問題1(15点)
問題(実数の連続性)
実数の連続性の公理とは、\(\mathbb{R} \)の切断\(\left\langle A,B\right\rangle \)を任意に選んだとき、以下の2つの条件\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \max A\text{は存在するが}\min B\text{は存在しない} \\
&&\left( b\right) \ \max A\text{は存在しないが}\min B\text{は存在する}
\end{eqnarray*}のどちらか一方が必ず成り立つことを意味します。実数の連続性の公理と必要十分であるような命題を3つ挙げてください(各5点)。
&&\left( b\right) \ \max A\text{は存在しないが}\min B\text{は存在する}
\end{eqnarray*}のどちらか一方が必ず成り立つことを意味します。実数の連続性の公理と必要十分であるような命題を3つ挙げてください(各5点)。
問題2(40点)
問題(数列に関する命題)
以下のそれぞれの命題について、それが真である場合には証明を行い、偽である場合には反例を提示してください(各10点)。
- 実数\(a,b\in \mathbb{R} \)について、\begin{equation*}\left( \forall n\in \mathbb{N} :a<b+\frac{1}{n}\right) \Rightarrow a\leq b\end{equation*}が成り立つ。
- 数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)が有界な単調数列であるならば、\(\left\{ x_{n}\right\} \)はコーシー列である。
- 2つの数列\(\left\{ x_{n}\right\} ,\left\{y_{n}\right\} \)がともに有限な実数へ収束しないならば、数列\(\left\{ x_{n}y_{n}\right\} \)もまた有限な実数へ収束しない。
- 数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の部分列\(\left\{ x_{l\left( n\right) }\right\} \)の中に正の無限大へ発散するものが存在する場合には、\(\left\{ x_{n}\right\} \)もまた正の無限大へ発散する。
問題3(20点)
問題(収束数列から定義される数列)
2つの数列\(\left\{ x_{n}\right\} ,\left\{y_{n}\right\} \)が与えられたとき、そこから、一般項が、\begin{eqnarray*}z_{2k-1} &=&x_{k} \\
z_{2k} &=&y_{k}
\end{eqnarray*}を満たす数列\(\left\{ z_{n}\right\} \)を定義します。つまり、\begin{equation*}\left\{ z_{n}\right\} =\left\{ x_{1},y_{1},x_{2},y_{2},\cdots \right\}
\end{equation*}です。以上を踏まえたとき、有限な実数\(L\in \mathbb{R} \)について、\(\left\{ x_{n}\right\} ,\left\{y_{n}\right\} \)がともに\(L\)へ収束することと、\(\left\{ z_{n}\right\} \)が\(L\)へ収束することは必要十分であることを示してください(十分性と必要性が各10点)。
z_{2k} &=&y_{k}
\end{eqnarray*}を満たす数列\(\left\{ z_{n}\right\} \)を定義します。つまり、\begin{equation*}\left\{ z_{n}\right\} =\left\{ x_{1},y_{1},x_{2},y_{2},\cdots \right\}
\end{equation*}です。以上を踏まえたとき、有限な実数\(L\in \mathbb{R} \)について、\(\left\{ x_{n}\right\} ,\left\{y_{n}\right\} \)がともに\(L\)へ収束することと、\(\left\{ z_{n}\right\} \)が\(L\)へ収束することは必要十分であることを示してください(十分性と必要性が各10点)。
問題4(25点)
問題(数列の上極限)
数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)が有界であるものとします。以下の問いに答えてください。
- 数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の上極限\(\lim\limits_{n\rightarrow \infty }\sup x_{n}\)の定義を述べてください(5点)。
- 有界な数列\(\left\{ x_{n}\right\} \)の部分列\(\left\{ x_{l\left( n\right) }\right\} \)が有限な実数へ収束する場合には、\begin{equation*}\lim_{n\rightarrow +\infty }x_{l\left( n\right) }\leq\lim\limits_{n\rightarrow \infty }\sup x_{n}
\end{equation*}が成り立つことを示してください(20点)。
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