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凸関数・凹関数

絶対値関数は凸関数

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絶対値関数は凸関数

絶対値関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が与えられているものとします。つまり、\(f\)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}を定めるということです。

絶対値関数は凸関数です。

命題(絶対値関数は凸関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}を定めるものとする。\(f\)は凸関数である。
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絶対値関数の実数乗は狭義凸関数

関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、定数\(p\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert ^{p}
\end{equation*}と表されるものとします。ただし、\begin{eqnarray*}
f\left( 0\right) &=&\left\vert 0\right\vert ^{p} \\
&=&0^{p} \\
&=&0
\end{eqnarray*}と定めます。

指数が\(p=1\)である場合には、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}となりますが、先に示したようにこの場合の\(f\)は凸関数です。一方、\(p>1\)の場合には\(f\)は狭義凸関数です。

命題(絶対値関数の実数乗は狭義凸関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、\(p>1\)を満たす定数\(p\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert ^{p}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)は狭義凸関数である。
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絶対値関数の定数倍

絶対値関数の定数倍の凹凸は以下の通りです。

命題(絶対値関数の定数倍)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}を定めるものとする。実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\(cf:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。以下が成り立つ。

  1. \(c>0\)ならば、\(cf\)は凸関数である。
  2. \(c<0\)ならば、\(cf\)は凹関数である。
  3. \(c=0\)ならば、\(cf\)は凸関数かつ凹関数である。
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絶対値関数の実数乗の定数倍の凹凸は以下の通りです。

命題(絶対値関数の実数乗の定数倍)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して定める値が、\(p>1\)を満たす定数\(p\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert ^{p}
\end{equation*}と表されるものとする。実数\(c\in \mathbb{R} \)を任意に選んだ上で関数\(cf:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。以下が成り立つ。

  1. \(c>0\)ならば、\(cf\)は狭義凸関数である。
  2. \(c<0\)ならば、\(cf\)は狭義凹関数である。
  3. \(c=0\)ならば、\(cf\)は凸関数かつ凹関数である。
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例(絶対値関数の実数乗の定数倍)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}}{2}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は狭義凸関数\(\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}\)の正の定数\(\frac{1}{2}\)倍であるため、\(f\)は狭義凸関数です。
例(絶対値関数の実数乗の定数倍)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =-\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は狭義凸関数\(\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}\)の負の定数\(-1\)倍であるため、\(f\)は狭義凹関数です。

 

絶対値関数と凸関数の和

絶対値関数と凸関数の和は凸関数です。

命題(絶対値関数と凸関数の和)
区間上に定義された関数\(f,g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)をそれぞれ任意に選んだ上で、そこから関数\(f+g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(f,g\)の一方が絶対値関数\(\left\vert x\right\vert \)で他方が凸関数であるならば、\(f+g\)は凸関数である。
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絶対値関数の実数乗と凸関数の和は狭義凸関数です。

命題(絶対値関数の実数乗と凸関数の和)
区間上に定義された関数\(f,g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)をそれぞれ任意に選んだ上で、そこから関数\(f+g:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)を定義する。\(f,g\)の一方が絶対値関数の実数乗\(\left\vert x\right\vert ^{p}\ \left( p>1\right) \)で他方が凸関数であるならば、\(f+g\)は狭義凸関数である。
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例(絶対値関数の実数乗と凸関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\frac{\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}}{2}+2x+1
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は狭義凸関数\(\frac{\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}}{2}\)と凸関数\(2x+1\)の和であるため、\(f\)は狭義凸関数です。
例(絶対値関数の実数乗と凸関数の和)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =-\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}+2x+1
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は狭義凹関数\(-\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}\)と凹関数\(2x+1\)の和であるため、\(f\)は狭義凹関数です。

 

絶対値関数との合成関数

アフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数に関して以下が成り立ちます。

命題(アフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数)
区間上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset I\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(x\in I\)に対して定める値が、\(p>1\)を満たす定数\(p\in \mathbb{R} \)および\(a\not=0\)を満たす定数\(a,b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert ax+b\right\vert ^{p}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)は狭義凸関数である。
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例(アフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert 2x+1\right\vert ^{\sqrt{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(2x+1\)と狭義凸関数\(\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}\)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凸関数です。

多変数のアフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数に関しても同様の主張が成り立ちます。

命題(アフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数)
凸集合上に定義された関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \)がそれぞれの\(\boldsymbol{x}\in X\)に対して定める値が、\(p>1\)を満たす定数\(p\in \mathbb{R} \)および\(\boldsymbol{a}\not=\boldsymbol{0}\)を満たすベクトル\(\boldsymbol{a}\in \mathbb{R} ^{n}\)とスカラー\(b\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}f\left( \boldsymbol{x}\right) =\left\vert \boldsymbol{a}\cdot \boldsymbol{x}+b\right\vert ^{p}
\end{equation*}と表されるものとする。\(f\)は狭義凸関数である。
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例(アフィン関数と絶対値関数の実数乗の合成関数)
関数\(f:\mathbb{R} ^{2}\rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(\left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\)に対して、\begin{equation*}f\left( x,y\right) =\left\vert x+y\right\vert ^{\sqrt{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)は定数関数ではないアフィン関数\(x+y\)と狭義凸関数\(\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}\)の合成関数であるため、\(f\)は狭義凸関数です。

 

演習問題

問題(絶対値関数は狭義凸関数ではない)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)それぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。本文中で示したように\(f\)は凸関数です。その一方で、\(f\)は狭義凸関数ではないことを証明してください。
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問題(絶対値関数の実数乗どうしの和)
関数\(f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}f\left( x\right) =\left\vert x\right\vert ^{\sqrt{2}}+\left\vert
x\right\vert ^{2}+x
\end{equation*}を定めるものとします。\(f\)が狭義凸関数であることを示してください。
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