集合の直積の補集合は、個々の集合の補集合の直積と一致するとは限りません。集合の直積の補集合は、個々の集合の補集合と全体集合の直積どうしの和集合として表現することはできます。
有界閉区間上に定義された関数の値域が定義域の部分集合であるとともに、その関数が連続である場合や、単調増加である場合などには、その関数は不動点を持つことが保証されます。
関数の極限をそのままでは特定するのが難しい場合、変数を変換することにより極限を容易に特定できるようになる場合があります。変数を変換した上で関数の極限を特定する方法について解説します。
2つの変数が関数を用いて関連付けられている場合、合成関数の微分を用いることにより、一方の変数の瞬間変化率が判明すれば、もう一方の変数の瞬間変化率も判明します。これを関連する変化率(related rates)と呼びます。
自然数集合は整列集合であるという事実を整列原理と呼びます。整列原理は数学的帰納法の原理や完全帰納法の原理と必要十分です。整列原理は背理法を用いた証明において有用です。
非空な順序部分集合が上に有界であるとともに、上界からなる集合が最小元を持つ場合、それを上限と呼びます。また、非空な順序部分集合が下に有界であるとともに、下界からなる集合が最大元を持つ場合、それを下限と呼びます。
直方体領域とは限らない一般の領域上に定義された3変数関数が3重リーマン積分可能であるための条件を特定するとともに、3重リーマン積分を具体的に導出する方法を解説します。
長方形領域とは限らない一般の領域上に定義された2変数関数が2重リーマン積分可能であるための条件を特定するとともに、2重リーマン積分を具体的に導出する方法を解説します。
長方形領域上に定義された不連続な2変数関数が2重リーマン積分可能であるための条件や、直方体領域上に定義された不連続な3変数関数が3重リーマン積分可能であるための条件について解説します。
有界かつ閉な直方体上に定義された多変数関数が連続である場合、関数は多重積分かつ逐次積分可能であるとともに、逐次積分の値は多重積分の値と一致します。これをフビニの定理と呼びます。
多変数関数を1変数関数とみなした上でリーマン積分をとり、得られた関数を再び1変数関数とみなした上でリーマン積分をとる、という操作をすべての変数に対して繰り返すことにより得られる値を逐次積分と呼びます。
曲面(パラメータ付き曲面)という概念は2変数のベクトル値関数の地域として定義されます。曲面はベクトル方程式は媒介変数表示、方程式などを用いて表現することもできます。
2人のドライバーがお互いに相手の車に向かって一直線に走行し、衝突寸前まで車を走らせる度胸試しをチキンゲームと呼びます。チキンゲームを完備情報の静学ゲームとして定式化した上でナッシュ均衡を求めます。
複占市場においてカルテルを形成せずに競争する企業が商品の供給量を同時に決定する状況をクールノー競争と呼ばれるモデルを用いて記述しましたが、同様の市場において2つの企業が商品の供給量を順番に決定する場合には何が起こるでしょうか。
2つの企業が生産する商品が代替財ないし補完財である状況において行われるベルトラン競争を定式化するとともに、そこでのベルトラン均衡を特定します。
2つの企業が生産する商品が代替財ないし補完財である状況において行われるクールノー競争を定式化するとともに、そこでのクールノー均衡を特定します。
同一企業が複数の商品市場を独占しており、なおかつ商品の生産に範囲の経済や範囲の不経済が成立する場合の利潤最大化問題について解説します。
同一企業が複数の商品市場を独占しており、なおかつ商品どうしが代替財ないし補完財である場合の利潤最大化問題について解説します。
複占市場の線型モデルにおいて2つの企業が結合利潤を最大化するような価格を選択するよう約束した場合においても、その約束に拘束力がない場合には、実際に実現するのは、両社とも価格競争を行うという結果(ベルトラン競争)であり、これは両社にとって効率的ではありません。
複占市場の線型モデルにおいて2つの企業が結合利潤を最大化するような生産計画を実行するよう約束した場合においても、その約束に拘束力がない場合には、実際に実現するのは、両社とも数量競争を行うという結果(クールノー競争)であり、これは両社にとって効率的ではありません。
等しい限界費用を持つ2つの企業がベルトラン競争を行う場合、均衡において両企業の利潤はゼロになります。一方、限界費用に差がある2つの企業がベルトラン競争を行う場合には、均衡において、相対的に効率的な企業は正の利潤を得られます。
クールノー競争が行われる複占市場において企業間の技術水準に差がある場合、すなわち企業間で限界費用に差がある場合にも、両企業の間の技術水準の差が十分小さい場合にはクールノー均衡が存在します
複占市場においてベルトラン競争が行われる場合には完全競争市場と同様に均衡価格が限界費用と一致しますが(ベルトランのパラドクス)、企業の生産力に制約がある場合には、均衡価格が限界費用を上回る事態が起こり得ます。
ベルトラン競争が行われる市場において企業数が1から2へ変化すると均衡価格が限界費用まで急激に下落して死荷重が消失しますが、企業数をそれ以上増やした場合、均衡における各企業の供給量は企業数に逆比例する形で減少していく一方で、均衡価格や死荷重は変化しません。
クールノー競争において企業数が増加するにつれて企業間の競争が激化し、クールノー均衡は完全競争均衡へ限りなく近づいていきます。
通常、独占市場や複占市場、寡占市場などの不完全競争市場において社会的余剰は最大化されません。一方、複占市場においてベルトラン競争が行われる場合には完全競争市場と同様に社会的余剰が最大化されます。こうした現象をベルトランのパラドクスと呼びます。
同質財が2つの企業によって供給される複占市場において、企業がカルテルを形成せずに価格を決定する状況をベルトラン競争モデルとして定式化するとともに、そこでのナッシュ均衡を特定します。
複占市場においてクールノー競争が行われる場合に実現する社会的余剰は、完全競争が行われる場合の社会的余剰よりも小さく、カルテルが形成される場合の社会的余剰よりも大きくなります。
同一企業が複数の商品市場を独占しており、なおかつ商品間で市場と生産それぞれ独立している場合の利潤最大化問題について解説します。
独占均衡では死荷重が発生するため社会的余剰が最大化されません。社会的余剰を最大化するために、独占企業が供給する商品の価格を競争均衡価格へ抑える政策を限界費用価格規制と呼びます。
複占市場においてカルテルを形成する2つの企業は、カルテルの限界収入と両企業の限界費用が一致するような生産計画を選択することにより結合利潤を最大化することができます。
変数xの自由な現れを持つ論理式A(x)に関する全称命題が偽であることを示すために、命題A(x)が偽になるような値xを具体的に提示する証明方法を反例による反証と呼びます。
変数xの自由な現れを持つ論理式A(x)に関する存在命題が真であることを示すために、命題A(x)が真になるような値xを具体的に提示する証明方法を構成的証明と呼びます。
同質財が2つの企業によって供給される複占市場において、企業がカルテルを形成せずに供給量を決定する状況をクールノー競争モデルとして定式化するとともに、そこでのナッシュ均衡を特定します。
2人ゼロ和ゲームにおいて一方のプレイヤーのマックスミニ値と他方のプレイヤーのミニマックス値が一致することは、ゲームに鞍点(ナッシュ均衡)が存在するための必要十分条件です。特に、有限ゲームの混合拡張においてマックスミニ値とミニマックス値は常に一致します。
1変数のベクトル値関数が微分可能であることと、そのすべての成分関数が微分可能であることは必要十分であるため、実数値関数の微分に関する知識を用いてベクトル値関数の微分可能性を検討できます。