関数の上極限は右上極限と左上極限のうちの大きい方と一致します。また、関数の下極限は右下極限と左下極限のうちの小さい方と一致します。
関数の無限大における上極限と下極限がともに有限であるとともに両者が一致することは、その関数が無限大において有限な実数へ収束するための必要十分条件です。その場合、極限は上極限や下極限と一致します。
有界閉区間上に定義された単調増加関数の右上ディニ微分や左上微分が正の無限になる点からなる集合の外測度はゼロです。また、有界閉区間上に定義された単調減少関数の右下ディニ微分や左下ディニ微分が負の無限になる点からなる集合の外測度はゼロです。
有界閉区間上に定義された単調増加関数の上ディニ微分が正の無限になる点からなる集合の外測度はゼロです。また、有界閉区間上に定義された単調減少関数の下ディニ微分が負の無限になる点からなる集合の外測度はゼロです。
関数が右上ディニ微分可能かつ右下ディニ微分可能であるとともに右上と右下のディニ微分係数が一致することは、その関数が右側微分可能であるための必要十分条件です。しかもこのとき、右側微分係数は右上と右下のディニ微分係数と一致します。左側微分についても同様です。
関数の平均変化率を変化量に関する関数とみなした場合の右側上極限を右上ディニ微分係数と呼び、左側上極限を左上ディニ微分係数と呼び、右側下極限を右下ディニ微分係数と呼び、左側下極限を左下ディニ微分係数と呼びます。
点集合のヴィタリ被覆の中から有限個の互いに素な区間を上手く選んだ上で、選んだ区間の和集合ともとの集合との差集合をとることにより、その差集合の測度をいくらでも小さくすることができます。これをヴィタリの被覆定理と呼びます。
関数が上ディニ微分可能かつ下ディニ微分可能であるとともに上下のディニ微分係数が一致することは、その関数が微分可能であるための必要十分条件です。しかもこのとき、微分係数は上下のディニ微分係数と一致します。
関数の右側上極限と右側下極限が有限な実数として定まるとともに両者が一致することは、その関数が有限な実数へ収束するための必要十分条件です。しかもその場合、右側極限は右側上極限や右側下極限と一致します。左側極限についても同様です。
関数の上極限と下極限が有限な実数として定まるとともに両者が一致することは、その関数が有限な実数へ収束するための必要十分条件です。しかもその場合、極限は上極限や下極限と一致します。
関数の値域が上に有界である場合、その関数は上に有界であると言います。関数の値域が下に有界である場合、その関数は下に有界であると言います。上に有界かつ下に有界な関数を有界な関数と呼びます。
集合列の要素である無限個の集合の要素を集めてできる集合をもとの集合列の上極限と呼びます。また、集合列の要素である有限個の集合を除いたすべての集合の要素を集めてできる集合をもとの集合列の下極限と呼びます。
測度が有限であるとは限らない一般のルベーグ可測集合上に定義されたルベーグ可測関数列が各点収束するとともに一様可積分かつ一様緊密である場合には、関数列の各点極限に相当する関数のルベーグ積分は、関数列の要素である個々の関数のルベーグ積分からなる数列の極限と一致します。
関数の片側上極限(右側上極限と左側上極限)と片側下極限(右側下極限と左側下極限)を定義します。関数が局所有界である場合、その片側上極限と片側下極限がそれぞれ有限な実数として定まることが保証されます。
区間上に定義された上に有界な単調増加関数や下に有界な単調減少関数は区間の右側の端点において左側収束します。また、下に有界な単調増加関数や上に有界な単調減少関数は区間の左側の端点において右側収束します。
数列の上極限と下極限が有限な実数として定まるとともに両者が一致することは、その数列が有限な実数へ収束するための必要十分条件です。しかもその場合、極限は上極限や下極限と一致します。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に定義されたルベーグ可測関数列が各点収束するとともに一様可積分である場合には、関数列の各点極限に相当する関数のルベーグ積分は、関数列の要素である個々の関数のルベーグ積分からなる数列の極限と一致します。
関数がルベーグ積分可能である場合、関数の定義域を十分小さいルベーグ可測集合へ縮小すれば、絶対値関数のルベーグ積分の値を限りなく小さくすることができます。
無限区間上に定義された非負値をとるルベーグ可測関数が第1種の広義リーマン積分可能である場合、その関数はルベーグ積分可能になるとともに、両者の積分の値は一致します。
区間上に定義された非負値をとるルベーグ可測関数が第2種の広義リーマン積分可能である場合、その関数はルベーグ積分可能になるとともに、両者の積分の値は一致します。
ルベーグ積分可能な関数の定義域を複数の互いに素なルベーグ可測集合に分割した場合、その個数が有限および可算のどちらの場合でも、個々の集合におけるルベーグ積分の和をとればもとの集合におけるルベーグ積分が得られます。
ルベーグ可測関数列が各点収束するとともに、その間数列を支配し、なおかつルベーグ積分可能であるような関数が存在する場合には、関数列の各点極限に相当する関数のルベーグ積分は、関数列の要素である個々の関数のルベーグ積分からなる数列の極限と一致します。
ルベーグ積分可能な2つのルベーグ可測関数の間に一方的な大小関係が成立する場合、両者のルベーグ積分の間にも同様の大小関係が成立します。以上の性質を単調性と呼びます。
