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PROPOSITIONAL LOGIC

定数数列の極限

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定数数列

数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、ある実数\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}
x_{n}=c
\end{equation*}という形で表すことができるとき、\(\left\{ x_{n}\right\} \)を定数数列(constant sequence)や定数列などと呼びます。つまり、定数数列とはすべての項が等しい数列です。

定数数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)を再帰的に表現する場合、実数\(c\in \mathbb{R} \)を用いて、\begin{equation*}
\left\{
\begin{array}{l}
x_{1}=c \\
x_{n}=x_{n-1}\end{array}\right.
\end{equation*}となります。

例(定数数列)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}
x_{n}=5
\end{equation*}で与えられているとき、この\(\left\{ x_{n}\right\} \)は定数数列です。
例(定数数列)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}
x_{n}=\pi
\end{equation*}で与えられているとき、この\(\left\{ x_{n}\right\} \)は定数数列です。

 

定数数列の極限

数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)は定数数列であるものとします。つまり、ある\(c\in \mathbb{R} \)が存在して、\begin{equation*}
\forall n\in \mathbb{N} :x_{n}=c
\end{equation*}が成り立つということです。\(\left\{ x_{n}\right\} \)の項は常に一定の値\(c\)をとることを踏まえると\(\left\{ x_{n}\right\} \)は\(c\)へ収束しそうです。実際、これは正しい主張です。証明は以下の通りです。

数列の極限の定義より、目標は以下の命題\begin{equation}
\forall \varepsilon >0,\ \exists N\in \mathbb{N} ,\ \forall n\in \mathbb{N} :\left( n\geq N\Rightarrow \left\vert x_{n}-c\right\vert <\varepsilon
\right) \quad \cdots (1)
\end{equation}を示すことです。定数数列の定義より、任意の\(n\in \mathbb{N} \)に対して\(x_{n}=c\)すなわち\(\left\vert x_{n}-c\right\vert =0\)が成り立つため、\begin{equation*}
\forall \varepsilon >0,\ \forall n\in \mathbb{N} :\left\vert x_{n}-c\right\vert <\varepsilon
\end{equation*}が成り立ちます。このとき\(\left( 1\right) \)は明らかに成り立つため証明が完了しました。

命題(定数数列の極限)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)は定数数列であるものとする。つまり、\begin{equation*}
\exists c\in \mathbb{R} ,\ \forall n\in \mathbb{N} :x_{n}=c
\end{equation*}が成り立つものとする。この\(\left\{ x_{n}\right\} \)は収束するとともに、\begin{equation*}
\lim_{n\rightarrow \infty }x_{n}=c
\end{equation*}が成り立つ。
例(定数数列の極限)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の一般項が、\begin{equation*}
x_{n}=5
\end{equation*}であるものとします。\(\left\{ x_{n}\right\} \)は定数数列であるため、先の命題より、\begin{equation*}
\lim_{x\rightarrow \infty }x_{n}=5
\end{equation*}が成り立ちます。

 

演習問題

問題(定数数列)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)が定数数列であることとは、\begin{equation*}
\exists c\in \mathbb{R},\ \forall n\in \mathbb{N}:x_{n}=c
\end{equation*}が成り立つこととして定義されます。以上を踏まえたとき、\begin{equation*}
\forall n\in \mathbb{N}:x_{n+1}=x_{n}
\end{equation*}が成り立つことは、\(\left\{ x_{n}\right\} \)が定数数列であるための必要十分条件であることを証明してください。
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問題(定数数列の極限)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の項が、\begin{equation*}
1,2,3,2,3,4,5,5,5,5,5,5,5,\cdots
\end{equation*}のように、ある項から先が定数になる場合、すなわち、\begin{equation*}
\exists c\in \mathbb{R},\ \exists N\in \mathbb{N},\ \forall n\in \mathbb{N}:\left( n\geq N\Rightarrow x_{n}=c\right)
\end{equation*}が成り立つ場合、このような数列を eventually constant 数列と呼びます。以上を踏まえたとき、\begin{equation*}
\exists N\in \mathbb{N},\ \forall n\in \mathbb{N}:x_{N+n}=x_{N}
\end{equation*}が成り立つことは\(\left\{ x_{n}\right\} \)が eventually constant 数列であるための必要十分条件であることを証明してください。さらに、eventually constant 数列は有限な実数へ収束することを証明してください。
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次回は収束する数列の定数倍として定義される数列が収束することを示します。

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