多変数のベクトル値関数が定義域の全体において全単射ではない場合でも、一定の条件のもとでは、定義域を縮小することにより得られる関数が全単射になるため、逆関数の存在を保証できるとともに、逆関数のヤコビ行列を特定できます。
有限n個の独立な確率変数がいずれも標準正規分布にしたがう場合、それらの二乗どうしの和として定義される確率変数は自由度nのカイ二乗分布にしたがうと言います。カイ二乗分布は統計において重要な役割を果たします。
母集団分布から抽出されたランダムサンプルどうしの算術平均として定義される確率変数を標本平均と呼びます。標本平均の期待値は母平均と一致し、標本平均の分散は母分散を標本の大きさで割った値と一致します。
母集団分布から抽出されたランダムサンプルどうしの和として定義される確率変数を標本和と呼びます。標本和の期待値は標本の大きさと母平均の積と一致し、標本和の分散は標本の大きさと母分散の積と一致します。
全数調査が困難である場合には、母集団から一部の個体を選び出し、選び出した個体を調査することを通じて、母集団の性質を推測します。このような手法を統計的推測と呼びます。
乗法族(π-族)とディンキン族(λ-族)および完全加法族(σ-代数)などの概念を定義するとともに、これらの概念の間に成立する関係について解説します。
正項級数が収束する場合、項を加える順序を任意の形で変えても、新たに得られる正項級数はもとの級数の和と同じ和へ収束します。また、正項級数が発散する場合、項を加える順序を任意の形で変えても、新たに得られる正項級数は発散します。
線形写像どうしの合成写像について、その基本的な性質について解説します。また、線形写像の合成と、線形写像の表現行列の乗法の関係について解説します。
正接関数(tan関数)はマクローリン展開可能です。正弦関数(sin関数)と余弦関数(cos関数)のマクローリン級数を用いて正接関数のマクローリン級数を特定する方法を解説します。
線形写像のスカラー乗法を定義した上で、その基本的な性質について解説します。また、線形写像のスカラー乗法と、線形写像の表現行列のスカラー乗法の関係について解説します。
線形写像どうしの加法を定義した上で、その基本的な性質について解説します。また、線形写像どうし加法と、線形写像の表現行列どうしの加法の関係について解説します。
ベクトル空間の部分集合Xが満たすある性質Pに注目したとき、集合Xを同型写像によって別のベクトル空間へ写した場合にも、その像が性質Pを依然として満たすのであれば、そのような性質Pは同型写像のもとで不変であると言います。
実ベクトル空間の間に定義された線形写像を行列を用いて表現できるように、一般のベクトル空間の間に定義された線形写像についても、ベクトル空間の基底を指定すれば、それを行列を用いて表現できます。
線形写像の値域と終集合が一致することと、その線形写像が全射であることは必要十分条件です。線形写像の核がゼロベクトル空間であることと、その線形写像が単射であることは必要十分です。
線形写像の定義域であるベクトル空間が有限次元を持つ場合、その線形写像の核と値域もまた有限次元になるとともに、定義域の次元は、核の次元と値域の次元の和と一致します。これを次元定理や線形写像の基本定理と呼びます。
ベクトル空間における基底が与えられれば、それぞれのベクトルは基底ベクトルの線型結合として一意的に表されます。そこで、ベクトルの線型結合を特徴づけるスカラーの組をそのベクトルの座標と呼びます。
部分空間から選ぶことができる線型独立なベクトルの個数の最大値をその部分空間の次元と呼びます。次元が有限である場合、その値は1つの非負の整数として定まることが保証されます。
距離空間上に定義された複数の写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに連続である場合、それらの和(ベクトル和)として定義される写像もまた連続です。
実ベクトル空間の部分集合であるベクトル集合が線型従属ないし線型独立であることを判定するために連立1次方程式を利用する方法について解説します。
二項分布の確率密度関数には組合せの数が関与するため、試行パラメータnが大きい場合には計算が困難です。試行パラメータnが十分大きく成功パラメータpが十分小さい場合、二項分布はポアソン分布によって近似できるため、計算が容易になります。
距離空間上に定義された写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに連続である場合、そのスカラー倍として定義される写像もまた連続です。
距離空間の部分集合の任意の開被覆が有限部分被覆を持つ場合、そのような集合をコンパクト集合と呼びます。また、コンパクト集合であるような距離空間をコンパクト距離空間と呼びます。
距離空間上に定義された複数の写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに収束する場合、それらの写像の絶対値(ノルム)として定義される写像もまた収束します。
距離空間上に定義された複数の写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに収束する場合、それらの写像の積(内積)として定義される写像もまた収束します。
距離空間上に定義された複数の写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに収束する場合、それらの写像の和(ベクトル和)として定義される写像もまた収束します。
距離空間の部分集合Aが与えられたとき、点aの任意の近傍がAと交わるならば、aをAの触点と呼びます。また、Aのすべての触点からなる集合をAの閉包と呼びます。
距離空間上に定義された写像が実数値、複素数値、ベクトル値などをとるとともに収束する場合、そのスカラー倍として定義される写像もまた収束します。
距離空間Xから距離空間Yへの連続な全単射fの逆写像もまた連続である場合、もとの写像fを同相写像と呼びます。2つの距離空間の間に同相写像が存在する場合、それらの距離空間は位相同型(同相)であると言います。
次数が実数であるようなベキ関数を実数ベキ関数と呼びます。次数が正の実数である場合、実数ベキ関数は狭義単調増加関数になります。次数が負の実数である場合、実数ベキ関数は狭義単調減少関数になります。