WIIS

生産者理論

1生産物モデルにおける生産集合

目次

Twitter
Mailで保存

1生産物モデルにおける生産計画

生産者は原料や材料などの生産要素(input)を市場で購入し、それらを利用して新たな生産物(output)を作り出し、それを市場で販売します。したがって、生産者にとっての選択肢は、どの商品をどれだけ投入し、どの商品をどれだけ生産するか、その組み合わせに相当する生産計画(production plan)として表現可能です。

分析対象となる生産者にとって、経済に存在する商品の中でも\(N\)種類の商品が生産要素であり、それらとは異なる\(1\)種類の商品が生産物である状況を想定します。以降ではこれを\(N\)生産要素\(\mathbf{1}\)生産物モデル(\(N\)-input single-output)モデルや\(1\)生産物モデル(single-output model)などと呼びます。生産要素\(i\ \left( =1,\cdots,N\right) \)の投入量を、\begin{equation*}x_{i}\geq 0
\end{equation*}と表記するのであれば、すべての生産要素の投入量の組み合わせを、\begin{equation*}
x=\left(
\begin{array}{c}
x_{1} \\
\vdots \\
x_{N}\end{array}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{N}
\end{equation*}という非負の実数を成分として持つ\(N\)次元ベクトルとして表現できますが、これを投入ベクトル(input vector)と呼びます。一方、生産物の産出量は、\begin{equation*}y\geq 0
\end{equation*}という非負の実数として表現できますが、これを産出量(production level)と呼びます。以上を踏まえた上で、投入ベクトルと産出量の組\begin{equation*}
\left(
\begin{array}{c}
x \\
y\end{array}\right) =\left(
\begin{array}{c}
x_{1} \\
\vdots \\
x_{N} \\
y\end{array}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{N+1}
\end{equation*}を生産計画(production plan)と呼びます。

生産計画を列ベクトルとして定義しましたが、多くの場合、スペースの制約を考慮した上で、これを行ベクトル\begin{equation*}
\left( x,y\right) =\left( x_{1},\cdots ,x_{N},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{N+1}
\end{equation*}として表記することもあります。本来、列ベクトルと行ベクトルは数学的には互いに区別されるべき概念ですが、ここでは特に断りのない限り両者を同一視し、両者は交換可能であるものとします。

例(生産計画)
2生産要素1生産物モデルにおいて、\(3\)単位の生産要素\(1\)と\(4\)単位の生産要素\(2\)を投入すれば生産物を\(6\)単位生産できるのであれば、このような生産計画は、\begin{equation*}\left( x_{1},x_{2},y\right) =\left( 3,4,6\right)
\end{equation*}と表現されます。原材料である生産要素\(1,2\)の投入量を\(2\)倍にすれば生産物の産出量も\(2\)倍になるのであれば、そのような生産計画は、\begin{equation*}\left( x_{1},x_{2},y\right) =\left( 6,8,12\right)
\end{equation*}と表現されます。

生産要素の投入量と生産物の産出量の組み合わせは無数に存在するため、生産計画は無数に存在します。\(N\)生産要素\(1\)生産物モデルにおいて、すべての生産計画からなる集合はユークリッド空間\begin{equation*}\mathbb{R} _{+}^{N+1}\end{equation*}です。

例(生産計画)
1生産要素1生産物モデルにおける生産計画は\begin{equation*}
\left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}
\end{equation*}として表現されます。ただし、\(x\)は生産要素の投入量であり、\(y\)は生産物の産出量です。すべての生産計画からなる集合は、\begin{equation*}\mathbb{R} _{+}^{2}=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} ^{2}\ |\ x\geq 0\wedge y\geq 0\right\} \end{equation*}です。

例(生産計画)
2生産要素1生産物モデルにおける生産計画は\begin{equation*}
\left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{3}
\end{equation*}として表現されます。ただし、\(x_{1}\)は生産要素\(1\)の投入量、\(x_{2}\)は生産要素\(2\)の投入量、\(y\)は生産物の産出量です。すべての生産計画からなる集合は、\begin{equation*}\mathbb{R} _{+}^{3}=\left\{ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} ^{3}\ |\ x_{1}\geq 0\wedge x_{2}\geq 0\wedge y\geq 0\right\} \end{equation*}です。

 

