
生産集合
現実の生産者は様々な制約に直面しているため、商品空間に属するすべての生産計画を選択できるわけではありません。そこで、生産者が選択可能な生産計画からなる商品空間の部分集合を生産集合と呼びます。
現実の生産者は様々な制約に直面しているため、商品空間に属するすべての生産計画を選択できるわけではありません。そこで、生産者が選択可能な生産計画からなる商品空間の部分集合を生産集合と呼びます。
モノやサービスを生産する主体を生産者と呼びます。生産者理論では、生産者はは自身が直面する選択肢集合の中から、自身の利潤を最大化するような選択肢を選ぶものと仮定します。
2つの関係 R, S が与えられたとき、xRy と ySz がともに成り立つような y が存在するような順序対 (x,z) からなる集合を R と S の合成関係と呼び、これを S∘R で表します。
集合 X 上の同値関係 R が与えられたとき、X の要素 x を任意に選べば、R のもとで x と同値であるような X のすべての要素からなる集合を構成できます。このような X の部分集合を x を代表元とする同値類と呼びます。
支出最小化問題の解において消費者は目標水準に等しい効用を得るとともに、少なくとも1つの商品の補償需要がゼロである場合、そのような解を端点解と呼びます。端点解において限界代替率と相対価格は一致するとは限りません。
支出最小化問題の解においてすべての商品の補償需要が正の実数であるとき、そのような解を内点解と呼びます。内点解において任意の2つの商品の間の限界代替率と相対価格は一致します。
クーンタッカー条件を満たす消費ベクトルが支出最小化問題の解であるための必要条件や十分条件を明らかにした上で、支出最小化問題の解を求める具体的な手順について解説します。
ヒックスの補償需要対応(補償需要関数)は価格ベクトルに関して0次同次です。つまり、すべての商品の価格を同じ割合で増加させても支出最小化問題の解集合は変化しません。
集積点の存在条件(有界な無限集合は集積点を持つという命題)はボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理と必要十分です。したがって、集積点の存在条件とアルキメデスの性質によって、実数の連続性の定義とすることができます。
実数空間 R の部分集合 A および点 a が与えられたとき、A の点を項とするとともに、すべての項が a とは異なり、なおかつ a に収束する数列が存在することは、a が A の集積点であるための必要十分条件です。
実数空間 R の部分集合 A が与えられたとき、A の閉包が A と一致することは、A が閉集合であるための必要十分条件です。したがって、集合 A の閉包 A と等しければ A は閉集合であり、A の閉包が A と等しくなければ A は閉集合ではありません。
実数空間 R の部分集合 A および点 a が与えられたとき、a に収束する A 上の数列が存在することは、a が A の触点であるための必要十分条件です。
実数空間 R の部分集合 A が与えられたとき、A の境界が A の部分集合であることは、A が閉集合であるための必要十分条件です。したがって、集合 A の境界が A の部分集合であれば A は閉集合であり、A の境界が A の部分集合でなければ A は閉集合ではありません。
実数空間 R の部分集合 A がその内部と一致することは、A が開集合であるための必要十分条件です。したがって、集合 A の内部が A と一致すれば A は開集合であり、A の内部が A と一致しなければ A は開集合ではありません。
n次元空間上の非空な部分集合に対して、その極大元や極小元を定義します。1次元空間においてこれらは最大元や最小元と等しい概念ですが、多次元空間において両者は異なる概念です。
実数空間が全順序体としての公理を満たすことを認める場合、実数の連続性の公理と、カントールの縮小区間定理およびアルキメデスの性質が成り立つことは必要十分になります。
関数が点において右側微分可能かつ左側微分可能であるとともに左右の片側微分係数が一致することは、その関数がその点において微分可能であることと必要十分であるとともに、その場合、微分係数は片側微分係数と一致します。
関数の導関数が微分可能である場合には導関数の導関数が得られますがこれを2階の導関数と呼びます。同様に、3階の導関数、4階の導関数なども定義可能です。これらを高階の導関数と呼びます。
2つの異なる実数を任意に選んだとき、それらの間には必ず無理数が存在します。このような性質を無理数の稠密性と呼びます。また、すべての無理数からなる集合は非可算集合です。
