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1変数関数の積分

変数yに関する関数のグラフの長さと積分

目次

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1変数関数のグラフが滑らかであるための条件

\(a<b\)を満たす実数\(a,b\in \mathbb{R} \)を端点とする有界閉区間\(\left[ a,b\right] \subset \mathbb{R} \)上に定義された変数\(y\)に関する実数値関数\begin{equation*}f:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R} \end{equation*}が与えられているものとします。さらに、この関数\(f\)は定義域の内部である開区間\(\left( a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級であるものとします。

関数\(f\)のグラフは、
\begin{equation*}
G\left( f\right) =\left\{ \left(
\begin{array}{c}
f\left( y\right) \\
y\end{array}\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ y\in \left[ a,b\right] \right\}
\end{equation*}と定義される平面\(\mathbb{R} ^{2}\)上の曲線であり、その媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=f\left( t\right) \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ a,b\right] \right)
\end{equation*}となります。

仮定より関数\(f\)は\(\left(a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級であるため、グラフ\(G\left(f\right) \)上の点の\(x\)座標を特定する関数\(x:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R} \)は\(\left( a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級であり、その導関数\(\frac{dx}{dt}\)は、\begin{equation*}\frac{dx\left( t\right) }{dt}=\frac{df\left( t\right) }{dt}
\end{equation*}となります。グラフ\(G\left( f\right) \)上の点の\(y\)座標を特定する関数\(y:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R} \)は\(\left( a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級であり、その導関数\(\frac{dy}{dt}\)は、\begin{equation*}\frac{dy\left( t\right) }{dt}=\frac{dt}{dt}=1
\end{equation*}となります。すると、任意の\(t\in \left( a,b\right) \)において、\begin{equation*}\left(
\begin{array}{c}
\frac{dx\left( t\right) }{dt} \\
\frac{dy\left( t\right) }{dt}\end{array}\right) =\left(
\begin{array}{c}
\frac{df\left( t\right) }{dt} \\
1\end{array}\right) \not=\left(
\begin{array}{c}
0 \\
0\end{array}\right)
\end{equation*}となるため、グラフ\(G\left( f\right) \)は\(\left[ a,b\right] \)上において滑らかであることが明らかになりました。結論を整理すると、有界閉区間上に定義された変数\(y\)に関する関数が\(C^{1}\)級である場合、その関数のグラフは滑らかであるということです。

例(滑らかなグラフを持つ関数)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ -1,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ -1,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =y
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=f\left( t\right) \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}すなわち、\begin{equation*}
\left\{
\begin{array}{c}
x=t \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}です。この関数\(f\)は\(C^{1}\)級であるため、グラフ\(G\left( f\right) \)は\(\left[ -1,1\right] \)上において滑らかです。

関数のグラフは滑らかであるとは限りません。以下の例より明らかです。

例(滑らかなではない関数のグラフ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ -1,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ -1,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =\left\vert y\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=f\left( t\right) \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}すなわち、\begin{equation*}
\left\{
\begin{array}{c}
x=\left\vert t\right\vert \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}です。この関数\(f\)は点\(0\)において微分可能ではないため、グラフ\(G\left( f\right) \)は\(\left[ -1,1\right] \)上において滑らかではありません。

 

1変数関数のグラフの長さ

変数\(y\)に関する1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R} \)のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=f\left( t\right) \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ a,b\right] \right)
\end{equation*}であるとともに、関数\(f\)が\(\left( a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級である場合、グラフ\(G\left( f\right) \)は\(\left[ a,b\right] \)上において滑らかであることが明らかになりました。したがってこの場合、グラフ\(G\left( f\right) \)の長さは、\begin{eqnarray*}G\left( f\right) \text{の長さ} &=&\int_{a}^{b}\sqrt{\left[
\frac{dx\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+\left[ \frac{dy\left( y\right) }{dt}\right] ^{2}}dt \\
&=&\int_{a}^{b}\sqrt{\left[ \frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+\left[
\frac{dt}{dt}\right] ^{2}}dt \\
&=&\int_{a}^{b}\sqrt{\left[ \frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1^{2}}dt \\
&=&\int_{a}^{b}\sqrt{\left[ \frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt
\end{eqnarray*}と定まります。

結論を整理すると、変数\(y\)に関する1変数関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ a,b\right] \rightarrow \mathbb{R} \)が\(\left( a,b\right) \)上において\(C^{1}\)級である場合、そのグラフ\(G\left( f\right) \)の長さは、\begin{equation*}G\left( f\right) \text{の長さ}=\int_{a}^{b}\sqrt{\left[
\frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt
\end{equation*}と定まります。