1生産モデルにおける生産計画

現実の生産者は様々な制約に直面しているため、\(\mathbb{R} _{+}^{N+1}\)上の任意の生産計画を自由に選択できるわけではありません。このような事情を踏まえた上で、生産者が選択可能な生産計画からなる集合を生産集合(production set)や生産空間(productionspace)などと呼びます。生産集合を\(Y\)で表記する場合、明らかに、\begin{equation*}Y\subset \mathbb{R} _{+}^{N+1}
\end{equation*}という関係が成り立ちます。生産計画\(\left(x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{N}\)が、\begin{equation*}\left( x,y\right) \in Y
\end{equation*}を満たす場合には\(\left(x,y\right) \)は実現可能(feasible)であると言います。逆に、\begin{equation*}\left( x,y\right) \not\in Y
\end{equation*}である場合には\(\left( x,y\right) \)は実現不可能(unfeasible)であると言います。以降において生産計画(production plan)や生産ベクトル(production vector)などと言うとき、特に断りのない場合には、それは実現可能な生産計画を指します。

生産集合\(Y\subset \mathbb{R} _{+}^{N+1}\)の境界を生産フロンティア(production frontier)と呼び、これを、\begin{equation*}Y^{f}
\end{equation*}で表記します。生産フロンティアの重要性については後ほど解説します。

例(生産集合)
1生産要素1生産物モデルにおける生産集合が、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ y\leq x\right\}
\end{equation*}で与えられているものとします。これは下図のグレーの領域として図示されています(境界を含む)。

図:生産集合
図:生産集合

\(x\geq 0\)であるため、生産者は生産要素を好きなだけ投入できます。生産要素を\(x\)だけ投入すると、生産物を最大で\(x\)だけ生産できます。同時に、\(0\leq y\leq x\)を満たす任意の\(y\)もまた産出可能ですが、これは生産者が生産物を制限なく廃棄できることを意味します。

例(生産集合)
2生産要素1生産物モデルにおける生産集合が、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{3}\ |\ y\leq x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\right\}
\end{equation*}で与えられているものとします。\(x_{1}\geq 0\)かつ\(x_{2}\geq 0\)であるため、生産者は生産要素を好きなだけ投入できます。生産要素\(1,2\)を\(\left(x_{1},x_{2}\right) \)だけ投入すると、生産物を最大で\(x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\)だけ生産できます。同時に、\(0\leq y\leq x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\)を満たす任意の\(y\)もまた産出可能ですが、これは生産者が生産物を制限なく廃棄できることを意味します。

 

生産者に課される物理的な制約

生産者は物理的な制約(physical constraint)に直面します。例えば、生産者が生産要素として利用する労働の投入量を\(y\)で表し、その単位を労働者1人当たりの「時間」とするとき、その投入量には\(0\leq y\leq 24\)という制約が課されます。

生産者がある期間中に生産する「車」の産出量を\(y\)で表し、その単位として「台」を採用するとき、例えば、\(1.5\)台など非整数量の車を生産することは不可能であるため、その産出量には\(y\in \mathbb{Z} _{+}\)という制約が課されます。つまり、\(y\)は非負の整数を値としてとり得ます。この例のように、非負の整数単位でのみ生産ないし消費可能な商品を非分割財(indivisiblecommodity)と呼びます。他方で、任意の実数量で生産ないし消費可能な商品を分割財(divisible commodity)と呼びます。

 

生産者に課される制度的な制約

生産者は制度的な制約(institutional constraint)に直面します。つまり、社会において運用されている制度や法体系が原因で、生産者が選択可能な生産ベクトルが制限されることがあります。

例えば、生産者が生産要素として利用する労働の投入量を\(y\)で表し、その単位を労働者1人当たりの「時間」とするとき、例えば、1日の労働時間は8時間以内でなければならないという法律が存在するならば\(0\leq y\leq 8\)という制約が課されます。

特定の制度の有無が生産行動に与える影響に興味がある場合には、制度的な制約を明示的に考慮した生産集合を利用することで分析目的を達成することができます。ただ、生産者理論の一般的な分析においては、制度的な制約を明示的に考慮した生産集合を利用することは稀です。

 

生産者に課される技術的な制約

生産者がある時点において保有している、生産要素の投入量と生産物の産出量の関係についての知識の総体を技術(technology)と呼びます。つまり、技術とは、どの生産要素の投入をどれだけ増加させたときに、どの生産物の産出量がどれだけ変化するかということに関する知識の総体です。

生産者は技術的な制約(technological constraint)に直面します。つまり、生産者がある時点において保有する技術を前提としたとき、その生産者が選択可能な生産ベクトルは限定されます。これまで解説したように生産者は様々な種類の制約に直面していますが、生産者理論ではその中でも技術的な制約を重視します。つまり、技術的な制約を考慮してもなお選択可能な消費ベクトルからなる集合として生産集合を定義するということです。

 

