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線型効用関数のもとでの効用最大化

消費者の選好が線型効用関数によって表現されるとき、効用最大化問題には解が存在することが保証されるため、非空な需要対応や間接効用関数もまた存在します。

線型効用関数

消費者にとって複数の商品の間の主観的価値が一定であり両者が置き換え可能である場合、それらの商品を完全代替財と呼びます。完全代替財を消費する消費者の選好は線型効用関数によって表現されます。

レオンチェフ型効用関数

複数の商品が一定の割合で組み合わされて消費されることで意味を持つ場合、それらの商品を完全補完財と呼びます。完全補完財を消費する消費者の選好はレオンチェフ型効用関数によって表現されます。

生産集合の中立性

生産者理論において利潤最大化問題にベルジュの最大化定理を適用できることを保証するためには、生産集合に関して中立性を仮定することがあります。

生産集合の凸性

生産者理論では生産集合が凸集合であることを仮定することがあります。これは変換関数が準凸関数であること、または生産関数が凹関数であることを意味します。

利潤最大化問題の制約条件

利潤最大化問題にはそのままではベルジュの最大値定理を適用できないため、なるべく一般性を失わない形で、利潤最大化問題をベルジュの最大値定理が適用可能な形へ変換します。

利潤最大化問題

生産者理論では、生産者は自身が選択可能な生産ベクトルの中から自身が得られる利潤を最大化するようなものを選ぶものと仮定します。以上の仮定のもと、生産者が直面する問題を利潤最適問題として定式化します。

無償廃棄可能性

生産者が制約なく生産物や生産要素を処分できるという仮定を無償廃棄可能性と呼びます。

フリーランチ不可能性

生産要素を投入することなく生産物を生産することはできないという仮定をフリーランチ不可能性と呼びます。

操業停止可能性

生産集合がゼロベクトルを要素として持つ場合、生産集合は商業停止可能性を満たすと言います。これは、生産者が投入や産出を一切行わないことが可能であることを意味します。

生産集合は閉集合

生産集合が閉集合であることを仮定することにより、効率生産集合が存在することや変換関数(生産関数)が定義可能であることが保証できます。

生産集合の非空性

生産者は生産集合に属する生産ベクトルを選ぶため、仮に生産集合が空集合であるならば、生産者がどのような選択を行うかという問題を検討する余地がなくなってしまいます。

変換関数(生産関数)

生産集合は生産者が技術的に選択可能なすべての生産ベクトルからなる集合であるため、生産者の技術は生産集合の形状として表現されます。一方、生産者の技術を変換関数や生産関数と呼ばれる関数を用いて表現することもできます。

効率生産集合

生産者が技術的に選択可能な生産ベクトルからなる集合として生産集合という概念を定義しましたが、仮に生産集合が複数の生産ベクトルを含む場合、生産者はその中から自身にとって最も望ましいものを選択する必要があります。では、どのような指標をもとに生産ベクトルどうしを比較すればよいでしょうか。最もシンプルな指標は効率性です。つまり、より少ない投入でより多くを生産できるのであればより望ましいという考え方です。効率性の概念を定式化します。

生産集合

現実の生産者は様々な制約に直面しているため、商品空間に属するすべての生産計画を選択できるわけではありません。そこで、生産者が選択可能な生産計画からなる商品空間の部分集合を生産集合と呼びます。

生産者

モノやサービスを生産する主体を生産者と呼びます。生産者理論では、生産者はは自身が直面する選択肢集合の中から、自身の利潤を最大化するような選択肢を選ぶものと仮定します。

支出関数

価格ベクトルと目標とする効用水準の組を入力とし、そこでの支出最小化問題の解における消費者の支出を出力する関数を支出関数と呼びます。

間接効用関数

価格ベクトルと所得の組を入力とし、そこでの効用最大化問題の解において消費者が得る効用を出力する関数を間接効用関数と呼びます。

支出最小化問題の端点解

支出最小化問題の解において消費者は目標水準に等しい効用を得るとともに、少なくとも1つの商品の補償需要がゼロである場合、そのような解を端点解と呼びます。端点解において限界代替率と相対価格は一致するとは限りません。

支出最小化問題の内点解

支出最小化問題の解においてすべての商品の補償需要が正の実数であるとき、そのような解を内点解と呼びます。内点解において任意の2つの商品の間の限界代替率と相対価格は一致します。

支出最小化問題の解法

クーンタッカー条件を満たす消費ベクトルが支出最小化問題の解であるための必要条件や十分条件を明らかにした上で、支出最小化問題の解を求める具体的な手順について解説します。

