ユークリッド空間の部分集合 A が与えられたとき、A の要素を項とする任意の点列が A の点に収束する部分列を持つ場合、A を点列コンパクト集合と呼びます。ある集合が点列コンパクト集合であることと、その集合がコンパクト集合であることは必要十分です。
関数が有界閉区間上においてリーマン積分可能であることと、それぞれの小区間においてリーマン積分可能であることが必要十分であるとともに、小区間上の定積分の総和をとれば区間上の定積分が得られます。
一様連続な1変数関数は連続である一方、連続関数は一様連続であるとは限りません。ただ、連続関数の定義域がコンパクト集合である場合、その関数が一様連続であることが保証されます。
ユークリッド空間の部分集合Aが与えられたとき、Aの導集合がAの部分集合であることは、すなわちAのすべての集積点がAの要素であることは、Aが閉集合であるための必要十分条件です。
ユークリッド空間の部分集合 A が与えられたとき、A の境界が A の部分集合であることは、A が閉集合であるための必要十分条件です。したがって、集合 A の境界が A の部分集合であれば A は閉集合であり、A の境界が A の部分集合でなければ A は閉集合ではありません。
有界な閉区間上に定義された有界な1変数関数について、区間の何らかの分割のもとで上リーマン和と下リーマン和の差がいくらでも小さくなることは、関数が定積分可能であるための必要十分条件です。
ユークリッド空間の部分集合Aが与えられたとき、Aの外部と補集合が一致することは、Aがユークリッド空間上の閉集合であるための必要十分条件です。
1変数関数がリーマン積分可能であることを定義にもとづいて確認する作業は煩雑になりがちです。関数の上積分と下積分が一致することは関数が積分可能であるための必要十分条件であり、定積分は上積分および下積分と一致することが保証されます。
本来の定義にもとづいて1変数関数の上積分や下積分を求める作業は煩雑になりがちです。ダルブーの定理は極限を用いて上積分や下積分を求められることを保証します。
実数の区間上に定義された1変数関数fが与えられたとき、ある関数Fの導関数がfと一致する場合には、Fをfの原始関数と呼びます。また、関数fの原始関数を一般的な形で表現したものをfの不定積分と呼びます。
実数空間の2つの部分集合が互いに素であるとともに、どちらも相手の集積点を要素として持たない場合、それらの集合は分離されると言います。分離の概念は触点や開集合を用いて表現することもできます。
コンパクト集合(有界な閉集合)上に定義された連続な多変数関数は定義域上において最大値や最小値をとることが保証されます。これを最大値・最小値の定理と呼びます。
多変数関数を全微分することとは複雑な関数を1次の多項式によって近似することを意味します。それとは逆に、高階微分可能な多変数関数を多項式を用いて近似することで近似の精度を高める考え方もあります。
多変数関数がある点の周辺の任意の点において定義されていない場合でも、変数がその点に限りなく近づく経路が存在する場合には、多変数関数の極限を定義することができます。
1変数関数が狭義凸であることとそのエピグラフが狭義凸集合であることは必要十分であり、狭義凹であることとそのハイポグラフが狭義凸集合であることは必要十分です。
1変数関数が準凸関数ないし準凹関数であることを、上位集合や下位集合などの概念を用いて判定する方法について解説します。
多変数関数が準凸関数であること、準凹関数であることの意味を解説します。凸関数は準凸関数ですが、その逆は成り立つとは限りません。また、凹関数は準凹関数ですが、その逆は成り立つとは限りません。
微分可能な関数が狭義凸関数であることは、導関数が狭義単調増加関数であることと必要十分です。また、微分可能な関数が狭義凹関数であることは、導関数が狭義単調減少関数であることと必要十分です。
1変数関数が凸関数であることとその関数のエピグラフが凸集合であることは必要十分であり、1変数関数が凹関数であることとその関数のハイポグラフが凸集合であることは必要十分です。
多変数関数の変数が定義域上のある点に限りなく近づくにつれて関数の値が有限な極限へ収束するとともに、その点における関数の値が先の極限と一致する場合、関数はその点において連続であると言います。
多変数関数をある点において全微分することとは、その点に限りなく近い周辺の任意の点において、もとの関数を1次の多項式関数で近似する(線型近似)することを意味します。
多変数の定数関数、座標関数、多項式関数、有理関数および、それらの関数と1変数の微分可能な関数を組合せることで得られる多変数関数はいずれも偏微分可能です。
多変数関数を特定の変数に関して偏微分することとは、他の変数の値を固定することで得られる1変数関数をシンプルな1次式で近似する(線型近似)ことを意味します。
「事象Aが起きたという前提のもと、その後に事象Bが起こる確率」が判明している場合には、ベイズの定理を利用することにより、「事象Bが起きたことが観察された場合、それ以前に、前提として事象Aが起こっていた確率」を特定できます。
ある事象の確率を直接求めることが困難である場合、起こり得るすべての状況が排反事象に分割可能であれば、問題としている事象を分割することにより、その確率を容易に求めることができます。