関数が非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値の仮定を満たす場合、そのような環境を準線型環境と呼びます。
消費者の選好がストーン・ギアリー型効用関数によって表現されるとき、支出最小化問題には内点解が存在することが保証されるため、補償需要関数や支出関数もまた存在します。
消費者の選好がストーン・ギアリー型効用関数によって表現されるとき、効用最大化問題には内点解が存在することが保証されるため、需要関数や間接効用関数もまた存在します。
それぞれの商品に関して、消費者が生存を維持するために必ず消費しなければならない数量が設定されている状況を描写する効用関数をストーン・ギアリー型効用関数と呼びます。これはコブ・ダグラス型効用関数の一般化です。
無差別な2つの消費ベクトルを任意に選んだとき、すべての商品の消費量を同じ割合で変化させることで得られる消費ベクトルどうしも無差別であるならば、選好は相似拡大性を満たすとか、ホモセティックであるなどと言います。1次同次関数であるような効用関数によって表現される選好は相似拡大性を満たします。
消費者の選好が線型効用関数によって表現されるとき、支出最小化問題には解が存在することが保証されるため、非空な補償需要対応や支出関数もまた存在します。
消費者の選好が線型効用関数によって表現されるとき、効用最大化問題には解が存在することが保証されるため、非空な需要対応や間接効用関数もまた存在します。
消費者にとって複数の商品の間の主観的価値が一定であり両者が置き換え可能である場合、それらの商品を完全代替財と呼びます。完全代替財を消費する消費者の選好は線型効用関数によって表現されます。
消費者の選好がレオンチェフ型効用関数によって表現されるとき、支出最小化問題には解が存在することが保証されるため、補償需要関数や支出関数もまた存在します。
消費者の選好がレオンチェフ型効用関数によって表現されるとき、効用最大化問題には解が存在することが保証されるため、需要関数や間接効用関数もまた存在します。
複数の商品が一定の割合で組み合わされて消費されることで意味を持つ場合、それらの商品を完全補完財と呼びます。完全補完財を消費する消費者の選好はレオンチェフ型効用関数によって表現されます。
消費者の選好がコブ・ダグラス型効用関数によって表現されるとき、支出最小化問題には解が存在することが保証されるため、補償需要関数や支出関数もまた存在します。
利潤最大化問題にはそのままではベルジュの最大値定理を適用できないため、なるべく一般性を失わない形で、利潤最大化問題をベルジュの最大値定理が適用可能な形へ変換します。
生産者理論では、生産者は自身が選択可能な生産ベクトルの中から自身が得られる利潤を最大化するようなものを選ぶものと仮定します。以上の仮定のもと、生産者が直面する問題を利潤最大化問題と呼ばれる最適化問題として定式化します。
生産集合がゼロベクトルを要素として持つ場合、生産集合は商業停止可能性を満たすと言います。これは、生産者が投入や産出を一切行わないことが可能であることを意味します。
消費者の選好がコブ・ダグラス型効用関数によって表現されるとき、効用最大化問題には内点解が存在することが保証されるため、需要関数や間接効用関数もまた存在します。