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述語論理

述語論理における論理積

目次

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論理積

論理式の定義より、論理式\(A,B\)に論理演算子\(\wedge \)を作用させることで得られる\(A\wedge B\)もまた論理式です。\(\wedge \)は論理積(logical product)と呼ばれる論理演算子であり、論理式\(A\wedge B\)を\(A\)\(B\)の論理積(logicalproduct of \(A\) and \(B\))と呼びます。これは「\(A\)かつ\(B\)(\(A\) and \(B\))」という表現に対応する論理式です。

例(論理積)
以下の主張\begin{equation*}
x\text{は偶数であり、なおかつ}y\text{は奇数である}
\end{equation*}はどのような論理式として定式化できるでしょうか。命題関数\(P\left( x\right) ,Q\left( y\right) \)をそれぞれ、\begin{eqnarray*}P\left( x\right) &:&x\text{は偶数である}
\\
Q\left( y\right) &:&y\text{は奇数である}
\end{eqnarray*}とおくと、先の主張は、\begin{equation*}
P\left( x\right) \wedge Q\left( y\right)
\end{equation*}という論理式として定式化されます。同様に考えると、\begin{equation*}
x\text{は偶数ではなく、なおかつ}y\text{は奇数ではない}
\end{equation*}という主張は、\begin{equation*}
\lnot P\left( x\right) \wedge \lnot Q\left( y\right)
\end{equation*}という論理式として定式化されます。では、以下の主張\begin{equation*}
x\text{は偶数かつ}y\text{は奇数であり、なおかつ}x+y\geq 4\text{である}
\end{equation*}はどのような論理式として定式化できるでしょうか。新たな命題関数\(R\left( x,y\right) \)を、\begin{equation*}R\left( x,y\right) :x+y\geq 4
\end{equation*}とおくと、この主張は、\begin{equation*}
\left( P\left( x\right) \wedge Q\left( y\right) \right) \wedge R\left(
x,y\right)
\end{equation*}という論理式として定式化されます。

例(論理積)
命題関数\(P\left( x,y\right) ,Q\left( x,z\right) \)がそれぞれ、\begin{eqnarray*}P\left( x,y\right) &:&x\text{と}y\text{は知り合いである} \\
Q\left( x,z\right) &:&x\text{と}z\text{は知り合いである}
\end{eqnarray*}とおくとき、\begin{eqnarray*}
P\left( x,y\right) \wedge Q\left( x,z\right) &:&x\text{は}y\text{の知り合いであり、なおかつ}x\text{は}z\text{の知り合いである} \\
P\left( x,y\right) \wedge \lnot Q\left( x,z\right) &:&x\text{は}y\text{の知り合いだが、}x\text{は}z\text{の知り合いではない} \\
\lnot P\left( x,y\right) \wedge Q\left( x,z\right) &:&x\text{は}y\text{の知り合いではないが、}x\text{は}z\text{の知り合いである} \\
\lnot P\left( x,y\right) \wedge \lnot Q\left( x,z\right) &:&x\text{は}y\text{の知り合いではなく、なおかつ}x\text{は}z\text{の知り合いでもない}
\end{eqnarray*}などとなります。

 

論理積の解釈

2つの論理式\(A,B\)が与えられたとき、それらの論理積\(A\wedge B\)もまた論理式です。論理式の値を特定するためには何らかの解釈を与える必要があります。解釈が与えられたとき、\(A,B\)から得られる命題を\(\overline{A},\overline{B}\)でそれぞれ表記し、同じ解釈のもとで\(A\wedge B\)から得られる命題を\(\overline{A}\wedge \overline{B}\)で表記します。その上で、任意の解釈のもとで\(\overline{A}\wedge \overline{B}\)は命題論理の意味での\(\overline{A}\)と\(\overline{B}\)の論理積であるものと定めます。つまり、解釈を任意に選んだとき、以下の真理値表
$$\begin{array}{ccc}\hline
\overline{A} & \overline{B} & \overline{A}\wedge \overline{B} \\ \hline
1 & 1 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 1 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:論理積の値

で表される関係が成り立つものとして論理積\(\wedge \)を定義するということです。

以上が述語論理における論理積の定義です。定義を踏まえた上で、以下では、論理式\(A,B\)が開論理式である場合や閉論理式である場合など様々なケースにおいて、それらの論理積\(A\wedge B\)がどのようなものになるのかを整理するとともに具体例を提示します。

 