ルベーグ可測関数に対して、その絶対値関数が定める値以上の値をとるルベーグ積分可能な関数が存在する場合、もとの関数もまたルベーグ積分可能であることが保証されます。
2つのルベーグ可測関数がルベーグ積分可能である場合、それらの差として定義されるルベーグ可測関数もまたルベーグ積分可能であるとともに、そのルベーグ積分はもとの2つの関数のルベーグ積分の差と一致します。
2つのルベーグ可測関数がルベーグ積分可能である場合、それらの和として定義されるルベーグ可測関数もまたルベーグ積分可能であるとともに、そのルベーグ積分はもとの2つの関数のルベーグ積分の和と一致します。
ルベーグ可測関数がルベーグ積分可能である場合、その定数倍として定義されるルベーグ可測関数もまたルベーグ積分可能であるとともに、そのルベーグ積分はもとの関数のルベーグ積分の定数倍と一致します。
非負値をとるルベーグ可測関数の形状が分からない場合でも、ルベーグ積分の値さえ明らかであれば、その関数が特定の値以上になるような変数の値からなるルベーグ可測集合の測度が収まる範囲を特定できます。
非負値をとるルベーグ可測関数列が各点収束する場合、各点極限のルベーグ積分は、関数列の要素である個々の関数のルベーグ積分からなる列の下極限以下になります(ファトゥの補題)。特に、関数列が増加列である場合、両者は一致します(単調収束定理)。
ルベーグ可測集合上に定義された非負値をとるルベーグ可測関数が定義されている状況においてその集合を2つのルベーグ可測集合に分割した場合、個々の集合におけるルベーグ積分の和をとればもとの集合におけるルベーグ積分が得られます。
非負値をとる2つのルベーグ可測関数の間に一方的な大小関係が成立する場合、両者のルベーグ積分の間にも同様の大小関係が成立します。以上の性質を単調性と呼びます。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に有界なルベーグ可測関数が定義されている状況においてその集合を2つのルベーグ可測集合に分割した場合、個々の集合におけるルベーグ積分の和をとればもとの集合におけるルベーグ積分が得られます。
有界なルベーグ可測関数列が一様収束する場合、その関数列のルベーグ積分からなる数列の極限は、一様極限のルベーグ積分と一致します。また、一様有界なルベーグ可測関数列が各点収束する場合、その関数列のルベーグ積分からなる数列の極限は、各点極限のルベーグ積分と一致します。
可測関数列の一様極限もまた可測関数です。つまり、可測関数列が何らかの関数へ一様収束する場合、その極限もまた可測関数になります。
非負値をとるルベーグ可測関数のどうしの和として定義されるルベーグ可測関数のルベーグ積分は、もとの可測関数のルベーグ積分どうしの和と一致します。
非負値をとるルベーグ可測関数の定数倍として定義されるルベーグ可測関数のルベーグ積分は、もとの可測関数のルベーグ積分の定数倍と一致します。
有限な台を持つ有界なルベーグ可測関数のルベーグ積分の概念を定義するとともに、それを土台に、非負値をとる一般的なルベーグ可測関数のルベーグ積分の概念を定義します。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に定義された2つの有界関数の間に一方的な大小関係が成立する場合、両者のルベーグ積分の間にも同様の大小関係が成立します。また、有界関数の絶対値のルベーグ積分は、もとの関数のルベーグ積分の絶対値以上になります。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に定義された2つの有界関数がルベーグ積分可能である場合、それらの差として定義される関数もまたルベーグ積分可能です。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に定義された2つの有界関数がルベーグ積分可能である場合、それらの和として定義される関数もまたルベーグ積分可能です。
有限測度を持つルベーグ可測集合上に定義された有界関数がルベーグ可測関数である場合には、その関数はルベーグ積分可能であることが保証されます。
可測関数列の各点極限もまた可測関数です。特に、ルベーグ測度空間は完備であるため、ほとんどいたるところで各点収束するルベーグ可測関数列の極限もまたルベーグ可測関数になります。
ルベーグ測度空間は完備です。つまり、零集合であるようなルベーグ可測集合を任意に選んだとき、その任意の部分集合がルベーグ可測になります。したがって、ルベーグ可測関数とほとんどいたるところで等しい関数もまたルベーグ可測になります。
可測関数列が定める値からなる数列の上極限や下極限や極限を与える写像は可測関数です。また、拡大実数値可測関数列が定める値からなる拡大実数列の上極限や下極限や極限を与える写像は拡大実数値可測関数です。
可算個の可測関数の値の上限や下限を値として定める写像は可測関数ないし拡大実数値可測関数です。また、可算個の拡大実数値可測関数の値の上限や下限を値として定める写像は拡大実数値可測関数です。
有限個の可測関数の値の最大値や最小値を値として定める写像は可測関数です。また、有限個の拡大実数値可測関数の値の最大値や最小値を値として定める写像は拡大実数値可測関数です。
有界閉区間上に定義された有界関数がリーマン積分可能である場合にはルベーグ積分可能である一方で、ルベーグ積分可能な関数はリーマン積分可能であるとは限りません。したがって、ルベーグ積分はリーマン積分の拡張です。