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順列とその個数

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順列

集合\(A\)は有限\(n\)個の要素を持つものとします。ただし、\(n\)は自然数です。この集合\(A\)から1つずつ順番に、合計\(k\)個の要素を選びます。ただし、\(k\)は\(0\leq k\leq n\)を満たす自然数です。また、同じ要素を複数回選ぶことはできないものとします。この\(k\)個の要素を選んだ順番に並べることで得られる要素の列を\(n\)個の要素から\(k\)個を順番に選ぶ場合の順列(permutation)と呼びます。\(i\ \left( =1,2,\cdots ,k\right) \)番目に選ばれた要素を\(a_{i}\in A\)で表記するのであれば、それぞれの順列を集合\(A\)の要素を成分とする\(k\)組\begin{equation*}\left( a_{1},a_{2},\cdots ,a_{k}\right)
\end{equation*}として表現することができます。ただし、同じ要素を複数回選ぶことはできないため、以下の条件\begin{equation*}
\forall i,j\in \left\{ 1,2,\cdots ,k\right\} :\left( i\not=j\Rightarrow
a_{i}\not=a_{j}\right)
\end{equation*}が成立している必要があります。

例(順列)
「3つの数字\(1,2,3\)の中から\(2\)個を順番に選んだ上で、選んだ順番に並べる」という試行について考えます。つまり、以下の集合\begin{equation*}A=\left\{ 1,2,3\right\}
\end{equation*}から\(2\)個の要素を順番に選ぶ場合の順列が標本点であるため、この試行の標本空間は、\begin{equation*}\Omega =\left\{ \left( 1,2\right) ,\left( 2,1\right) ,\left( 1,3\right)
,\left( 3,1\right) ,\left( 2,3\right) ,\left( 3,2\right) \right\}
\end{equation*}となります。したがって、標本点の個数は、\begin{equation*}
\left\vert \Omega \right\vert =6
\end{equation*}です。ちなみに、以下の順序対\begin{equation*}
\left( 1,1\right) ,\left( 2,2\right) ,\left( 3,3\right)
\end{equation*}では同じ数字を重複して選んでしまっているため順列ではなく、したがって、試行の標本点でもありません。

例(順列)
「4人\(a,b,c,d\)の中から3人を順番に選んだ上で、選んだ順番に並べる」という試行について考えます。つまり、以下の集合\begin{equation*}A=\left\{ a,b,c,d\right\}
\end{equation*}から\(3\)個の要素を順番に選ぶ場合の順列が標本点であるため、この試行の標本空間は、\begin{equation*}\Omega =\begin{array}{c}
\{\left( a,b,c\right) ,\left( a,c,b\right) ,\left( b,a,c\right) ,\left(
b,c,a\right) ,\left( c,a,b\right) ,\left( c,b,a\right) , \\
\left( a,b,d\right) ,\left( a,d,b\right) ,\left( b,a,d\right) ,\left(
b,d,a\right) ,\left( d,a,b\right) ,\left( d,b,a\right) , \\
\left( a,c,d\right) ,\left( a,d,c\right) ,\left( c,a,d\right) ,\left(
c,d,a\right) ,\left( d,a,c\right) ,\left( d,c,a\right) , \\
\left( b,c,d\right) ,\left( b,d,c\right) ,\left( c,b,d\right) ,\left(
c,d,b\right) ,\left( d,b,c\right) ,\left( d,c,b\right) \}\end{array}\end{equation*}となります。したがって、標本点の個数は、\begin{equation*}
\left\vert \Omega \right\vert =24
\end{equation*}です。ちなみに、以下の順序対\begin{equation*}
\left( a,a,b\right) ,\left( b,a,a\right) ,\left( a,b,a\right) ,\left(
a,a,a\right) ,\cdots
\end{equation*}では同一人物を重複して選んでしまっているため順列ではなく、したがって、試行の標本点でもありません。

 

順列の個数

\(n\)個の要素を持つ集合\(A\)から\(k\)個の要素を順番に選ぶ場合、どの要素を選ぶか、また、どのような順番で選ぶかに応じて、様々な順列を得ることができます。そこで、そのようなすべての順列の個数を、\begin{equation*}P\left( n,k\right) ,\quad P_{n,k},\quad _{n}P_{k}
\end{equation*}などで表記します。ただし、\(k=0\)の場合の順列の個数については、\begin{equation*}P\left( n,0\right) =1
\end{equation*}と定めます。

順列の個数に関して以下の命題が成り立ちます。証明では数え上げに関する積の法則を利用します。

命題(順列の個数)
\(n\)個の要素を持つ集合から\(k\)個の要素を順番に選ぶことで得られる順列の個数は、\begin{equation*}P\left( n,k\right) =\frac{n!}{\left( n-k\right) !}
\end{equation*}となる。ただし、\(n,k\in \mathbb{N} \)かつ\(0\leq k\leq n\)である。特に、\(k=n\)の場合には、\begin{equation*}P\left( n,n\right) =n!
\end{equation*}となる。ただし、\begin{equation*}
0!=1
\end{equation*}と定める。

証明

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例(順列の個数)
「3つの数字\(1,2,3\)の中から\(2\)個を順番に選んだ上で、選んだ順番に並べる」という試行の標本空間について、\begin{equation*}\left\vert \Omega \right\vert =6
\end{equation*}が成り立つことを先に確認しましたが、同じ結論を上の命題から導きます。これは\(3\)個の要素を持つ集合から\(2\)個の要素を順番に選ぶことで得られる順列の個数に等しいため、先の命題より、\begin{eqnarray*}P\left( 3,2\right) &=&\frac{3!}{\left( 3-2\right) !} \\
&=&\frac{3\cdot 2\cdot 1}{1} \\
&=&6
\end{eqnarray*}となりますが、これは先の結果と整合的です。

例(順列の個数)
「4人\(a,b,c,d\)の中から3人を順番に選んだ上で、選んだ順番に並べる」という試行の標本空間について、\begin{equation*}\left\vert \Omega \right\vert =24
\end{equation*}が成り立つことを先に確認しましたが、同じ結論を上の命題から導きます。これは\(4\)個の要素を持つ集合から\(3\)個の要素を順番に選ぶことで得られる順列の個数に等しいため、先の命題より、\begin{eqnarray*}P\left( 4,3\right) &=&\frac{4!}{\left( 4-3\right) !} \\
&=&\frac{4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}{1} \\
&=&24
\end{eqnarray*}となりますが、これは先の結果と整合的です。

例(順列の個数)
「10冊の本を本棚に順番に並べる」という試行について考えます。この試行の標本点、すなわち本の並べ方は、\(10\)個の要素を持つ集合から\(10\)個の要素を順番に選ぶ場合の順列に相当するため、その総数は、\begin{eqnarray*}\left\vert \Omega \right\vert &=&P\left( 10,10\right) \\
&=&10! \\
&=&3628800
\end{eqnarray*}となります。

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