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EUCLIDEAN TOPOLOGY

コンパクト集合の演算

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コンパクト集合族の共通部分

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合を要素とする集合族が任意に与えられたとき、その共通部分もまた\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合になることが保証されます。

命題(コンパクト集合族の共通部分)
\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合を要素とする集合族\(\left\{ A_{\lambda }\right\} _{\lambda \in \Lambda }\)が任意に与えられたとき、その共通部分\begin{equation*}\bigcap\limits_{\lambda \in \Lambda }A_{\lambda }
\end{equation*}もまた\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合である。
証明

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上の命題中のコンパクト集合族\(\left\{ A_{\lambda }\right\}_{\lambda \in \Lambda }\)の添字集合\(\Lambda \)は任意の集合です。したがって、\(\Lambda \)が有限集合であれば上の命題は「有限個のコンパクト集合の共通部分はコンパクト集合である」という主張になり、\(\Lambda \)が可算集合であれば上の命題は「可算個のコンパクト集合の共通部分はコンパクト集合である」という主張になります。以上に加えて、\(\Lambda \)が非可算集合である場合にも同様の主張が成り立つことを上の命題は主張しています。

例(非可算個のコンパクト集合の共通部分)
\(\mathbb{R} ^{n}\)の部分集合族\(\left\{ A_{\lambda}\right\} _{\lambda \in \left[ 0,1\right] }\)の任意の要素\(A_{\lambda }\)が\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合であるとき、上の命題より、\begin{equation*}\bigcap\limits_{\lambda \in \left[ 0,1\right] }A_{\lambda }
\end{equation*}もまた\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合です。

 

コンパクト集合族の和集合

ユークリッド空間\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合を要素とする有限集合族が任意に与えられたとき、その和集合もまた\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合になることが保証されます。

命題(コンパクト集合族の和集合)
\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合を要素とする有限集合族\(\left\{ A_{i}\right\} _{i=1}^{n}\)が任意に与えられたとき、その和集合\begin{equation*}\bigcup\limits_{i=1}^{n}A_{i}
\end{equation*}もまた\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合である。
証明

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上の命題は「有限個のコンパクト集合の和集合はコンパクト集合である」という主張に相当します。一方、以下の例から明らかであるように、可算個のコンパクト集合の和集合はコンパクト集合であるとは限りません。これはコンパクト集合族の共通部分とは異なる点です。

例(コンパクト集合の和集合)
それぞれの\(i\in \mathbb{N} \)に対して、\(n\)個の有界閉区間\(\left[ -i,i\right] \subset \mathbb{R} \)の直積集合を、\begin{equation*}A_{i}=\left[ -i,i\right] \times \cdots \times \left[ -i,i\right] \subset \mathbb{R} ^{n}
\end{equation*}と表記します。これを\(n\)次元立方体と呼びます。さらに、\(n\)次元立方体を要素とする\(\mathbb{R} ^{n}\)の部分集合族\(\left\{ A_{i}\right\}_{i\in \mathbb{N} }\)について考えます。この集合族の和集合は、\begin{equation}\bigcup\limits_{i\in \mathbb{N} }A_{i}=\mathbb{R} ^{n} \quad \cdots (1)
\end{equation}となります。後ほど示すように、\(n\)次元直方体は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合であるため\(A_{i}\)はコンパクト集合です。したがって、\(\left( 1\right) \)の左辺は可算個のコンパクト集合の和集合です。一方、\(\mathbb{R} ^{n}\)自身は\(\mathbb{R} ^{n}\)上のコンパクト集合ではありません。それにも関わらず\(\left( 1\right) \)が成り立つということは、可算個のコンパクト集合の和集合がコンパクト集合ではないことを意味します。

次回はハイネ・ボレルの被覆定理について解説します。

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