開論理式どうしの論理積

変数\(x\)の自由な現れを持つ開論理式\(A\left( x\right) ,B\left(x\right) \)が与えられたとき、それらの論理積\(\left(A\wedge B\right) \left( x\right) \)もまた変数\(x \)の自由な現れを持つ開論理式です。開論理式の値を特定するためには解釈、すなわち以下の3つの要素\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{議論領域(}x\text{の定義域)} \\
&&\left( b\right) \ \text{論理式}A,B\text{を構成するすべての命題関数の形状} \\
&&\left( c\right) \ \text{変数}x\text{の自由な現れに代入する値}\overline{x}
\end{eqnarray*}を具体的に特定する必要があります。論理積の定義より、解釈としてどのようなものを選んだ場合においても、\(\left( A\wedge B\right) \left(x\right) \)から得られる命題は\(A\left( x\right) ,B\left( x\right) \)から得られる2つの命題の論理積になります。つまり、\(A\left( x\right) \)から得られる命題を\(\overline{A}\left( \overline{x}\right) \)で表記し、\(B\left( x\right) \)から得られる命題を\(\overline{B}\left( \overline{x}\right) \)で表記し、\(\left( A\wedge B\right) \left( x\right) \)から得られる命題を\(\left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right)\left( \overline{x}\right) \)で表記するとき、この3つの命題の真理値の間には、以下の真理値表

$$\begin{array}{ccc}\hline
\overline{A}\left( \overline{x}\right) & \overline{B}\left( \overline{x} \right) & \left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( \overline{x }\right) \\ \hline
1 & 1 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 1 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:論理積の値

で表される関係が常に成り立つということです。

同じことを真理集合を用いて表現すると以下のようになります。

命題(論理積の真理集合)
変数\(x\)の自由な現れを持つ開論理式\(A\left( x\right) ,B\left(x\right) \)が与えられているものとする。\(x\)の定義域\(X\)および\(A,B\)を構成するすべての命題関数の形状を任意に選んだ上で、その場合に\(A\left( x\right) ,B\left( x\right) \)から得られる論理式を\(\overline{A}\left( x\right) ,\overline{B}\left( x\right) \)で表記し、論理積\(\left( A\wedge B\right) \left( x\right) \)から得られる論理式を\(\left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( x\right) \)で表記する。変数\(x\)の自由な現れに代入する値\(\overline{x}\in X\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}\overline{x}\in \phi \left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right)
\Leftrightarrow \overline{x}\in \phi \left( \overline{A}\right) \wedge
\overline{x}\in \phi \left( \overline{B}\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。

証明

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例(論理積の解釈)
変数\(x\)の定義域\(X\)はすべての整数からなる集合であるものとします。命題関数\(P\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x^{2}=1
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x>0
\end{equation*}と定義すると、これらの真理集合は、\begin{eqnarray*}
\phi \left( P\right) &=&\left\{ -1,1\right\} \\
\phi \left( Q\right) &=&\left\{ 1,2,3,\cdots \right\}
\end{eqnarray*}となります。一方、論理積\(\left( P\wedge Q\right) \left( x\right) \)は、\begin{equation*}x^{2}=1\wedge x>0
\end{equation*}であり、その真理集合は、\begin{equation*}
\phi \left( P\wedge Q\right) =\left\{ 1\right\}
\end{equation*}となります。任意の値\(x\in X\)について、\begin{equation*}x\in \phi \left( P\wedge Q\right) \Leftrightarrow x\in \phi \left( P\right)
\wedge x\in \phi \left( Q\right)
\end{equation*}という関係が成立します。

開論理式どうしが異なる変数の現れを持つ場合にも同様に考えます。

変数\(x,y\)の自由な現れを持つ開論理式\(A\left( x,y\right) \)と、変数\(y,z\)の自由な現れを持つ開論理式\(B\left( y,z\right) \)が与えられたとき、それらの論理積\(\left( A\wedge B\right) \left( x,y,z\right) \)は変数\(x,y,z\)の自由な現れを持つ開論理式です。開論理式の値を特定するためには解釈、すなわち以下の3つの要素\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{議論領域(}x,y,z\text{の定義域)} \\
&&\left( b\right) \ \text{論理式}A,B\text{を構成するすべての命題関数の形状} \\
&&\left( c\right) \ \text{変数}x,y,z\text{の自由な現れに代入する値}\overline{x},\overline{y},\overline{z}
\end{eqnarray*}を具体的に特定する必要があります。論理積の定義より、解釈としてどのようなものを選んだ場合においても、\(\left( A\wedge B\right) \left(x,y,z\right) \)から得られる命題は\(A\left( x,y\right) ,B\left( y,z\right) \)から得られる2つの命題の論理積になります。つまり、\(A\left( x,y\right) ,B\left( y,z\right) \)から得られる命題を\(\overline{A}\left( \overline{x},\overline{y}\right) ,\overline{B}\left( \overline{y},\overline{z}\right) \)でそれぞれ表記し、\(\left( A\wedge B\right) \left( x,y,z\right) \)から得られる命題を\(\left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( \overline{x},\overline{y},\overline{z}\right) \)で表記するとき、この3つの命題の真理値の間には、以下の真理値表
$$\begin{array}{ccc}\hline
\overline{A}\left( \overline{x},\overline{y}\right) & \overline{B}\left( \overline{y},\overline{z}\right) & \left( \overline{A}\wedge \overline{B} \right) \left( \overline{x},\overline{y},\overline{z}\right) \\ \hline
1 & 1 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 1 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:論理積の値

