数列の和の極限(和の法則) 2つの数列が収束するとき、それらの一般項の和を一般項とする数列もまた収束します。また、ともに正の無限大に発散する2つの数列や、ともに負の無限大に発散する2つの数列の間にも同様の関係が成り立ちます。
ベイジアンゲームにおける純粋戦略 不完備情報の静学ゲームをベイジアンゲームとして表現したとき、プレイヤーによる意思決定は純粋戦略と呼ばれる概念として定式化されます。プレイヤーの純粋戦略とは、自身のそれぞれのタイプに対して行動を1つずつ定める行動計画です。
1対1のマッチング問題における耐戦略的メカニズム 1対1のマッチング問題(安定結婚問題)におけるメカニズムにおいて、すべてのエージェントにとって自身の真の選好を正直に申告することが支配戦略である場合、そのようなメカニズムは耐戦略性を満たすと言います。
空事象 空集合は任意の集合の部分集合であることから、標本空間の部分集合でもあり、したがって事象です。空集合を事象とみなしたとき、それを空事象と呼びます。空事象は試行によって決して起こらない現象に相当する事象です。
固有値の固有空間とその次元 正方行列の固有値に対応するすべての列固有ベクトルとゼロベクトルからなるベクトル集合を、その固有値の固有空間と呼びます。固有空間は実ベクトル空間の部分空間であるとともに、その次元は固有値の重複度以下になります。
距離空間上の点列の収束可能性と有界性の関係 距離空間上の点列のすべての項を集めてできる集合が有界である場合、その点列は有界であると言います。収束する点列は常に有界ですが、有界な点列は収束するとは限りません。
実数体 公理主義的実数論では実数空間上に加法および乗法と呼ばれる二項演算を定義した上で、それらが体としての性質を満たすことを公理として定めます。演算に関する性質はいずれもそれらの公理から導かれて初めて正しいものとして認められます。
行列式の行または列に関する交代性 正方行列の2つの行(列)を入れ替えると、その前後において、行列式の値は符号だけが変化します。以上の事実を利用すると、同じ行(列)を持つ正方行列の行列式の値はゼロになることが示されます。
単一財オークションのIPVモデル(分布独立性の仮定) 単一オークション環境において入札者たちの利得関数に関して非外部性、準線型性、リスク中立性、私的価値を仮定するとともに、入札者たちのタイプに関して共通事前分布と分布独立性を仮定する場合、そのような環境をIPVモデルと呼びます。
囚人のジレンマの例:軍拡競争 冷戦期に行われた米ソ間の軍拡競争は囚人のジレンマとしての側面を持っていることを解説した上で、そこでのナッシュ均衡を求めます。また、両国の軍事負担が過大である場合、軍拡競争を鹿狩りゲーム(stag hunt)と解釈することもできます。