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区間列と実数の連続性

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復習:実数の連続性

復習になりますが、実数の公理系は\(\mathbb{R} \)が全順序体であることを規定する公理と\(\mathbb{R} \)の連続性を規定する公理に分類されます。特に、実数の連続性を特徴づける公理としてデデキントの公理を採用しました。

公理(連続性の公理)
\(\mathbb{R} \)の切断\(\left\langle A,B\right\rangle \)を任意に選んだとき、\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \max A\text{は存在するが}\min B\text{は存在しない} \\
&&\left( b\right) \ \max A\text{は存在しないが}\min B\text{は存在する}
\end{eqnarray*}のどちらか一方が成り立つことを公理として定める。

\(\mathbb{R} \)の全順序体としての公理を認めるとき、デデキントの公理は以下のような様々な形で言い換え可能であることを示しました。

命題(連続性の公理)
\(\mathbb{R} \)が全順序体としての公理を満たすものとする。このとき、以下の5つの命題はお互いに必要十分である。\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{デデキントの公理} \\
&&\left( b\right) \ \text{上限性質} \\
&&\left( c\right) \ \text{下限性質} \\
&&\left( d\right) \ \text{上に有界な単調増加数列の収束定理} \\
&&\left( e\right) \ \text{下に有界な単調減少数列の収束定理}
\end{eqnarray*}

つまり、\(\mathbb{R} \)の連続性を規定する公理としてデデキントの公理、上限性質、下限性質、上に有界な単調増加数列の収束定理、および下に有界な単調増加数列の収束定理の中のどれを採用しても問題ないこということです。以下では、カントールの縮小区間定理を用いて実数の連続性を表現することもできることを解説します。

 

有界単調数列の収束定理と実数の連続性

復習になりますが、実数の連続性を公理として認めたとき、そこからカントールの縮小区間定理が示されます。実は、それとは逆に、カントールの縮小区間定理を公理として認めたとき、そこから実数の連続性を示すことができます。ただし、この証明にはアルキメデスの性質もまた必要です。アルキメデスの性質は実数の連続性から導かれる性質であるため、結局、カントールの縮小区間定理とアルキメデスの性質がともに成り立つことが実数の連続性と必要十分であるということになります。

命題(上限性質の言い換え)
\(\mathbb{R} \)が全順序体としての公理を満たすものとする。このとき、カントールの縮小区間定理とアルキメデスの性質がともに成り立つことと上限性質は必要十分である。
証明

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以上の命題より、実数の連続性は以下のような様々な形で表現可能であることが明らかになりました。

命題(連続性の公理)
\(\mathbb{R} \)が全順序体としての公理を満たすものとする。このとき、以下の6つの命題はお互いに必要十分である。\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{デデキントの公理} \\
&&\left( b\right) \ \text{上限性質} \\
&&\left( c\right) \ \text{下限性質} \\
&&\left( d\right) \ \text{上に有界な単調増加数列の収束定理} \\
&&\left( e\right) \ \text{下に有界な単調減少数列の収束定理} \\
&&\left( f\right) \ \text{カントールの縮小区間定理+アルキメデスの性質}
\end{eqnarray*}

つまり、\(\mathbb{R} \)の連続性を規定する公理として上の6つの命題の中のどれを採用しても問題ないということです。

 

有理数の非連続性

カントールの縮小区間定理とアルキメデスの性質によって\(\mathbb{R} \)の連続性が表現できるのであれば、連続性を満たさない\(\mathbb{Q} \)はカントールの縮小区間定理とアルキメデスの性質の少なくとも一方を満たさないはずです。\(\mathbb{Q} \)がカントールの縮小区間定理を満たさないとは、\(\mathbb{Q} \)上に定義された入れ子構造の閉区間列の共通部分が1点集合になるとは限らないこと、すなわちその共通部分が有理数を要素として持つ1点集合になるとは限らないことを意味します。以下で確認しましょう。

例(有理数の非連続性)
無理数\(\sqrt{2}\)は以下の非循環小数\begin{equation*}\sqrt{2}=1.41421356\cdots
\end{equation*}として表現されます。そこで、\(\mathbb{Q} \)上の区間列\(\left\{ I_{n}\right\} \)を、\begin{eqnarray*}I_{1} &=&\left[ 1,2\right] \\
I_{2} &=&\left[ 1.4,1.5\right] \\
I_{3} &=&\left[ 1.41,1.42\right] \\
I_{4} &=&\left[ 1.414,1.4142\right] \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}と定義します。この区間列\(\left\{ I_{n}\right\} \)はカントールの縮小区間定理が要求する条件を満たす一方で、この区間列の共通部分の要素であるような有理数は存在しません(演習問題にします)。したがって、\(\mathbb{Q} \)上においてカントールの縮小区間定理が成り立たないことが明らかになりました。

 

演習問題

問題(有理数の不連続性)
\(\mathbb{Q} \)上の区間列\(\left\{ I_{n}\right\} \)を、\begin{eqnarray*}I_{1} &=&\left[ 1,2\right] \\
I_{2} &=&\left[ 1.4,1.5\right] \\
I_{3} &=&\left[ 1.41,1.42\right] \\
I_{4} &=&\left[ 1.414,1.4142\right] \\
&&\vdots
\end{eqnarray*}と定義します。この区間列の共通部分の要素であるような有理数は存在しないことを証明してください。

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次回は部分列について解説します。

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DISCUSSION

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