補償需要関数の0次同次性

ヒックスの補償需要対応(補償需要関数)は価格ベクトルに関して0次同次です。つまり、すべての商品の価格を同じ割合で増加させても支出最小化問題の解集合は変化しません。

事後均衡と支配戦略均衡の関係

ベイジアンゲームにおいて事後均衡は支配戦略均衡でもありますが、その逆は成立するとは限りません。ただ、私的価値モデルにおいては、事後均衡と支配戦略均衡は一致します。

純粋戦略事後均衡

ベイジアンゲームにおいて他のプレイヤーたちの純粋戦略に直面したプレイヤーがある純粋戦略を選ぶ場合、自身のタイプや他のプレイヤーたちのタイプによらず利得を最大化できる場合、そのような純粋戦略を事後最適反応と呼びます。事後最適反応の組を事後均衡と呼びます。

支配純粋戦略均衡

ベイジアンゲームにおいてプレイヤーがある純粋戦略を選ぶとき、自身を含めた全員のタイプや他のプレイヤーたちの行動、信念に関わらず利得を常に最大化できるならば、そのような戦略を支配純粋戦略と呼びます。支配純粋戦略の組を支配純粋戦略均衡と呼びます。

中間期待利得とベイジアン仮説

不完備情報の静学ゲームを表現するベイジアンゲームに直面したそれぞれのプレイヤーは、自身のタイプと信念にもとづいて他のプレイヤーたちのタイプを予想し、その予想から算出される中間期待利得を最大化するような純粋戦略を採用するものと仮定します。

信念

ベイジアンゲームにおいて不確実な状況下で意思決定を迫られるプレイヤーは、自身のそれぞれのタイプに対して、その場合に自分が直面し得る状態ゲームがそれぞれどの程度の確率で起こりえるか主観的に定めた上で、その予想にもとづいて意思決定を行うものとします。

純粋戦略

不完備情報の静学ゲームをベイジアンゲームとして表現したとき、プレイヤーによる意思決定は純粋戦略と呼ばれる概念として定式化されます。プレイヤーの純粋戦略とは、自身のそれぞれのタイプに対して行動を1つずつ定める行動計画です。

私的価値モデル

不完備情報の静学ゲームをベイジアンゲームとして表現するとき、すべてのプレイヤーの利得関数が自身のタイプのみに依存し、他のプレイヤーのタイプに依存しないものと仮定する場合には、そのようなモデルを私的価値モデルと呼びます。

ベイジアンゲーム

不完備情報の静学ゲームを記述するためにはプレイヤー、行動、情報、結果、利得などをそれぞれ具体的に特定する必要があります。それらの要素を記述する方法はいくつか存在しますが、ここではベイジアンゲームと呼ばれるモデルについて解説します。

補償需要における非超過効用

効用関数が連続関数である場合、支出最小化問題の解において消費者は目標効用水準に等しい効用を得ることが保証されます。これは効用最大化問題におけるワルラスの法則に相当する条件です。

ヒックスの補償需要関数

消費者が直面する支出最小化問題は価格ベクトルと目標となる効用水準に応じて変化します。そこで、価格ベクトルと目標効用水準のそれぞれの組に対して、そのときの支出最小化問題の解集合を定める対応をヒックスの補償需要対応(補償需要関数)と呼びます。

支出最小化問題の制約条件

支出最小化問題にはそのままではベルジュの最大値定理を適用できないため、一般性を失わない形で、支出最小化問題をベルジュの最大値定理が適用可能な形へ変換します。

支出最小化問題

価格ベクトルと目標となる効用水準が与えられたとき、目標水準以上の効用をもたらす消費ベクトルの中から支出を最小化するようなものを特定することを支出最小化問題と呼びます。

ドブリューの定理(効用関数の存在条件)

消費集合が凸集合であるようなユークリッド空間の部分集合であるとともに、選好関係が合理性(完備性および推移性)と連続性を満たす場合、その選好関係を表す効用関数が必ず存在します。これをドブリューの定理と呼びます。

可算集合上の効用関数の存在条件

消費集合が可算集合であり、なおかつ消費集合上に定義された選好関係が合理性の仮定(完備性および推移性)を満たす場合には、その選好関係を表す効用関数が存在するとともに、そのような関数を具体的に構成することができます。

有限集合上の効用関数の存在条件

消費集合が有限集合であり、なおかつ消費集合上に定義された選好関係が合理性の仮定(完備性および推移性)を満たす場合には、その選好関係を表す効用関数が存在するとともに、そのような関数を具体的に構成することができます。

コブ・ダグラス型効用関数

コブ・ダグラス型効用関数と呼ばれるクラスの効用関数を定義するとともに、その性質を解説します。コブ・ダグラス型効用関数は単調増加かつ1次同次な準凹関数であり、連続微分可能です。

