ベクトル値関数と多変数関数の合成関数の連続性
ベクトル値関数\(f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} ^{n}\)の値域と多変数関数\(f:\mathbb{R} ^{n}\supset Y\rightarrow \mathbb{R} \)の定義域の間に、\begin{equation*}f\left( X\right) \subset Y
\end{equation*}という関係が成り立つ場合には合成関数\begin{equation*}
g\circ f:\mathbb{R} \supset X\rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in X\)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( f\left( x\right) \right) \in \mathbb{R} \end{equation*}を定めます。
ベクトル値関数\(f\)は定義域上の点\(a\in X\)を含め周辺の任意の点において定義されているとともに点\(a\)において連続であるものとします。合成関数の定義より\(f\left( a\right) \in Y\)ですが、多変数関数\(g\)が点\(f\left(a\right) \)の周辺の任意の点において定義されているとともに点\(f\left( a\right) \)において連続であるものとします。以上の条件が満たされる場合、合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において連続であることが保証されます。
つまり、定義域上の点\(a\)において連続なベクトル値関数\(f\)と点\(f\left(a\right) \)において連続な多変数関数\(g\)が与えられたとき、それらの合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において連続であることが保証されます。したがって、合成関数\(g\circ f\)の連続性を判定する際には、関数の連続性の定義にさかのぼって考える前に、まずは\(f\)と\(g\)に分けた上で、これらがそれぞれ上述の条件を満たすことを確認すればよいということになります。
\end{equation*}を定めるものとします。多変数関数\(g:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、\begin{equation*}f\left( \mathbb{R} \right) \subset X
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( x^{2}+x+1,\left\vert
x\right\vert \right)
\end{equation*}を定めます。多項式関数と絶対値関数は連続であるため、点\(a\in \mathbb{R} \)を選んだとき、関数\(f\)は点\(a\)において連続です。したがって、関数\(g\)が点\(f\left( a\right) =\left( a^{2}+a+1,\left \vert a\right\vert \right) \)において連続であるならば、先の命題より合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において連続です。\(g\)が\(X\)上の任意の点において連続であるならば、同様の理由により、\(g\circ f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
\end{equation*}を定めるものとします。多変数関数\(g:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、\begin{equation*}f\left( \mathbb{R} \right) \subset X
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} _{++}\rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in \mathbb{R} _{++}\)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( \ln \left( x\right) ,x^{\pi
}\right)
\end{equation*}を定めます。対数関数とベキ関数は連続であるため、点\(a\in \mathbb{R} _{++}\)を選んだとき、関数\(f\)は点\(a\)において連続です。したがって、関数\(g\)が点\(f\left( a\right) =\left( \ln\left( x\right) ,a^{\pi }\right) \)において連続であるならば、先の命題より合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において連続です。\(g\)が\(X\)上の任意の点において連続であるならば、同様の理由により、\(g\circ f\)は\(\mathbb{R} _{++}\)上で連続です。
\end{equation*}を定めるものとします。多変数関数\(g:\mathbb{R} ^{2}\supset X\rightarrow \mathbb{R} \)が与えられたとき、\begin{equation*}f\left( \mathbb{R} \right) \subset X
\end{equation*}が成り立つ場合には合成関数\(g\circ f:\mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R} \)が定義可能であり、これはそれぞれの\(x\in \mathbb{R} \)に対して、\begin{equation*}\left( g\circ f\right) \left( x\right) =g\left( \sin \left( x\right) ,\cos
\left( x\right) \right)
\end{equation*}を定めます。正弦関数と余弦関数は連続であるため、点\(a\in \mathbb{R} \)を選んだとき、関数\(f\)は点\(a\)において連続です。したがって、関数\(g\)が点\(f\left( a\right) =\left( \sin \left( a\right),\cos \left( a\right) \right) \)において連続であるならば、先の命題より合成関数\(g\circ f\)もまた点\(a\)において連続です。\(g\)が\(X\)上の任意の点において連続であるならば、同様の理由により、\(g\circ f\)は\(\mathbb{R} \)上で連続です。
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