定義域が凸集合であるとともに、そのグラフが谷型の曲線になるような関数を狭義凸関数と呼び、グラフが山型の曲線になるような関数を狭義凹関数と呼びます。狭義凸関数や狭義凹関数の概念はスカラー場(多変数関数)にも容易に拡張されます。
余弦(コサイン)関数は数直線上の任意の点において微分可能であるとともに、その導関数は正弦(サイン)関数に負の記号をつけたものと一致します。したがって、任意の微分可能な関数と余弦関数の合成関数もまた微分可能です。
自然指数関数は任意の点において微分可能であることを示すとともに、その導関数はもとの自然指数関数と一致します。また、自然指数関数と微分可能な関数の合成関数について、その導関数を特定します。
正の実数であるような底を所与としたとき、指数を変数とし、累乗を値として定めるような関数を指数関数と呼びます。指数関数は正の実数を値としてとる狭義単調関数です。
正弦関数は数直線上の任意の点において微分可能であるとともに、その導関数は余弦関数と一致します。したがって、任意の微分可能な関数と正弦関数の合成関数もまた微分可能です。
指数が有理数であるようなベキ関数を有理数ベキ関数と呼びます。正の有理数を指数とする有理数ベキ関数は非負の実数上に定義され、負の有理数を指数とする有理数ベキ関数は正の実数上に定義されます。
写像 f に対して合成写像 f∘g が恒等写像になるような写像 g が存在する場合、このような g を f の右逆写像と呼びます。選択公理を認める場合、写像 f に対してその右逆写像が存在することは、f が全射であるための必要十分条件です。
写像 f に対して合成写像 g∘f が恒等写像になるような写像 g が存在する場合、このような g を f の左逆写像と呼びます。写像 f に対してその左逆写像が存在することは、f が単射であるための必要十分条件です。
定義域の異なる要素に対して異なる像を定める写像を単射や1対1の写像などと呼びます。単射どうしの合成写像は単射です。また、単射の終集合を値域に限定すれば逆写像の存在を保証できます。
集合のスカラー倍およびミンコフスキー和を利用することにより集合どうしの線型結合や凸結合などの概念が定義可能です。凸集合どうしの線型結合は凸集合です。
定義域が凸集合であるとともに、そのグラフが直線もしくは谷型の曲線になるような関数を凸関数と呼びます。また、定義域が凸集合であるとともに、そのグラフが直線もしくは山型の曲線になるような関数を凹関数と呼びます。凸関数や凹関数の概念はスカラー場(多変数関数)にも容易に拡張されます。
ユークリッド空間の部分集合A,Bが与えられたとき、それらの点のベクトル和を集めてできる集合をミンコフスキー和と呼びます。凸集合どうしのミンコフスキー和は凸集合であることが保証されます。
ユークリッド空間の部分集合が与えられたとき、その集合のすべての点をスカラー倍して得られる新たな集合をもとの集合のスカラー倍と呼びます。凸集合のスカラー倍は凸集合であることが保証されます。
ユークリッド空間の部分集合に属する異なる2つの点を任意に選んだとき、それらの任意の狭義凸結合がその集合の内点であるならば、その集合を狭義凸集合と呼びます。
ユークリッド空間の部分集合 A が与えられたとき、点 a の任意の近傍が A と A の補集合の双方と交わるならば、a を A の境界点と呼びます。また、A のすべての境界点からなる集合を A の境界と呼びます。
ユークリッド空間の部分集合 A が与えられたとき、点 a を中心とする開近傍の中に A の補集合の部分集合になるものが存在するならば、a を A の外点と呼びます。また、A のすべての外点を集めてできる集合を A の外部と呼びます。
指数が自然数であるようなベキ関数を自然数ベキ関数と呼びます。指数が奇数である場合、自然数ベキ関数は狭義単調増加関数になります。また、定義域を非負の実数に制限した場合にも、自然数ベキ関数は狭義単調増加関数になります。
入力した値に等しい値を返す関数を恒等関数と呼びます。恒等関数は狭義単調増加関数であるとともに、定義域と値域は一致します。したがって、全区間上に定義された恒等関数は逆関数を持ち、それもまた恒等関数になります。また、恒等関数と任意の関数の合成関数もまた恒等関数になります。
変数の値が大きくなる場合には関数が定める値も必ず大きく(小さく)なるならば、そのような関数は狭義単調増加(狭義単調減少)であると言います。狭義単調関数は単射であり、その終集合を値域に制限すれば全単射になります。