論理式の真理値を評価する作業を真理値分析と呼びます。命題関数 \(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \) の変数の組 \(\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \) に値の組 \(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \) を代入すれば命題 \(P\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \) を得ますが、この命題の値が \(1\) になるような値の組 \(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \) からなる集まりを \(\phi \left( P\right) \) で表し、これを \(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \) の真理集合と呼びます。

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命題関数の値

議論領域\(D\)における命題関数\(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \)が与えられたとき、変数の組\(\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \)に値の組\(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)を代入すれば命題\(P\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)を得ます。そこで、命題\(P\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)の値が\(1\)になるような値の組\(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)からなる集まりを\(\phi \left( P\right) \)で表し、これを\(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \)の真理集合(truth set)と呼びます。

命題関数\(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \)が与えられたとき、変数の値の組\(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)が真理集合\(\phi \left( P\right) \)に含まれることを、\begin{equation*}
\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \in \phi \left( P\right)
\end{equation*}で表します。これは命題\(P\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)の真理値が\(1\)であることを意味します。一方、変数の値の組\(\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)が真理集合\(\phi \left( P\right) \)に含まれないことを、\begin{equation*}
\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \not\in \phi \left( P\right)
\end{equation*}で表します。これは命題\(P\left( \overline{x}_{1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)の真理値が\(0\)であることを意味します。

例(真理集合)
定義域を\(\mathbb{R}\)とする変数\(x\)に関する命題関数\begin{equation*}
P\left( x\right) :x^{2}=1
\end{equation*}の真理集合は、2 つの実数\(1,-1\)からなる集まりであり、これを、\begin{equation*}
\phi \left( P\right) =\{1,-1\}
\end{equation*}と表記します。
例(真理集合)
定義域を\(\mathbb{N}\)とする変数\(x,y\)に関する命題関数\begin{equation*}
P\left( x,y\right) :x+y\leq 3
\end{equation*}の真理集合は、\(\left( x,y\right) =\left( 1,1\right) ,\left( 1,2\right) ,\left( 2,1\right) \)という実数の組からなる集まりであり、これを、\begin{equation*}
\phi \left( P\right) =\{\left( 1,1\right) ,\left( 1,2\right) ,\left( 2,1\right) \}
\end{equation*}と表記します。

 

命題関数から生成される原子論理式の値

議論領域\(D\)における命題関数\(P\left( x_{1},\cdots ,x_{n}\right) \)の真理集合を\(\phi \left( P\right) \)で表します。変数\(x_{1},\cdots ,x_{n}\)の中から特定の変数\(x_{1},\cdots ,x_{m}\ \left( m\leq n\right) \)を任意に選んだ上で、それらの値の組\(\left( \bar{x}_{1},\cdots ,\bar{x}_{m}\right) \)を任意に選びます。これを命題関数\(P\)の該当する変数に代入して得られる命題関数\(P\left( \bar{x}_{1},\cdots ,\bar{x}_{m},x_{m+1},\cdots ,x_{n}\right) \)を便宜的に\(\bar{P}\)で表すことにしますが、これは\(D\)の論理式です。

論理式\(\bar{P}\)を上のように構成したとき、値が代入されていない変数\(\left( x_{m+1},\cdots ,x_{n}\right) \)の値の組\(\left( \overline{x}_{m+1},\cdots ,\overline{x}_{n}\right) \)に対して、\begin{equation*}
\left( \bar{x}_{1},\cdots ,\bar{x}_{m},\bar{x}_{m+1},\cdots ,\bar{x}_{n}\right) \in \phi \left( P\right)
\end{equation*}が成り立つ場合には\(\bar{P}\)の値を\(1\)と定め、\begin{equation*}
\left( \bar{x}_{1},\cdots ,\bar{x}_{m},\bar{x}_{m+1},\cdots ,\bar{x}_{n}\right) \not\in \phi \left( P\right)
\end{equation*}が成り立つ場合には\(\bar{P}\)の値を\(0\)と定めます。

例(真理集合)
定義域を\(\mathbb{N}\)とする変数\(x,y\)に関する命題関数\begin{equation*}
P\left( x,y\right) :x+y\leq 3
\end{equation*}の真理集合は、\begin{equation*}
\phi \left( P\right) =\{\left( 1,1\right) ,\left( 1,2\right) ,\left( 2,1\right) \}
\end{equation*}です。今、\(P\left( x,y\right) \)において\(x=1\)を代入すると、\begin{equation*}
P\left( 1,y\right) :1+y\leq 3
\end{equation*}という命題関数を得ますが、\(y=1,2\)に関してこれは真になります。一方、\(P\)において\(x=3\)を代入すると、\begin{equation*}
P\left( 3,y\right) :3+y\leq 3
\end{equation*}という命題関数を得ますが、これが真になるような\(y\)の値は存在しません。

 

命題定数の値

命題定数\(T,F\)は議論領域\(D\)における論理式です。命題定数の定義より、\(T\)の値は常に\(1\)であり、\(F\)の値は常に\(0\)です。

次回は否定の値について学びます。

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