予算対応の0次同次性

すべての商品の価格と所得が同じ割合で増加する場合には、その変化の前後において、予算制約を満たす消費ベクトルからなる集合、すなわち予算集合は変化しません。予算対応が満たす以上の性質を0次同次性と呼びます。関連してニュメレール(価値尺度財)についても解説します。

予算対応の連続性

予算対応が上半連続かつ下半連続である場合、すなわち連続対応である場合には、消費者が直面する最適化問題を解く際にベルジュの最大値定理を利用できるため、様々な望ましい性質を導くことができます。

予算集合のコンパクト性

消費者理論では予算集合がコンパクト集合であることを仮定することがあります。この仮定には、消費者が直面する最適化問題に解が存在することを保証する役割があります。

ワルラスの需要関数

価格ベクトルと所得のそれぞれの組に対して、そこでの効用最大化問題の解に相当する消費ベクトルを1つずつ定める関数をワルラスの需要関数と呼びます。ここでは需要関数が存在するための条件を紹介します。

効用最大化問題

消費者は予算集合に属する消費ベクトルの中から、自身の選好(効用関数)に照らし合わせて最も望ましい消費ベクトルを選ぶものと仮定します。このような仮定のもとで、消費者が直面する最適化問題を選好最大化問題(効用最大化問題)と呼びます。

演習問題:支配される戦略の逐次消去

本節では支配される戦略の逐次消去と呼ばれる均衡概念について学びました。演習問題を通じて理解度を確認してください。次節からはナッシュ均衡について解説します。

命題の証明:支配される戦略の逐次消去

本節では完備情報の静学ゲームにおいてプレイヤーが混合戦略を採用する状況を戦略型ゲームの混合拡張というモデルによって表現しました。演習問題を通じて理解度を確認してください。次節からはナッシュ均衡について解説します。

命題の証明:ナッシュ均衡

本節では完備情報の静学ゲームの均衡概念であるナッシュ均衡について学びました。本文中に登場した命題の証明を確認してください。

ベルトラン競争とカルテル

複占市場のプレイヤーである両企業にとって最良の結果は、カルテルを結んで独占均衡価格を維持することです。しかし、実際にはベルトラン競争(価格競争)を行うことが支配戦略均衡であるため、両社にとって効率的な結果が実現しません。

ベルトランのパラドクス

複占市場のような不完全競争市場であっても、そこでベルトラン競争が行われる場合には完全競争市場と同様に社会的余剰が最大化されます。これをベルトランのパラドクスと呼びます。

ベルトラン競争

同質財を供給する複占市場における企業間の価格競争をモデル化したゲームをベルトラン競争と呼び、ベルトラン競争におけるナッシュ均衡をベルトラン均衡と呼びます。

非対称的な利得構造を持つ囚人のジレンマ

これまではプレイヤーたちが同一の利得関数を持つ囚人のジレンマについて考えてきましたが、状況を少し一般化して、プレイヤーたちが異なる利得関数を持つ場合の囚人のジレンマについて考えます。

トップ・トレーディング・サイクルメカニズム

分割財の交換経済における代表的なメカニズムであるトップ・トレーディング・サイクルメカニズム(トップ・トレーディング・サイクルアルゴリズム)とはどのようなものであるか、具体例とともに解説するとともに、このメカニズムが備える望ましい性質を紹介します。

競争均衡

分割財の交換経済において便宜的に価格体系を導入したとき、配分と価格ベクトルの組が予算制約条件と選好最大化条件を満たすのであれば、そのような組を競争均衡と呼びます。また、競争的な配分を常に選び取るメカニズムを競争均衡メカニズムと呼びます。

安定性

プレイヤーたちが商品を交換することによりコア配分が実現した後においても、その配分が依然としてコアであり続けるのであれば、そのような配分を安定的な配分と呼びます。また、安定的な配分を常に選び取るメカニズムを安定メカニズムと呼びます。

コア選択

ある配分を出発点に、そこからプレイヤーのグループ(提携)が内部で商品を交換することでグループ内でのパレート改善が可能である場合、その配分はその提携によってブロックされると言います。また、いかなる提携によってもブロックされない配分をコアと呼び、コアを常に選び取るメカニズムをコア選択メカニズムと呼びます。

パレート効率性

ある配分を出発点に、そこからさらに誰かの満足度を高めようとすると他の人の犠牲が伴うような状態であるとき、その配分はパレート効率的であると言います。また、パレート効率的な配分を常に選び取るメカニズムをパレート効率的なメカニズムと呼びます。

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