で表される関係が常に成り立つということです。

同じことを真理値表を用いて表現すると以下のようになります。証明は先の命題と同様です。

命題(論理積の真理集合)
変数\(x,y\)の自由な現れを持つ開論理式\(A\left( x,y\right) \)と変数\(y,z\)の自由な現れを持つ開論理式\(B\left( y,z\right) \)が与えられているものとする。\(x,y,z\)の定義域\(X,Y,Z\)および\(A,B\)を構成するすべての命題関数の形状を任意に選んだ上で、その場合に\(A\left(x,y\right) ,B\left( y,z\right) \)から得られる論理式を\(\overline{A}\left( x,y\right) ,\overline{B}\left( y,z\right) \)で表記し、論理積\(\left( A\wedge B\right) \left( x,y,z\right) \)から得られる論理式を\(\left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( x,y,z\right) \)で表記する。変数\(x,y,z\)の自由な現れに代入する値からなる組\(\left( \overline{x},\overline{y},\overline{z}\right) \in X\times Y\times Z\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}\left( \overline{x},\overline{y},\overline{z}\right) \in \phi \left(
\overline{A}\wedge \overline{B}\right) \Leftrightarrow \left( \overline{x},\overline{y}\right) \in \phi \left( \overline{A}\right) \wedge \left(
\overline{y},\overline{z}\right) \in \phi \left( \overline{B}\right)
\end{equation*}という関係が成り立つ。

ここでは話を一般化するために、開論理式\(A\)だけが持つ変数の自由な現れ\(x\)、開論理式\(B\)だけが持つ変数の自由な現れ\(z\)、そして\(A\)と\(B\)が共有する変数の自由な現れ\(y\)がいずれも存在するケースについて考えました。実際には、\(x\)に相当する変数の自由な現れが存在しない場合(\(A\left( y\right) ,B\left( y,z\right) \))や、\(y\)に相当する変数の自由な現れが存在しない場合(\(A\left( x\right) ,B\left( z\right) \))や、\(z\)に相当する変数の自由な現れが存在しない場合(\(A\left( x,y\right) ,B\left(y\right) \))など様々な状況が起こり得ます。また、\(x,y,z\)それぞれに相当する変数の自由な現れが複数存在する状況も起こり得ます。いずれの場合にも先と同様に考えます。

例(論理積の解釈)
変数\(x,y\)の定義域\(X,Y\)は等しく、これはすべての数からなる集合であるものとします。命題関数\(P\left( x,y\right) \)を、\begin{equation*}x^{2}=y
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x\text{は実数}
\end{equation*}と定義すると、論理積\(P\left( x,y\right) \wedge Q\left( x\right) \)は、\begin{equation*}x^{2}=y\text{かつ}x\text{は実数}
\end{equation*}となります。値の組\(\left( x,y\right) =\left( -1,1\right) \)については、\(\left( -1\right) ^{2}=1\)が真であるとともに\(-1\)は実数であるため、\begin{eqnarray*}\left( -1,1\right) &\in &\phi \left( P\right) \\
-1 &\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( -1,1\right) &\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。値の組\(\left( x,y\right) =\left( 1,-1\right) \)については、\(1^{2}=-1\)は偽である一方で\(1\)は実数であるため、\begin{eqnarray*}\left( 1,-1\right) &\not\in &\phi \left( P\right) \\
1 &\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( 1,-1\right) &\not\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。値の組\(\left( x,y\right) =\left( i,-1\right) \)については、\(i^{2}=-1\)は真である一方で\(i\)は実数ではないため、\begin{eqnarray*}\left( i,-1\right) &\in &\phi \left( P\right) \\
i &\not\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( i,-1\right) &\not\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。任意の\(\left( x,y\right) \in X\times Y\)について、\begin{equation*}\left( x,y\right) \in \phi \left( P\wedge Q\right) \Leftrightarrow \left(
x,y\right) \in \phi \left( P\right) \wedge x\in \phi \left( Q\right)
\end{equation*}という関係が成立します。