例(1変数関数のグラフの長さ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ -1,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ -1,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =y
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=t \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}です。このグラフ\(G\left(f\right) \)は2つの点\(\left( -1,-1\right) ,\left(1,1\right) \)を端点とする線分であるため、その長さは、\begin{eqnarray*}G\left( f\right) \text{の長さ} &=&\sqrt{\left[ 1-\left(
-1\right) \right] ^{2}+\left[ 1-\left( -1\right) \right] ^{2}} \\
&=&2\sqrt{2}
\end{eqnarray*}です。同じことを積分を用いて示します。先に示したように\(G\left( f\right) \)は\(\left[ -1,1\right] \)上において滑らかであるため、\begin{eqnarray*}G\left( f\right) \text{の長さ} &=&\int_{-1}^{1}\sqrt{\left[
\frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{1}\sqrt{\left[ \frac{dt}{dt}\right] ^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{1}\sqrt{1^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{1}\sqrt{2}dt \\
&=&\left[ \sqrt{2}t\right] _{-1}^{1} \\
&=&\sqrt{2}-\left( -\sqrt{2}\right) \\
&=&2\sqrt{2}
\end{eqnarray*}となり、先と同じ結果が得られました。

関数\(f\)のグラフ\(G\left( f\right) \)が滑らかではない場合でも、\(G\left( f\right) \)を複数の滑らかな曲線へ分割できる場合には、滑らかの個々の曲線の長さを積分によって求めた上で、それらの総和をとれば\(G\left(f\right) \)の長さが得られます。

例(1変数関数のグラフの長さ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ -1,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ -1,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =\left\vert y\right\vert
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示は、\begin{equation*}\left\{
\begin{array}{c}
x=\left\vert t\right\vert \\
y=t\end{array}\right. \quad \left( t\in \left[ -1,1\right] \right)
\end{equation*}です。先に示したように\(G\left( f\right) \)は滑らかではありません。ただし、\(G\left( f\right) \)は\(\left[ -1,0\right] \)上および\(\left[ 0,1\right] \)上においてそれぞれ滑らかであるため、\begin{eqnarray*}G\left( f\right) \text{の長さ} &=&\int_{-1}^{0}\sqrt{\left[
\frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt+\int_{0}^{1}\sqrt{\left[
\frac{df\left( t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{0}\sqrt{\left[ \frac{d\left\vert t\right\vert }{dt}\right] ^{2}+1}dt+\int_{0}^{1}\sqrt{\left[ \frac{d\left\vert t\right\vert }{dt}\right] ^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{0}\sqrt{\left[ \frac{d\left( -t\right) }{dt}\right] ^{2}+1}dt+\int_{0}^{1}\sqrt{\left[ \frac{dt}{dt}\right] ^{2}+1}dt \\
&=&\int_{-1}^{0}\sqrt{\left( -1\right) ^{2}+1}dt+\int_{0}^{1}\sqrt{1^{2}+1}dt
\\
&=&\int_{-1}^{0}\sqrt{2}dt+\int_{0}^{1}\sqrt{2}dt \\
&=&\left[ \sqrt{2}t\right] _{-1}^{0}+\left[ \sqrt{2}t\right] _{0}^{1} \\
&=&0-\left( -\sqrt{2}\right) +\sqrt{2}-0 \\
&=&2\sqrt{2}
\end{eqnarray*}となります。

 

演習問題

問題(関数のグラフの長さ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ -1,2\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ -1,2\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =3y+2
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示を特定するとともに、\(G\left( f\right) \)の長さを積分を用いて明らかにしてください。
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問題(関数のグラフの長さ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 0,1\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ 0,1\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =2y^{\frac{3}{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示を特定するとともに、\(G\left( f\right) \)の長さを積分を用いて明らかにしてください。
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問題(関数のグラフの長さ)
関数\(f:\mathbb{R} \supset \left[ 1,2\right] \rightarrow \mathbb{R} \)はそれぞれの\(y\in \left[ 1,2\right] \)に対して、\begin{equation*}f\left( y\right) =\frac{y^{4}}{8}+\frac{1}{4y^{2}}
\end{equation*}を定めるものとします。この関数のグラフ\(G\left( f\right) \)の媒介変数表示を特定するとともに、\(G\left( f\right) \)の長さを積分を用いて明らかにしてください。
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