教材一覧
教材一覧
教材検索
PREDICATE LOGIC

述語論理における消去法

目次

次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有

消去法

推論の結論が論理和の形をしている場合には消去法(proof by elimination)と呼ばれる証明方法が有用です。まずは根拠となる命題を提示します。

命題(消去法)
論理式\(A_{1},\cdots ,A_{n},B,C\)について、以下の2つの命題\begin{eqnarray*}&&\left( a\right) \ A_{1},\cdots ,A_{n}\ \models \ B\vee C \\
&&\left( b\right) \ A_{1},\cdots ,\ A_{n},\lnot B\ \Rightarrow \ C
\end{eqnarray*}はお互いに必要十分である。

証明

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

上の命題はどのような意味において有用なのでしょうか。前提が\(A_{1},\cdots ,A_{n}\)であり結論が論理和\(B\vee C\)であるような推論規則\begin{equation}A_{1},\cdots ,A_{n}\ \models \ B\vee C \quad \cdots (1)
\end{equation}が成り立つことを証明しようとしている状況を想定してください。先の命題より、この推論規則は以下の推論規則\begin{equation}
A_{1},\cdots ,\ A_{n},\lnot B\ \Rightarrow \ C \quad \cdots (2)
\end{equation}と必要十分であるため、\(\left( 1\right) \)のかわりに\(\left( 2\right) \)を示しても構わないということになります。\(\left( 1\right) \)の結論\(B\vee C\)を構成する一方の論理式\(B\)の否定\(\lnot B\)を前提に加えた上で、最終的にもう一方の論理式\(C\)が真であることを示せばよいということになります。このような証明法法を消去法(proof by elimination)と呼びます。

例(消去法)
「任意の実数\(x\)について、\(x=x^{2}\)が成り立つ場合には\(x=0\)と\(x=1\)の少なくとも一方が成り立つ」という推論は妥当でしょうか。以下の命題関数\begin{eqnarray*}P\left( x\right) &:&x=x^{2} \\
Q\left( x\right) &:&x=0 \\
R\left( x\right) &:&x=1
\end{eqnarray*}を定義すると、与えられた推論は、\begin{equation}
\therefore \ \forall x\in X:\left( P\left( x\right) \rightarrow \left(
Q\left( x\right) \vee R\left( x\right) \right) \right) \quad \cdots (1)
\end{equation}と定式化されます。実数\(c\)を任意に選んだとき、\begin{equation*}P\left( c\right) \rightarrow \left( Q\left( c\right) \vee R\left( c\right)
\right)
\end{equation*}すなわち、\begin{equation}
P\left( c\right) \ \therefore \ Q\left( c\right) \vee R\left( c\right)
\quad \cdots (2)
\end{equation}が成り立つことを示せば、全称導入より\(\left( 1\right) \)が妥当になるため、以下では\(\left( 2\right) \)を示します。消去法より、以下の推論\begin{equation*}P\left( c\right) ,\ \lnot Q\left( c\right) \ \therefore \ R\left( c\right)
\end{equation*}が妥当であることを示しても問題ありません。つまり、「実数\(c\)が\(c=c^{2}\)と\(c\not=0\)を満たす場合には\(c=1\)が成り立つ」という推論の妥当性を示すことが目標になります。実際、\(c=c^{2}\)と\(c\not=0\)がともに成り立つ場合には\(c=c^{2}\)の両辺を\(c\)で割ることにより\(1=c\)すなわち\(x=c\)を得るため証明が完了しました。

 

演習問題

問題(消去法)
「任意の実数\(x\)について、\(x^{2}-5x+6\geq 0\)が成り立つ場合には\(x\leq 2\)と\(x\geq 3\)の少なくとも一方が成り立つ」という推論が妥当であることを消去法を用いて証明してください。
解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

次のページ >
Share on twitter
Twitterで共有
Share on email
メールで共有
DISCUSSION

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

RELATED KNOWLEDGE

関連知識

証明
命題論理における証明

推論の妥当性を示すために、前提を出発点として同値変形の法則や推論規則を用いて結論を次々に導出し、最終的に当初の推論式の結論を導出する手法を証明や演繹などと呼びます。

条件付き証明
命題論理における条件付き証明

推論を証明する際には、推論の前提とは異なる論理式を便宜的に真と仮定した上で、その論理式と推論の前提に対して推論規則を適用していく手法が時として有効です。仮定を利用する証明方法の代表的なものは条件付き証明です。

対偶律
命題論理における対偶法

推論の結論が偽であることを出発点として、推論の前提の少なくとも 1 つが偽であることを導くことができれば、対偶律よりもとの推論の妥当性が示されます。このような証明方法を対偶法と呼びます。

消去法
命題論理における消去法

結論が論理式 B,C を用いて B∨C で表される推論が与えられたとき、推論の前提に加えて ¬B が真であるということを出発点として C が真であることを示すことができれば、もとの推論が妥当であることを示したことになります。これを消去法と呼びます。

証明
述語論理における証明

推論の妥当性を示すために、前提を出発点として同値変形の法則や推論規則を用いて結論を次々に導出し、最終的に当初の推論式の結論を導出する手法を証明や演繹などと呼びます。

条件付き証明
述語論理における条件付き証明

推論を証明する際には、推論の前提とは異なる論理式を便宜的に真と仮定した上で、その論理式と推論の前提に対して推論規則を適用していく手法が時として有効です。仮定を利用する証明方法の代表的なものは条件付き証明です。

条件付き証明
述語論理における背理法

推論の結論が論理式 Bとして表されるとき、その否定 ¬B が真であることを仮定した上で、これと推論の前提に対して推論規則を適用して最終的に恒偽式を導くことができれば推論式が妥当であることを示したことになります。このような証明方法を背理法と呼びます。

対偶律
述語論理における対偶法

推論の結論が偽であることを出発点として、推論の前提の少なくとも 1 つが偽であることを導くことができれば、対偶律よりもとの推論の妥当性が示されます。このような証明方法を対偶法と呼びます。

述語論理