生産者に課される時間的な制約

多くの場合、企業は一定の期間を見据えた上で、その期間内で実現可能な生産ベクトルだけを選択対象とします。したがって、ある生産ベクトルが技術的には選択可能であっても、生産や投資には時間がかかるため、その限られた期間内ではその生産ベクトルが選択可能ではないという事態が起こり得ます。生産者は時間的な制約(time constraint)に直面しているということです。

例えば、工場や機械、熟練労働力などの耐久生産財を生産要素として利用する場合、投入の意思決定を行ってからそれらを生産要素として実際に利用できるようになるまでには長い時間が必要です。耐久生産財を調達するために必要な期間の長さが問題としている生産物の生産期間よりも長い場合には、生産者はその耐久生産財の投入量を増やすことはできず、既存のストックを投入することしかできません。

また、耐久生産財の購入契約は購入時に行われ、廃棄しても支払われた対価を直接取り戻すことはできません。また、多くの場合、耐久生産財の中古市場は存在しないため、不要になった耐久生産財を売却して対価を取り戻すことは困難です。そのような事情もあり、生産者が生産期間の途中で耐久生産財を廃棄もしくは売却することは稀です。したがって、耐久生産財の投入量は短期的には固定されているものと考えられます。

以上の例から明らかであるように、ある生産要素の投入量が可変的であるか、もしくは固定的であるかは生産期間の長さに依存する形で決定されます。そこで、すべての生産要素の投入量を変更できるほど長い計画期間を長期(long-run)と呼び、固定生産要素が少なくとも1種類存在するほど短い計画期間を短期(short-run)と呼びます。生産者理論においては、生産者が直面する時間的な制約を考慮するために、長期と短期のそれぞれの場合について考察を行います。

 

必要投入量集合と可能産出量集合

1生産物モデルにおいて生産集合\(Y\subset \mathbb{R} _{+}^{N+1}\)および産出量\(y\in \mathbb{R} _{+}\)が与えられたとき、それに対して、\begin{equation*}R\left( y\right) =\left\{ x\in \mathbb{R} _{+}^{N}\ |\ \left( x,y\right) \in Y\right\}
\end{equation*}と定義される投入ベクトルからなる集合を\(y\)の必要投入量集合(input requirement set)と呼びます。これは生産量\(y\)を実現できるすべての投入ベクトルからなる集合です。

1生産物モデルにおいて生産集合\(Y\subset \mathbb{R} _{+}^{N+1}\)および投入ベクトル\(x\in \mathbb{R} _{+}^{N}\)が与えられたとき、それに対して、\begin{equation*}P\left( x\right) =\left\{ y\in \mathbb{R} _{+}\ |\ \left( x,y\right) \in Y\right\}
\end{equation*}と定義される産出量からなる集合を\(x\)の可能産出量集合(producible output set)と呼びます。これは投入ベクトル\(x\)のもとで実現できるすべての生産量からなる集合です。

例(必要投入量集合と可能産出量集合)
1生産要素1生産物モデルにおける生産集合を、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ y\leq x\right\}
\end{equation*}と定義します。産出量\(y\geq 0\)の必要投入量集合は、\begin{eqnarray*}R\left( y\right) &=&\left\{ x\in \mathbb{R} _{+}\ |\ \left( x,y\right) \in Y\right\} \quad \because \text{必要投入量集合の定義} \\
&=&\left\{ x\in \mathbb{R} _{+}\ |\ y\leq x\right\} \quad \because Y\text{の定義} \\
&=&[y,+\infty )
\end{eqnarray*}ですが、これは産出量\(y\)を実現するためには生産要素を\(y\)以上投入すればよいことを意味します。投入ベクトル\(x\geq 0\)の可能産出量集合は、\begin{eqnarray*}P\left( x\right) &=&\left\{ y\in \mathbb{R} _{+}\ |\ \left( x,y\right) \in Y\right\} \quad \because \text{可能産出量集合の定義} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} _{+}\ |\ y\leq x\right\} \quad \because Y\text{の定義} \\
&=&\left[ 0,x\right] \end{eqnarray*}ですが、これは生産要素を\(x\)だけ投入すれば\(0\)以上\(x\)以下の任意の産出量を達成できることを意味します。
例(必要投入量集合と可能産出量集合)
2生産要素1生産物モデルにおける生産集合を、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{3}\ |\ y\leq x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\right\}
\end{equation*}と定義します。産出量\(y\geq 0\)の必要投入量集合は、\begin{eqnarray*}R\left( y\right) &=&\left\{ \left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in Y\right\} \quad \because \text{必要投入量集合の定義} \\
&=&\left\{ \left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ y\leq x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\right\} \quad
\because Y\text{の定義}
\end{eqnarray*}であり、投入ベクトル\(\left( x_{1},x_{2}\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\)の可能産出量集合は、\begin{eqnarray*}P\left( x_{1},x_{2}\right) &=&\left\{ y\in \mathbb{R} _{+}\ |\ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in Y\right\} \quad \because \text{可能産出量集合の定義} \\
&=&\left\{ y\in \mathbb{R} _{+}\ |\ y\leq x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\right\} \quad \because
Y\text{の定義} \\
&=&\left[ 0,x_{1}^{\frac{1}{2}}x_{2}^{\frac{1}{2}}\right] \end{eqnarray*}です。

