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命題論理

真理値表の簡略化

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真理値表の簡略化

真理値表を用いて論理式を解釈する場合、通常は、1つの列に部分論理式を1つずつ記していく形で真理値表を完成させます。

例(真理値表)
論理式\(A,B\)が与えられたとき、以下の論理式\begin{equation*}\left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right)
\end{equation*}を解釈しようとしている状況を想定します。通常は以下のようなプロセスで真理値を書くことになります。まずは、解釈のもととなる2つの論理式\(A,B\)の真理値を埋めます。

$$\begin{array}{cccccc}\hline
A & B & \lnot A & A\leftrightarrow B & \lnot A\wedge B & \left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right) \\
\hline
1 & 1 & & & & \\ \hline
1 & 0 & & & & \\ \hline
0 & 1 & & & & \\ \hline
0 & 0 & & & & \\ \hline
\end{array}$$

続いて、\(A,B\)の真理値と論理演算の定義から真理値を特定できるような部分論理式の真理値を特定します。

$$\begin{array}{cccccc}\hline
A & B & \lnot A & A\leftrightarrow B & \lnot A\wedge B & \left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right) \\
\hline
1 & 1 & 0 & 1 & & \\ \hline
1 & 0 & 0 & 0 & & \\ \hline
0 & 1 & 1 & 0 & & \\ \hline
0 & 0 & 1 & 1 & & \\ \hline
\end{array}$$

続いて、真理値が明らかになった部分論理式と論理演算の定義から真理値を特定できるような部分論理式の真理値を特定します。

$$\begin{array}{cccccc}\hline
A & B & \lnot A & A\leftrightarrow B & \lnot A\wedge B & \left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right) \\
\hline
1 & 1 & 0 & 1 & 0 & \\ \hline
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & \\ \hline
0 & 1 & 1 & 0 & 1 & \\ \hline
0 & 0 & 1 & 1 & 0 & \\ \hline
\end{array}$$

以降は同様です。

$$\begin{array}{cccccc}\hline
A & B & \lnot A & A\leftrightarrow B & \lnot A\wedge B & \left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right) \\
\hline
1 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 \\ \hline
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 \\ \hline
0 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\ \hline
0 & 0 & 1 & 1 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

解釈しようとする論理式が長い場合、部分論理式も膨大であるため、通常の方法にしたがうと真理値表が大きくなってしまいます。そのような場合には、真理値表の1つの列に論理式を構成する文字や論理演算子を1つずつ入れていく形で真理値表を描けばスペースを省略できます。

例(真理値表の簡略化)
先と同じ論理式について考えます。つまり、論理式\(A,B\)が与えられたとき、以下の論理式\begin{equation*}\left( A\leftrightarrow B\right) \rightarrow \left( \lnot A\wedge B\right)
\end{equation*}を解釈しようとしている状況を想定します。まずは、解釈のもととなる2つの論理式\(A,B\)の真理値を埋めます。

$$\begin{array}{cccccccc}\hline
(A & \leftrightarrow & B) & \rightarrow & (\lnot & A & \wedge & B) \\ \hline
1 & & 1 & & & 1 & & 1 \\ \hline
1 & & 0 & & & 1 & & 0 \\ \hline
0 & & 1 & & & 0 & & 1 \\ \hline
0 & & 0 & & & 0 & & 0 \\ \hline
\end{array}$$

続いて、\(A,B\)の真理値と論理演算の定義から真理値を特定できるような部分論理式の真理値を特定します。

$$\begin{array}{cccccccc}\hline
(A & \leftrightarrow & B) & \rightarrow & (\lnot & A & \wedge & B) \\ \hline
1 & 1 & 1 & & 0 & 1 & & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 & & 0 & 1 & & 0 \\ \hline
0 & 0 & 1 & & 1 & 0 & & 1 \\ \hline
0 & 1 & 0 & & 1 & 0 & & 0 \\ \hline
\end{array}$$

続いて、真理値が明らかになった部分論理式と論理演算の定義から真理値を特定できるような部分論理式の真理値を特定します。

$$\begin{array}{cccccccc}\hline
(A & \leftrightarrow & B) & \rightarrow & (\lnot & A & \wedge & B) \\ \hline
1 & 1 & 1 & & 0 & 1 & 0 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 & & 0 & 1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 1 & & 1 & 0 & 1 & 1 \\ \hline
0 & 1 & 0 & & 1 & 0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

以降は同様です。

$$\begin{array}{cccccccc}\hline
(A & \leftrightarrow & B) & \rightarrow & (\lnot & A & \wedge & B) \\ \hline
1 & 1 & 1 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 \\ \hline
1 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0 \\ \hline
0 & 0 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\ \hline
0 & 1 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 \\ \hline
\end{array}$$

 

演習問題

問題(真理値表の簡略化)
論理式\(A,B,C\)が与えられたとき、以下の論理式\begin{equation*}\left( \left( \lnot A\right) \vee B\right) \rightarrow C
\end{equation*}を解釈してください。その際、本文中で解説した簡略化された真理値表の表記を利用してください。

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問題(真理値表の簡略化)
論理式\(A,B\)が与えられたとき、以下の論理式\begin{equation*}\left( \left( A\rightarrow B\right) \rightarrow B\right) \rightarrow B
\end{equation*}を解釈してください。その際、本文中で解説した簡略化された真理値表の表記を利用してください。

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問題(真理値表の簡略化)
論理式\(A,B,C\)が与えられたとき、以下の論理式\begin{equation*}\left( A\leftrightarrow \left( \lnot B\vee C\right) \right) \rightarrow
\left( \lnot A\rightarrow B\right)
\end{equation*}を解釈してください。その際、本文中で解説した簡略化された真理値表の表記を利用してください。

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