例(論理積の解釈)
変数\(x,y,z\)の定義域\(X,Y,Z\)は等しく、これはある街の住人からなる集合であるものとします。命題関数\(P\left( x,y\right) \)を、\begin{equation*}x\text{と}y\text{は知り合い}
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( y,z\right) \)を、\begin{equation*}y\text{と}z\text{は知り合い}
\end{equation*}と定義すると、論理積\(\left( P\wedge Q\right) \left( x,y,z\right) \)は、\begin{equation*}x\text{は}y\text{の知り合いであり、なおかつ}y\text{は}z\text{の知り合い}
\end{equation*}となります。3人の住人からなる組\(\left( A,B,C\right) \in X\times Y\times Z\)について、彼らがお互いに知り合いであるならば、\begin{eqnarray*}\left( A,B\right) &\in &\phi \left( P\right) \\
\left( B,C\right) &\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( A,B,C\right) &\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。また、\(A\)と\(B\)が知り合いであり、\(B\)と\(C\)が知り合いである一方で、\(A\)と\(C\)が知り合いでない場合には、\begin{eqnarray*}\left( A,B\right) &\in &\phi \left( P\right) \\
\left( B,C\right) &\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( A,B,C\right) &\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。さらに、\(A\)と\(B\)が知り合いであり、\(B\)と\(C\)は知り合いではなく、\(A\)と\(C\)が知り合いである場合には、\begin{eqnarray*}\left( A,B\right) &\in &\phi \left( P\right) \\
\left( B,C\right) &\not\in &\phi \left( Q\right) \\
\left( A,B,C\right) &\not\in &\phi \left( P\wedge Q\right)
\end{eqnarray*}が成り立ちます。任意の\(\left( A,B,C\right) \in X\times Y\times Z\)について、\begin{equation*}\left( A,B,C\right) \in \phi \left( P\wedge Q\right) \Leftrightarrow \left(
A,B\right) \in \phi \left( P\right) \wedge \left( B,C\right) \in \phi \left(
Q\right)
\end{equation*}という関係が成立します。

 

開論理式と閉論理式の論理積

変数\(x\)の自由な現れを持つ開論理式\(A\left( x\right) \)と変数の自由な現れを持たない閉論理式\(B\)が与えられたとき、それらの論理積\(\left( A\wedge B\right)\left( x\right) \)は変数\(x \)の自由な現れを持つ開論理式です。開論理式の値を特定するためには解釈、すなわち以下の3つの要素\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{議論領域(}x\text{の定義域)} \\
&&\left( b\right) \ \text{論理式}A,B\text{を構成するすべての命題関数の形状} \\
&&\left( c\right) \ \text{変数}x\text{の自由な現れに代入する値}\overline{x}
\end{eqnarray*}を具体的に特定する必要があります。論理積の定義より、解釈としてどのようなものを選んだ場合においても、\(\left( A\wedge B\right) \left(x\right) \)から得られる命題は\(A\left( x\right) ,B\)から得られる2つの命題の論理積になります。つまり、\(A\left( x\right) \)から得られる命題を\(\overline{A}\left( \overline{x}\right) \)で表記し、\(B\)から得られる命題を\(\overline{B}\)で表記し、\(\left( A\wedge B\right) \left( x\right) \)から得られる命題を\(\left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( \overline{x}\right) \)で表記するとき、この3つの命題の真理値の間には、以下の真理値表
$$\begin{array}{ccc}\hline
\overline{A}\left( \overline{x}\right) & \overline{B} & \left( \overline{A}\wedge \overline{B}\right) \left( \overline{x}\right) \\ \hline
1 & 1 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 1 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:論理積の値

で表される関係が常に成り立つということです。

例(論理積の解釈)
変数\(x\)の定義域\(X\)はすべての実数からなる集合であるものとします。以下の論理式\begin{equation}\forall x\in X:x^{2}\geq 0 \quad \cdots (1)
\end{equation}は閉論理式ですが、以下の論理式\begin{equation}
x>0 \quad \cdots (2)
\end{equation}は開論理式です。これらの論理積をとると以下の開論理式\begin{equation}
\left( \forall x\in X:x^{2}\geq 0\right) \wedge x>0 \quad \cdots (3)
\end{equation}が得られます。変数\(x\)の自由な現れに代入する値\(\overline{x}\)を適当に選ぶと、\(\left( 1\right) ,\left( 2\right) ,\left(3\right) \)から以下の3つの命題\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \forall x\in X:x^{2}\geq 0 \\
&&\left( b\right) \ \overline{x}>0 \\
&&\left( c\right) \ \left( \forall x\in X:x^{2}\geq 0\right) \wedge
\overline{x}>0
\end{eqnarray*}が得られますが、論理積の定義より、\(\left(a\right) \)と\(\left( b\right) \)がともに真であるならば\(\left( c\right) \)もまた真です。一方、\(\left( a\right) \)と\(\left( b\right) \)の少なくとも一方が偽ならば\(\left( c\right) \)もまた偽です。