 

演習問題

問題(生産集合)
1生産要素1生産物モデルにおける生産集合が、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x,y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{2}\ |\ y\leq x^{\frac{1}{2}}\right\}
\end{equation*}で与えられているものとします。生産集合を図示した上で、この生産者はどのような技術を持っているか説明してください。また、必要投入量集合と可能産出量集合をそれぞれ定式化してください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(生産集合)
2生産要素1生産物モデルにおける生産集合が、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{3}\ |\ y\leq x_{1}+2x_{2}\right\}
\end{equation*}で与えられているものとします。生産集合を図示した上で、この生産者はどのような技術を持っているか説明してください。また、必要投入量集合と可能産出量集合をそれぞれ定式化してください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

問題(生産集合)
2生産要素1生産物モデルにおける生産集合が、\begin{equation*}
Y=\left\{ \left( x_{1},x_{2},y\right) \in \mathbb{R} _{+}^{3}\ |\ y\leq \min \left\{ x_{1},\frac{x_{2}}{2}\right\} \right\}
\end{equation*}で与えられているものとします。生産集合を図示した上で、この生産者はどのような技術を持っているか説明してください。また、必要投入量集合と可能産出量集合をそれぞれ定式化してください。

解答を見る

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

Twitter
Mailで保存

質問とコメント

プレミアム会員専用コンテンツです
ログイン】【会員登録

関連知識

生産集合

現実の生産者は様々な制約に直面しているため、商品空間に属するすべての生産計画を選択できるわけではありません。そこで、生産者が選択可能な生産計画からなる商品空間の部分集合を生産集合と呼びます。

効率生産集合

生産者が技術的に選択可能な2つの生産ベクトルが与えられたとき、一方が他方よりも、より少ない投入でより多くを生産できるのであれば、それは効率的であると言えます。

変換関数

生産集合は生産者が技術的に選択可能なすべての生産ベクトルからなる集合であるため、生産者の技術は生産集合の形状として表現されます。一方、生産者の技術を変換関数と呼ばれる関数を用いて表現することもできます。

限界変形率

変換フロンティア上の生産ベクトルを出発点として、商品iの純産出量を1単位変化させてもなお、変換フロンティア上に留まるために変化させる必要のある商品jの純産出量を、その生産ベクトルにおける商品iの商品jで測った限界変形率と呼びます。

生産集合の非空性

生産者は生産集合に属する生産ベクトルを選ぶため、仮に生産集合が空集合であるならば、生産者がどのような選択を行うかという問題を検討する余地がなくなってしまいます。

生産集合の連続性

生産集合が閉集合であるという仮定を連続性の仮定と呼びます。変換関数が連続関数である場合には生産集合は連続性を満たします。

生産集合の操業停止可能性

生産集合がゼロベクトルを要素として持つ場合、生産集合は商業停止可能性を満たすと言います。これは、生産者が投入や産出を一切行わないことが可能であることを意味します。

生産集合の凸性

生産者理論では生産集合が凸集合であることを仮定することがあります。これは変換関数が準凸関数であることを意味します。

生産集合の中立性

何らかの生産物の純産出量を増やそうとする行為が技術的に不可能であるような局面が必ず到来する場合、生産集合は中立性を満たすと言います。

1生産物モデルにおける効率生産集合

1生産物モデルにおいて生産者が技術的に選択可能な2つの生産ベクトルが与えられたとき、一方が他方よりも、より少ない投入でより多くを生産できるのであれば、それは効率的であると言えます。

生産関数

1生産物モデルにおいて生産者の技術を生産集合と呼ばれる概念を用いて表現しましたが、生産者の技術を生産関数と呼ばれる関数を用いて表現することもできます。

1生産物モデルにおける生産集合の非空性

1生産物モデルにおいて生産者は生産集合に属する生産ベクトルを選ぶため、仮に生産集合が空集合であるならば、生産者がどのような選択を行うかという問題を検討する余地がなくなってしまいます。

生産者理論