 

閉論理式どうしの論理積

変数の自由な現れを持たない閉論理式\(A,B\)が与えられたとき、それらの論理積\(A\wedge B\)もまた閉論理式です。閉論理式の値を特定するためには解釈、すなわち以下の2つの要素\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ \text{議論領域} \\
&&\left( b\right) \ \text{論理式}A,B\text{を構成するすべての命題関数の形状}
\end{eqnarray*}を具体的に特定する必要があります。論理積の定義より、解釈としてどのようなものを選んだ場合においても、\(A\wedge B\)から得られる命題は\(A,B\)から得られる2つの命題の論理積になります。つまり、\(A\)から得られる命題を\(\overline{A}\)で表記し、\(B\)から得られる命題を\(\overline{B}\)で表記し、\(A\wedge B\)から得られる命題を\(\overline{A}\wedge \overline{B}\)で表記するとき、この3つの命題の真理値の間には、以下の真理値表
$$\begin{array}{ccc}\hline
\overline{A} & \overline{B} & \overline{A}\wedge \overline{B} \\ \hline
1 & 1 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 1 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

表:論理積の値

で表される関係が常に成り立つということです。

例(論理積の解釈)
変数\(x\)の定義域\(X\)はすべての実数からなる集合であるものとします。以下の論理式\begin{eqnarray}\forall x &\in &X:x^{2}\geq 0 \quad \cdots (1) \\
\exists x &\in &X:x^{3}\geq 0 \quad \cdots (2)
\end{eqnarray}はともに閉論理式です。これらの論理積をとると以下の閉論理式\begin{equation}
\left( \forall x\in X:x^{2}\geq 0\right) \wedge \left( \exists x\in
X:x^{3}\geq 0\right) \quad \cdots (3)
\end{equation}が得られます。論理積の定義より、\(\left( 1\right) \)と\(\left( 2\right) \)がともに真であるならば\(\left( 3\right) \)もまた真です。一方、\(\left(1\right) \)と\(\left( 2\right) \)の少なくとも一方が偽ならば\(\left(3\right) \)もまた偽です。

 

演習問題

問題(論理積)
変数\(x\)の定義域\(X\)はすべての整数からなる集合であるものとします。命題関数\(P\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x\text{は偶数}
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( x\right) \)を、\begin{equation*}5\leq x\leq 10
\end{equation*}と定義します。このとき、\(P\left( x\right) \)および\(Q\left(x\right) \)およびそれらの論理積\(\left( P\wedge Q\right) \left( x\right) \)の真理集合をそれぞれ求めてください。
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問題(論理積)
変数\(x\)の定義域\(X\)はすべての実数からなる集合であるものとします。命題関数\(P\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x<0
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( x\right) \)を、\begin{equation*}x^{2}=2
\end{equation*}と定義します。論理積\(\left( P\wedge Q\right) \left( x\right) \)の真理集合を求めてください。
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問題(論理積)
変数\(x\)の定義域は、\begin{equation*}X=\left\{ m_{1},m_{2},w_{1}\right\}
\end{equation*}であり、これはある組織のメンバーからなる集合であるものとします。変数\(y\)の定義域は、\begin{equation*}Y=\left\{ m_{3},w_{2},w_{3}\right\}
\end{equation*}であり、これは別の組織のメンバーからなる集合であるものとします。ただし、\(m_{i}\)は男性であり\(w_{i}\)は女性です。命題関数\(P\left(x,y\right) \)を、\begin{equation*}x\text{と}y\text{は知り合いである}
\end{equation*}と定義し、命題関数\(Q\left( x,y\right) \)を、\begin{equation*}x\text{と}y\text{は異性である}
\end{equation*}と定義します。\(m_{1}\)は\(m_{2},m_{3},w_{3}\)と知り合いであり、\(m_{2}\)は\(w_{3}\)と知り合いであり、\(w_{1}\)は\(m_{3},w_{2}\)と知り合いであり、それ以外にはお互いが知り合いでないものとします。このとき、\(P\left( x,y\right) \)および\(Q\left( x,y\right) \)およびそれらの論理積\(\left( P\wedge Q\right) \left( x,y\right) \)の真理集合をそれぞれ求めてください。
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